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復活

誰が為に金はある?(4)


投稿者名:ETG
投稿日時:05/ 4/30

7回戦開始(残り3人、タイガー、おキヌ、令子)

「ここまで勝ち残ってるのに、なんでこんなに出番が少ないんジャー!!!」
意味のわからん叫びをあげるタイガー。
「しかし、前回不戦だったからおキヌちゃんの戦いは間近で見てるんで少し楽ジャー」

美智恵のアドバイス
《寅吉君はおキヌちゃんにとっては一番の強敵よ。勝ち目がないわ。つけいるべき霊体を外に出さずに攻撃できるからね。
 しかも、おそらく油断がないわ。だから当たる前にルシオラさんを味方につけてることを祈るわ》

「あーあ、おキヌちゃん単独ならタイガー優勝だったかもしれないのに、なワケ!!
 ま、タイガーが令子に勝って優勝するのも見たかったけど、令子がおキヌちゃん(+ルシオラ)にぼこられるのも見モノなワケ!!!」
スタッフ席で、正面モニターを見ながらつぶやくエミ。

「この2人が勝ち上がってくるとは、予想外ね。今回よく観とかなきゃ。いったいママやエミはどんなやり方教えたのよ?」
今回不戦なため、間際で観戦する令子。
「後のインターバルでリプレイも観とかなきゃ。下手すれば賞金取り損ねちゃうわ!!!」

「おキヌちゃん〜〜〜。ルシオラを幸せにしてやってくれ〜〜〜」
まだ座り込んで泣いてる横島。

解説者席の美智恵&西条。
『今回、奇しくも感応術者同士の戦いになりましたね』
『おキヌちゃんは本体の防御力が無いに等しいことが弱みね。ルシオラさんでどこまで補えるかしら』
『両者、強力な感応術で、今まで相手に攻撃されてませんね』

大スクリーンに過去の2人の闘いのダイジェストが映し出される。
おキヌは対戦相手の使い魔等の奪取か闘争心喪失、
タイガーは精神感応で相手を混乱させた後、殴り倒すか精神汚染かで決着がついている。

『感応術は相手に通用するか、しないかで決まっちゃう面がつよいからね』
(ルシオラさん入れても3:7でおキヌちゃんの負けかしらね)


こちらは試合場。
(ルシオラしゃんの幻覚はトンでもないからノー。目で見えるモノは信用できないんジャー!)
(タイガーさんの幻覚は精神に直接来るから、心眼も霊視もたぶん役に立ちませんよね)
(ヨコシマや美神さんの時と同じような力は出ないわね。おキヌちゃんは霊力が低い上にヨコシマとは霊力の質が違いすぎるわ)

3者3様の思いで、開始位置へ進み出る。



「はじめ」

合図と同時にルシオラが霊波砲連続発射。しかし・・・・・

「よ、弱っ」「霊波砲って放物線かくもんなんですね?」「進むのが見えたような」
とは外野のつぶやき。

(ああっ、なにこれ!! おキヌちゃんの霊力だけだと攻撃力ないわっ)
(あうぅぅ。恥ずかしい!!)

解説者席の美智恵&西条。
『さっき、横島君から奪い取った直後はあんな事はなかったですよね?』
『横島クンからの霊力が試合場の結界であるていど遮断されちゃってるから? にしてもおかしいわね』

遠視用霊視メガネで視ながら首をひねる2人。


「タ、タイガーの大間抜け、なワケ!!!」
エミがスタッフ席でモニターを見て、こめかみを押さえている。

(フッフッフッ!! ワッシが虎にならないと幻覚見せれないとは思わない方がいいんジャー)

「おキヌちゃん!騙されるとこだったわ!! 大スクリーン見て、もっかい発射するから!」
スクリーンでは弱いなりに真っ直ぐ霊波砲が飛んでゆく。

「ここは試合会場なワケ!!! モニターの映像が見える状態で幻覚見せるなんて、なワケ!!!」

このへんが、光幻覚との差。機械センサーには激弱なわけで。

「し、しまったんジャー!!! 一部映像書き換えなんて慣れないことやるんじゃなかったんジャー!!!」
貴重な奇襲を失敗させ、どたまをかかえて後悔するタイガー。

(おキヌちゃん今のうちに心眼で弱いとこ探して!!)
(ああっ、やっぱりどこも霊能むき出しになってるとこなんか無いですぅ!!)
(おキヌちゃん、早く心眼おさめて〜〜〜!!!暴走しちゃう!!!!)
(霊視、霊視!! やっぱりないです!!)

