椎名作品二次創作小説投稿広場


俺の生きる意味

プロローグ


投稿者名:時計うさぎ
投稿日時:05/ 5/26







死ぬことはできない

俺の命は君の命だから

死ねないんだ


生きる意味?

俺の生きる意味?






どれだけの想いを募らせ

君のいない

この世界で生きる

俺の

存在理由



なぁ…ルシオラ




俺はどうすればいい?




























バンッ

少々荒くドアを開けて入ってきた横島を美神は不機嫌そうに文句を言う。
美神は今デスクで事務処理をしていた。
おキヌちゃん、タマモ、シロはオカルトGメンに貸し出し中で今は一人なのだ。

「横島クン!遅刻よ!その分、給料から引くからね!それからもっと静かに入ってきて!壊れたら弁償させるから!」


横島はそれに臆することなく、決意に満ちた目で美神を見つめた。

「何よ?文句あるの?」

「美神さん!俺、事務所をやめます!」

美神は想像もしていなかった唐突な言葉に困惑する。

「あんた何いってるの?意味わかって言ってる?やめたいですって!?」

「俺、ここを止めたいんです!お願いします!美神さん!やめさせてください!」

そういって横島は頭を下げる。
美神はあまりのことにショックと怒りで身体から震えている。



こいつが私の傍から離れる?
もう、隣にはいてはくれないの?
どうして?
どうして?
どうして?

何がいけなかったの?





貴方も…横島クンも私を置いていくの?












「ふざけんじゃないわよッ!何よ急に!」

横島は頭を下げたまま、もう一度いう。

「お願いします!やめさせてください!」

「駄目よッ!」

その言葉に横島は身を翻し、部屋から出て行こうとする。

「ちょっとまって!横島クン!…しょうがないから…給料を上げてあげるから、もう一度考え直して…ね?…」

通常の美神ならありえない言葉。
しかし、それでも横島の決意は揺るがなかった。
振り返り言葉を紡ぎだす

「すいません、それでも俺は…ここにはいられないんです」

困惑し、捨てられた子猫のような縋る瞳に見つめられても、横島の決意は変わらなかった。


「どうして?どうしてなのッ!?」

ヒステリックに叫ぶ美神。

「俺…ここにいたら…駄目になってしまうから」

そう…ぬるま湯にいつまでも浸かってるわけにはいかないんだ。
俺は…あいつのためにも、俺自身のためにも、このぬるま湯から出ていかなければならない。




ギィィ

ドワが開く。


「さよなら…美神さん」


「どうして、どうしてなの?横島クン!」

美神の悲鳴めいた叫びが横島の背中に突き刺さる。
横島は振り向かない。


ガチャン

ドワは閉まった。

それはまるで横島と自分の関係を表しているように思えた。





開いていた扉が閉まった。










「どうしてなの?横島クン…」







そして唐突に理解してしまった。

彼は本気なのだと…そしてもう二度と自分のところへ帰ってくる気がないのだと。



頬に涙が零れ落ちた。








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