椎名作品二次創作小説投稿広場


横島&おキヌの除霊大作戦!!

スタート!!横島除霊事務所


投稿者名:never green
投稿日時:05/ 3/26


「はい、こちら横島除霊事務所です。」

去年の春に横島は独立した。
メンバーは横島、おキヌ、タマモ、愛子。高校を卒業する際に、美神令子の母でありオカルトGメンに所属している美神美智恵に勧められたのだ。
始めに、おキヌが横島除霊事務所に入ると、タマモ、シロも入ろうとした。
だが、これでは美神除霊事務所がマズイと察知した横島は、シロを置いていく事に。シロは当然納得しなかったが、条件が出た。

「GS資格試験で成績が良かった方を連れて行く。」

との事で、先に事務所に行くと言い出したタマモが来ることになる。
愛子は卒業後、学校の生徒指導として残ったが、久々に学校に来た横島に誘われて事務を任された。
美神除霊事務所もメンバーを補充するために、弓、一文字を雇う。

シロもなんだかんだ言ってうまくやっているらしい。








夜の森。
一人のGSが除霊を済まし、自宅へ帰る途中だった。
国道へと続く木々の中を降りていく。
近付くたびに人影が確実なものになっていく。

「誰だ?」

黒いコートを着た人物はフードを被っていて、性別や顔立ちは分からないが、かなりの霊力を不気味な程に身に纏っていた。手に霊力を溜め、地面に叩きつける。

−バシュバシュバシュッ!−

「!!? こ、これは!?」

−バァァアァアアン!!−



     第一話 スタート!!横島除霊事務所



昼下がりの横島除霊事務所。
愛子は黙々とパソコンに除霊作業の内容を打ち込んでいる。
横島は昨日の除霊の報告書を書き上げていく。

−ピンポーン

玄関のベルが鳴る。

「いいよ愛子。おれが出る。」

ドアを開けるとそこには、

「ピート!!久しぶりだな!」
「久しぶりです横島さん。今、時間はありますか?」

どうやら用事があるらしい。横島はピートを中に入れた。
ピートが事務所を訪ねるのは、独立記念パーティ以来だ。
さらに言うと、ピートはそのパーティでエミに襲われている。

「愛子さん久しぶりです。」
『久しぶりねピート君。オカルトGメンはどう?』

愛子はピートにお茶を出す。
三人は、のほほんとした空気で自分たちの話で盛り上がる。
横島、ピート、愛子は同期の卒業生だ。
ピートは卒業後、ICPO(国際刑事警察奇行)の超常犯罪課、通称オカルトGメンに就職した。

「で、何だ?オカルトGメンからの依頼か?」
「いえ、今回は別件で…。横島さんには大丈夫な話なんですが…。」

事務所を訪ねて来た顔とうってかわって、急に深刻な顔をする。

『セクハラ以外なら大丈夫だと思うわ。』

と、愛子。だが横島も黙ってはいられない。

「セクハラも立派な合法だ。だから大丈夫。」
『セクハラは立派な犯罪よ。おキヌちゃんに言い付けるわよ?』
「うっ…。と、ところで、その別件ってなんだ?」

苦し紛れに話を本題に戻す。

「実は、最近GSが殺される事件が起こっているんです。」

別に横島は驚かなかった。
当たり前だ、GSという職業は命に関わる仕事だからだ。

「そりゃあ、除霊の失敗じゃないのか?」
「それならいいんですが、何故か除霊は成功して殺されているんです。」

それはそれで良くないが、つまりこういう事らしい。

除霊に行ったGSが、除霊を済ました後に何者かによって殺されている。
しかも全部、焼死体として見つかった。
さらに霊力によっての術、あるいは技という事が判明。

「妙だな…。何件くらい起こっているんだ?」

横島はお茶をすすりながら質問をする。一人だけ緊張感が全くない。

「それが、月に数十件以上は…。しかも犯行現場は全て人気のない森やビル、空き地で起こってます。」
『う〜ん…。目的が分からないわ。そもそも何で、除霊後のGSを殺すのかしら?』
「確かにそうですね。除霊前に殺せば、除霊の失敗として扱われる事になるかもしれないのに…。」

ピートと愛子は考え込む。そこに以外にも横島が口を開く。

「無駄だよ。遺体は焼かれていたんだ。これまで除霊してきた中でも発火能力を持つ悪霊はなかなかいないから。」

横島はまるで分かったような口調だった。

『じゃあ目的は分かるの?』
「除霊後に殺すメリットは他にはない?」

これにはピートが答えた。

「除霊後は体力が減っていて殺しやすいから?」
「それもある。けど殺されたGSの中には、首席合格こそ居ないけど、2位が二人、3位は一人。つまり犯人の実力はかなりあると思う。」
「と、なると別の理由が…。」

愛子とピートは更に考え込む。そこにおキヌが帰って来た。

「ただいま帰りました〜!」
「あぁ、お帰りおキヌちゃん。」
「ピートさんに愛子ちゃん、何かあったんですか?」

二人は難しい顔をして、資料とにらめっこしていた。
横島が事件の事を話すとおキヌまでも、にらめっこに参加してしまう。

「で、横島さんは分かったんですか?」

しばらくして諦めたのか、おキヌが横島に聞いてみた。

「多分ね。」
「なっ…。じゃあ教えて下さいよ!」

ピートは横島に迫る。

「だぁあああっ!お前はそれでもオカルトGメンか!?」
『そんな事言わないで教えてあげなさいよ!』

愛子はピートに味方する。

「横島さん、教えて下さい。」

ようやく観念したのか、横島は自分の見解を皆に伝える。

「例えば、美神さんが除霊中にセクハラをしたおれを除霊が終わるまで殴るのを待つか?」
「余程のピンチじゃないかぎり殴りますね。」

おキヌはすぱっと断言する。そんなおキヌに横島は苦笑い。

「けど、この事件は除霊が終わるまで待っている。」
『セクハラと全然関係無いじゃない!』
「セクハラはな…。力があるのに何でわざわざ除霊が済むのを待って殺すのか不思議じゃない?」
「確かに…。」

ピートは頷く。だが三人は、ますます頭から煙が上がってくる。

「つまり、悪霊の仕業として扱われたくないんだよ。」
『って事は、私達に分かるように事件を起こしているの?』
「たぶんね。」
「けど、なんでわざわざ分かる様に?」

おキヌは疑問を横島にぶつける。

「つまり…。」

横島以外の全員が息を飲む。









「挑戦状だよ。」


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