ドタバタと脳内会話をするキヌ&ルシ。

見かけはおキヌが平然と霊視・心眼・霊視と切り替えてタイガーをなめ回し、
それをちっちゃなルシオラが空中を警戒しながら浮かんで護っている。


「グォォオオオン!!」
タイガーが気を取り直し、雄叫びと共に大虎と化して姿を消す。

同時に周りの風景もジャングルや暗黒、虫で満たされた空間などのタイガーが使い慣れたイメージがめまぐるしく渦巻く。
邪妖精が、ムカデ、サソリが、トラが、挙げ句の果ては戦闘機や海兵隊までが上下左右、四方八方からおキヌに襲いかかる。

ブン!!「グォォオオオン!!」
襲いかかる幻像の敵にタイガーの太い腕と雄叫びが混ざる。

「きゃっ!」
悲鳴を上げるおキヌと、タイガーの腕を間一髪、霊波砲ではじき飛ばすルシオラ。
(たしかに、私の能力ではどうしようもないです!! ルシオラさん、しばらくお願い!!)


今試合で初めて使うタイガーの全力の精神幻覚感応を受けて観客席で盛大な悲鳴が上がる。

解説者席の美智恵&西条。
『皆さん、危険ですから席を立たないでください!!』
『幻覚なので、実害は全くありません。動かれるとかえって非常に危険です!!!』

「エミさん! 防御結界の術式変更! 精神波遮断して!!!」
『自分の弟子がやることなんか想像ついてるワケ。もうやってるワケ』
インカムからエミの頼もしい声。

立ち上がった一部の観客が歩こうとする前に光景が元の観覧席に戻る。それでも何人か怪我したようだ。
しばらくして観客席が静まる。

解説者席の美智恵&西条。
『皆さん、観戦の意味がないので、今から精神波遮断を解除します。幻覚なので、実害は全くありません。
 動かれるとかえって危険です。試合が終わるまで決して席を立たないでください』
『動かれると非常に危険です!!!どうしても動かれる方は挙手してください。スタッフが参ります』
動くなと念を何度も押す。


一方、試合場。

「打ち合わせ通り、とりあえず私が攻撃するわ!」
ルシオラもおキヌと自分の姿を消して霊波砲を撃ちまくる。

おキヌの霊力では弱い上に、令子や横島ほどにはうまくルシオラと同調できない。
その上、タイガーの精神感応で知覚を狂わされ光幻像と実際の風景の微調整がうまくいかない。

「ルシオラしゃん、そんな荒い幻像ではワッシはごまかせませんでノー」

しかも、1/3霊力横島よりはるかにタフなタイガーにはルシオラ(+おキヌマスター)の霊波砲はほとんど効果がないようだ。

タイガーは霊波砲をはじき、体当たりを余裕で回避して、おキヌに迫る。
「おキヌちゃん見つけたですケン。悪いけどこれも試合ですケン」

ガシッ!!!
姿を現したタイガーが、おキヌの首筋に向けて振り下ろした手刀を間一発ルシオラが支える。

飛び離れて再び両者姿を消す。



「ちょ、ちょっと!! タイガーがエミの笛無しで、これだけ派手な幻覚を使い続けられるっての?」
昔に壊されかかったことを思い出して、思わず立ち上がる令子。
興奮して暑くなったのか冷えすぎよけに羽織っていたカーディガンを脱ぐ。

「笛無しなうえ、霊視も効かないなんて、南極の時よりえらく腕が上がってるなー」
学校での笛無しのタイガーの連続幻覚をすでに見てるので座り込んだままつぶやく横島。

「これがタイガーの本気の精神感応か!!」
思い人の本気を初めて見てけっこう感動する一文字魔理。ムカデやサソリがてんこ盛りなんだが。



両者姿を消し、幻覚をぶつけ、攻撃しあう攻防がしばらく続く。


タイガーの幻覚はげちゃげちょのぬばぬば。
ルシオラのは幻想的で自分の居場所もわからず浮遊感まで漂い出す。

観客席では両者の幻覚をランダムに食らって、一般人を中心に吐き気・目眩でスタッフに医務室へ運ばれる者が続出している。
(通路や各部屋の精神波は別途結界で遮断されている)

