椎名作品二次創作小説投稿広場


横島&おキヌの除霊大作戦!!

スタート!!横島除霊事務所 2


投稿者名:never green
投稿日時:05/ 4/ 1

「ただいま〜♪」

タマモが帰ってきた。
きつねうどんと稲荷を食べて、誰が聞いてもご機嫌な声だった。

「・・・。何?この空気。」

この事務所には似合わない張り詰めた空気が漂っている。





「挑戦状!?誰に対してですか?」
「知るかよ。けど明らかに分かって下さいって言ってるようなもんだよ。怨恨の可能性が高いな。」

美神の教えはこうだった

『他人の命より自分の命が優先よ!』

その名言(?)が感化されたのか、とりあえず横島とおキヌは恨みを買われた覚えがないと判断すると、少し心がほっとした。タマモは話が分かってない。
と、いうか全く興味を引かれることもなく自分のお気に入りの『お昼寝コーナー』へと向かう。

「美神さんにその事は教えたんですか?」

やはり事務所を離れたと言えども、美神の心配が頭を過ぎる。
そんな思いがあってのおキヌの言葉。なのだが“恨みを買われる人=美神玲子”が自分の心配の次、つまり二番目に過ぎったのだ。
あの人だったら有り得なくはない!当然、横島もそう思う。

「この後に伺おうと思います。この件について美神さんの意見が必要ですから。」
『そうね、横島君とおキヌちゃんも行ってくれば?会うの久々でしょ?』








「で…。何であんたが此処でくつろいでるのよ?」

美神が仕事を終え事務所に入ると、昔の様にくつろぐ横島を発見。
おキヌは弓と一文字と奥の方でお喋りに夢中になっている。

「久しぶりっす。美かーーぐあっ!」

横島にDiveしたのはもちろんシロ。

「先生〜!せっしゃに会いにーーキャイン!」

二人ともKO。

「うるさいわね!それに、横島君は何しに来たのよ?」

横島から見れば歓迎されていない台詞だが、内心少し歓迎している。
いまだに横島に素直じゃない。

「おじゃましてます。実は美神さんに相談したい事が・・・。」

美神の鋭い目線を浴びて、たじたじの横島の代わりに横からピートが答える。

「あらピートじゃない。ママからの依頼はお断りよ。」(にこっ♪)

顔は最高な笑顔だが、体には笑いのオーラなど微塵も感じない。
むしろ脅迫に近い。

「いえ、今回は別件で・・・。」

     ・

     ・

     ・

「ふ〜ん。横島君の言う通り挑戦状の可能性が高いわね。」
「えっ?やっぱり横島さんの予想通りなんですか!?」

ピートが台詞を言い終わった瞬間、後ろから不穏な影が

「ほ〜・・・。信じてなかったのか?おれの事ぉ・・・。」
「はっ。け、決してそんなこと・・・。」
「美形ぶってんじゃねーぞコラ!!」

ピートの胸には『私は友達を信じません』と書かれた紙をセロハンで貼付けられている。

「ああああっ!」(ねちねちねちちっ)
「しかしよく横島君が推理したわね?」

横島は抵抗中のピートを押さえ付けながら答えた。

「独立してからおキヌちゃん達に頼りっぱなしも良くないなと思って。」

独立してからは暇があれば霊について少しずつ勉強している。ピートがオカルトGメンに入った事もあり、横島は図書室や資料室を利用するようになった。
西条との喧嘩も絶えないが、霊の資料等は他のどこより詳しく情報も最新だ。
ついでに喧嘩はいつも美神美智恵が止めているらしい。

「で、資料を見てだけど殺されたGSについては共通点はないみたい。単にGSに恨みを持っているか、オカルトGメンに自分を捕まえてみろってところね。」
「あの〜。おれの頑張りにはノーコメントですか?」

横島は自分が頑張っているところを褒めてほしかった。

「ま、もっと努力しなさい。それより自分のメンバーは自分で守るのよ!特におキヌちゃんは!」

なんだかんだ言っても美神は横島を心配してくれている。

「えっ?恨みを買われた覚えはありませんよ。」
「馬鹿ねぇ。無差別に殺されてるのよ。雪之丞みたいなバトルマニアかもしれないのよ?」

さらにGSは全員殺されているので実力の上限が分からない。
美神と横島は仕事に一人で行かせないことで合点した。
しかしここで一つの疑問が浮上する。

「GSの除霊現場が何故分かったんでしょう?」

ピートは腕を組み、これまでの資料を通して考えた。

「言われてみればそうだよな・・・。悪霊のいる所で待ち伏せしてんのかなぁ?」

呆れた顔で美神は二人の会話に口を挟む。

「あんた達分からないの?簡単よ。」
「で、そのこころは?」

すかさず横島が聞き返す。

「内通者よ!」

ピートは椅子が倒れるくらい勢いよく立ち上がる。ちなみにこの椅子一脚40万。

「しかし、GS資格試験の調査で通る筈がありません!」
「別に資格に受かった事はどうでもいいわ。大事なのはその後よ。」
「後?・・・そうか分かったぞ!」

まだ分からない顔をしている横島にピートは説明する。

「資格を取った後に計画されたんですよ!」
「なるほど!それじゃあ犯人はGSってワケ?」
「エ、エミさんの真似しないで下さいよ。」

    −ばきっ!−

「残念。少し違うわ。」

美神のコークスクリューブローが横島の顔面を捕らえた。

「な、何にもしへまへんほ?」
「エミの真似をするからよ!」

ピートは完璧な推理と思っていただけに何にも声が出ない。

「優秀なGSは必ずオカルトGメンに目をつけられるわ。もちろんスカウトする為でもあるけど。つまり第三者がそのGSから情報を流してもらってるのよ。」
「!! なるほど!さすが美神さん!」

ピートは美神の推理に驚くばかりだ。

「けどどうやって捕まえましょうか・・・。」

確かに犯人がどんな奴か分かったとしても捕まえなければ意味がない。

「簡単よ。だって・・・」

と、その時電話のベルが鳴った。美神は電話を取り話を聞いている。
話を聞くに、どうやら仕事の事ではないらしい。顔がどんどん険しくなっていく。

「どうしたんですか?美神さん。」

それに気付いた血だらけの横島の問いには答えず、
足早におキヌ達の所へ近付いた。

「落ち着いて聞いて弓ちゃん。雪之丞が何者かにやられたわ。」

真っ青になる。おキヌも一文字もさっきのお喋りをしていた顔とは程遠い顔だ。

「安心して。命に別状はないわ。仕事は休んでいいから、白井総合病院に行ってらっしゃい。横島君、弓ちゃんを連れて行ってあげて!」


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