冥子、大忙しで試合見るヒマ無し。
「せっかくの〜〜ルーちゃんの〜〜〜試合なのに〜〜!!」おキヌちゃんですって。

(ルシオラさん、心眼全開ならタイガーさんの位置くらいわかるかも。一時的に陰に戻ってください)
(私の幻覚が消えると防げないわよ?)
(タイガーさんはルシオラさんより早くは動けないでしょう? それにもし見えたらよけれます)
(わかったわ。見えたら指示して。陰から出て体当たりするわ)

牽制の霊波砲数発放っておキヌの陰へ戻る。同時に心眼を全開したおキヌの姿が露わになる。

「あきらめましたカイノー!!!」
姿を消したまま、しかし、真っ直ぐにつっこむタイガー。

ズン!!
タイガーがおキヌの陰にさしかかったところで、その腹にまともにルシオラの体当たりが決まる。


「ゲフッ!!! ・・・・ さすがに全力の心眼では見破られるようジャノー」
腹を抱えて、しかしそのままルシオラを両手で捕まえてしまう。

「でも、ルシオラしゃん封じればワッシの勝ちジャ!!!!」
「なんてタフなの!!」
おキヌちゃんの霊波じゃ、やっぱり霊力の割に攻撃力が低いわ!!

「ルシオラしゃん覚悟するんジャー!!!」

タイガー、一気にルシオラを握りつぶそうと両手の平に霊力を集中。


「!!今しかない!!」待ちに待った瞬間。

心眼で両手に集まった霊力からの魂までの経脈を見つけ出して魂を包み込む。

「うおぁ!!」タイガーが思わずうめく。

しかし、絞っているとはいえ心眼、ネクロマンサーの笛、さらにはルシオラを同時に制御できる霊力はおキヌにはない。
予定ではこの後、すぐにルシオラを陰に戻すはずだったが、タイガーにしっかり掴まれどうしようもない。
タイガーに放させるほど笛の出力も上げられず、魂も包み込きれない。悪いことにタイガーは精神感応者だけに抵抗力がえらくある。
タイガーも闘争心を高ぶらすことができず、ルシオラを握りつぶせるほど霊力が集中できない。
手を放すわけにも行かない。そんなことをすればルシオラを回収したおキヌにあっという間にねじ伏せられるだろう。

(お、おキヌちゃん早く〜〜!!このままだと暴走しちゃう!!)
(タイガーさん!! お願い、眠って!! もう闘うのはやめましょう!!)
(ワッシはワッシは魔理サンのためにも、エミしゃんのためにも優勝するんジャー!!)

他人にわからぬ、両者の単純だが壮絶な精神的綱引きが続く。



ぷっつん!!綱が切れた。





暴走。






おキヌより先に力を使い果たし、セクハラのトラと化したタイガー。

「うへ・・・・、うへへへへ〜〜〜〜!!! おんなぁ〜〜〜!!!! 袴がそそるノー!!!」
うにゃにゃにゃ〜〜〜、げへげへっ、げへへっへ〜〜〜

よだれをたらし、崩れた顔でどんよりおキヌをみる目に理性なし。

「女!!!女!!!!おんなぁ!!!!」
試合の時以上に野獣のよーな素早い動きでおキヌに迫る!!!

「きゃ〜〜〜っ!!!! タイガーさん正気に戻って〜〜〜〜!!!!! お願いいぃ!!」
本能的恐怖に巫女姿で逃げ回るするおキヌ。

「おキヌちゃん!!左左!!! ああっ、次は右よ!!!」
見えないタイガーにカンで通じない霊波砲をぽこぽこ撃ちながら、逃がそうと必死で誘導するちっちゃなルシオラ。

「きゃ〜〜〜っ!! 来ないで〜〜〜!!!」「げへへへっ かわいい じょうちゃぁん!!!」
ネクロマンサーの笛を振り回しながら、必死で逃げ回るおキヌ。
ちっちゃなルシオラの霊波砲が時々当たるも、ものともせずに追い回すタイガー。



「タイガーのヤツ!!! おキヌちゃんになにすんだ!!! 男として許せん!!!」
見えないおキヌの悲鳴に、自分が今までやってたことは棚に放り上げ、結界に駆け寄ろうとする横島。

「ぐぇっ??!!」びったーん!!!
見事に見えてなかった椅子におもっきり躓いて平たくなる。


「タイガー!! 踏ん張り過ぎよ!! おまけにおキヌちゃんの心理攻撃で封印が解けてしまったワケ!!」
とりあえず巨大防御魔法陣の精神波遮断を再び起動し、タイガーを鎮めるため制御の笛を持って会場に走り込むエミ。

「きゃっ!!」 バシーン!!
これも魔法陣内に入ったとたんに誘導看板に正面衝突。
「ふ、笛が〜〜〜!!!」



ルシオラの光幻覚が解除されたので、大スクリーンではよだれを垂らしたタイガーがおキヌを追いかけ回している。

『だれか、誰か止めてくれ!!!』必死に叫ぶ西条。
「警備班に霊視ゴーグル装備させて突入させて!!無いよりましだわ!!」
さすがの美智恵もまともな手が打ててない。

巨大魔法陣内はタイガーの幻覚が有効でタイガーvsおキヌの魔法陣に近寄ることすらままならない。

西条の叫びに答えて駆け寄った人々がそこらうちで正面衝突やら、ものにつまずくやらで盛大に悲鳴を上げている。
昔のタイガーの幻覚と違って人も位置が変わったり見えてなかったりしているのだ。
さらに役に立たない霊視ゴーグルを装備した警備班が突入して混乱に輪を掛ける。



観客席は精神波を遮断されたので、その様子が丸見え。
不謹慎とわかってても笑いがこらえられない人々が続出。

なんせ精神幻覚感応には影響受けない大スクリーンがつけっぱなし。
TVクルーはここぞとばかりに記録しまくってる。やばいところは後で削ればよい。


中ではエミや横島、いや令子、雪之丞ですら立ちすくんで動けない。

雪之丞は少しでも防いでみようと魔装術を全開にしてみるがそれでもダメ。
「タイガーの野郎、スゲエな。前は勘九郎でもだませなかったらしいのにな」



再び座り込んでしまった横島。なんとかならんのか〜!!
「タイガーだけがまともに見えてるって状況はトンでもないな〜!! そうかタイガーは何でも見えてるってか!!!」
ぽんと手を打つ横島。

「ルシオラ!! 聞こえてるか!!」
魂はつながっているルシオラに話しかける。
「頼んだわよ!」
なにも聞かずに同意するルシオラ。聞いてる余裕はないのだろう。

「戻れ!!」通常霊力の横島なら、笛を吹かぬおキヌからルシオラを取り戻すのに苦労は要らない。
ルシオラの感覚総てがつながる。それと共にルシオラに横島の霊力が流れ込む。

それと共にルシオラを支える膨大な霊力が必要が無くなった、おキヌが心眼を全開にしてタイガーの居場所を探り出す。

「ルシオラ!! 魔理ちゃんと美神さんの幻像出せ!! タイガーはおそらくどっちかに引きつけられる」
以前のタイガー暴走の時、エミ・おキヌより令子に引きつけられた事を思い出す。


ルシオラが横島の超精密女性記憶により、
一文字と令子の霊波・肌のぬくもりまでまねた精密幻像がスポットライト付きで出す。

黒レースのストッキングに膝上20cmはあろうかというピッチピチの超ミニスカ、
ボディにぴったりついた肩はおろかその下のふくらみの一部まで露出したシャツ。

「ちょっと!!!!、勝手に人の肖像権侵害してるんじゃないわよ!!!」
何が起こったかを察した令子。

「な!!!」
こっちらは普段まずしないようなカッコなので真っ赤になって呆然とする一文字。
おもわず自分の服の胸あたりをかき寄せる。


「女!!!女!!!!おんなぁ!!!! きれーなねぇちゃんに"ゃ〜!!」

 う"に"ゃに"ゃにゃにゃ〜〜〜〜!!!
効果てきめん。おキヌの追跡を放棄し、セクハラのトラと化したタイガーが真っ直ぐに幻像に向かってくる。

姿を現し、2つの幻像をちょっと見比べ、令子にダイブ!!!

「何でそっちなんだー!!!」
顔中口にしてぶち切れる一文字。



効果的な餌がわかったので、一文字の幻像は消え、令子が残る。


令子の幻像がいらっしゃ〜いとばかりに手招きし、シャツを思わせぶりに脱ぎ、シナを作ってほうりあげる。


映像情報などで横島に教えられた? 煩悩まみれの男の気の引き方を忠実・精密に再現するルシオラ。
こーいうときは一般常識が少ない元戦闘魔族は遠慮・逡巡というものが横島よりない。

「「「おおぉっ!!」」」
横島(だけでなく多くの男ども、西条までが)、ルシオラのサービスに思わず感動。よこしま、霊力一気にUP!!


幻像令子が誘いながらも逃げ回り、今度はスカートを脱ぎ捨てる。


「!!??!! やめんか〜〜〜いいっ!!!! きゃぁっ!」
令子、思わず走り出し、さっき脱いだカーディガンに足を取られてひっくり返る。

「ルシオラ!!! いや、よこしまぁ!!! なんてことするのよー!!!! どこまでやる気!!?」
座り込んで、令子が泣きそうな声で怒鳴る。

6万人相手にストリップショーなんて〜〜〜!!! しかも、ここは知り合いだらけなのよ〜〜〜!!!


幻像令子が今度はストッキングをほうりなげる。


「ゆ、弓、何をするんだ!! あいてて!!」
弓が雪之丞の両目、いや顔全体を水晶観音の4本腕で後ろから押さえ込み、2本でほっぺたつねってたりする。

「おねえさまの裸など見てはいけませんわ」
一文字さんと同じ目には遭いたくないですわ!!。

解説者席では、思わず乗り出した西条をこめかみ抑えた美智恵が襟首つかんで引き戻している。
(令子でよかったわ〜。一文字さんなら親御さんになんて言えばよかったのやら)


「ルシオラさん! 真っ直ぐ向かってきます」
令子の幻像の中で、ルシオラがおキヌの心眼の指示で真っ正面から狙い澄ます。

ルシオラの照準霊波がタイガーの腹に当たるようにおキヌが
「もう少し上」「僅かに右」等と指示していく。

「今です!!」





ズドーン!! 





ルシオラ(+横島マスター)の霊波砲が、向かってくる大虎を直撃。

まあ、ちょっとした虎狩りである。

さすがにおキヌマスターの時とは威力が全く違う。
令子の3段ぶち抜きセクシーポーズ+力をギリギリまで溜め、で、単発ではあるが雪之丞もかくや、の威力。

「う"ぎゃっ! う"に"ゃぁあああぁぁっ!!!」
どかぁっーん。ズッボーン!! ドスン、ドスン、ドスン・・・・。

一撃で物理攻撃無効化魔法陣を突き破ってタイガーが外へ放り出され、3度ほど床でバウンドして気絶。虎から大男に戻る。

同時に総ての幻覚が解除され、会場の騒ぎが収まってゆく。




「勝者、氷室キヌ」

しばらくして気を取り直した審判が何とか宣言する。
こういう場合は先に理性を失った方が負けである。



「なんか釈然としないです〜〜〜」タイガーさん迷いもしなかったです〜〜。
審判に挙手されながらも少なからず落ち込んでいるおキヌ。

「れ、令子やおキヌちゃんに見つからないうちにスタッフ室にひきあげるワケ。再封印は医務室ででもやればいいワケ」
エミがこそこそと笛を回収して作業通路へ。
「タイガーの封印はもっと研究して、次こそは令子に勝つワケ」

横島控え室。
「美神殿のちちは大きいでござるな〜」
「バカ犬と違ってきれいなボディラインね〜。横島が執着するのもわかる気がするわね」
「狼でござる!! それに拙者の身体には未来があるでござる!!!」
「50年、いや70年後の可能性よね」
「狐は百年以上後でござろう!!」
「わたしは化けれるもん」

おやつのホネときつねうどんを口に入れたまま言い争うシロタマ。




この直後、横島、タイガー、ルシオラ(ダメージは結局横島)が令子と一文字にぼっこぼっこにされたことは言うまでもない。

ドカ!ばき!ぐちゃ!バシーン!!ゲスっ!!鞭と木刀と鉄拳制裁の嵐。

「ぐはぁっ!!! なぜだぁっ!! 騒ぎを収めた最大の功労者のハズやのに!!!!」
・・・・横島、親でも知らんよーな2人の日焼けあとやらホクロまでなぜ知ってる?

「きゃーっ!! こないだもそんなカッコで泳いでたじゃなーい!!!」
・・・・ルシオラ、水着と黒シルクのブラとパンティではだーいぶ違うぞ。

「うぁぉぉおおーん!!! 日本ではセクハラの虎の汚名を返上するはずじゃったんジャー!!!」
・・・・タイガー、憶えてないかもしれんがそっちより魔理ちゃんのフォローの方が大変だぞ。成仏してくれ。





その辺はともかく、2人は今日の記録映像と共に霊能業界最低最悪無恥のセクハラコンビとして世界中に知れ渡ることとなった。
これがラプラスのダイスが示した運命と宿命なんだろう。


to be continued


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