椎名作品二次創作小説投稿広場


復活

式神ルシオラ(上)


投稿者名:ETG
投稿日時:05/ 3/12

『ついしんー アシュ様と土偶羅様に私のかわりに花をあげてくだちゃい。パピリオより』
「泣かせるよな・・・! ホレ、受け取れ!」

「花をそなえるより、わしが回収されたことを伝えてやらんかいっ!!」

「でもどーせ廃棄処分だし・・・・」

「何でわしだけ死刑なのよっ!?」

「土偶羅さんのことなら、今ヒャクメ様とジークさんがジャンケンしてますよ
 お二人ともあの演算能力が欲しいって・・・」

「ホレみろ!ホレみろ!」

「・・・・・・・。 それじゃ結局ルシオラだけが・・・・・」

「結局、十分な量の霊破片は集まりませんでしたね・・・・」
「あと少しなのに・・・・。よそから霊体持ってきたらだめかしら・・・」

「バカ言え!基本量が確保できとらんと別人になるだけだ!」

「俺の中にルシオラの霊体は山ほどにあるのにーーー!なんでつかえねーんだよ!」

「魔物ならともかくおまえは人間だからな。そう何度もちぎったりくっつけたりでは
 魂が原型を維持できんのだ」

「何かあるはずだ・・。何か手が!!」

「横島さん・・・・」




その少し前、神界にホットライン。
「キーやん、なんとかならんか。今回は、監督不行届による業務上過失や。
 タダの死亡ならともかく、100%過失の転生不能の霊魂損壊や」
(下手すると造物主に絞められるわ)とはホットラインのひとりの相手にのみ伝わる言外の意。


(以下50行ほどは、説明ぜりふなので、8ポイント以下の文字で大きめの1コマか2コマに納めること)

もちろん、この造物主は作った配下に反乱起こされたり、守るべき道徳をわざわざ文字に刻んで下賜したり、
それを守らなかったものを罰しなければならない情けない存在のことではない。

物理則や霊則を決め、その上で走る基本プログラムとして宇宙意志をつくり、神魔を現世という天秤の錘として創造した、
文字通りの意味での造物主のことである。
“それ”を実際の存在として認識できるのは、現在、神魔の最高指導者のみ。

ハルマゲドンは起こらない。造物主は天秤の錘にすぎない神魔が現世に大きな被害を与えることを決して許しはしない。
不良品は捨てられる。それを骨の髄から知るふたりだった。アシュタロスの時はぎりぎりで、後で振り返ってふたりは震え上った。

「そうですね。それに、強力な魔属性と進歩する生物属性のまま魂を混ぜて放置すると
   さらに厄介なことが起こらないとも限りませんしね。彼は三界にも希な文珠使いですし」


ーーー(これについてはいろんな方の作品を参照してください。
             平行世界で様々なことが起きてます。作者より)ーーー


「文殊。彼はあなたの遠い弟子ともいえるでしょう。何か手はありませんか」

「私も考えていたのですが。こんな手はどうでしょう。時間は少しかかりますが
 魂も分離できますし、おそらく彼の暴走の可能性を極限まで減らせるでしょう。」

しばらくホットラインの向こうなどとも話し合う

「なるほど。そらええわ。魔界からは運命と母性を司るヤツを派遣すればええんやな」
「ええ。神界からは女性の保護を司るモノを。それに術式は私が組むので私もいきましょう」
「ならば、あなたの同僚の普賢がよいでしょう」
「ブッちゃんええかいな?」「もちろん」

「んな、こっちは・・・。せや、現場にはワルキューレとジークフリートがいっとったな。
 同系列のヤツがええやろ。 ノルン3姉妹をやるわ。スクルドは二人の上司やしな。
 オーディン、よろしゅう」「わかりました」

「ちょとほっとしたわ(ま、これは一回対策しとけば、造物主が2度とおこらんようにするやろ)。
 ところで本題やアシュタロスが抜けたんでバランスがわやくちゃや。
 安定するまで、キーやん直属の鼻息の荒いのちと押さえてくれへんかなぁ。
 とくに、ウリエルとかいう跳ねっ返りたのむわ・・・・(そっちで同じことせんとってや。ホンマに絞められるで)」



こ難しい話は偉い神魔にまかせて、地上の美神除霊事務所。

(説明ぜりふ終わり。ここから始めた方がよかったかな)




「あ、そうだ!隊長がもう帰る時間なんです。文珠で雷出して欲しいって。」
「いけね・・・!!もうそんな時間か!?」

建物を出る横島とおキヌ。そこにはすでにワルキューレやジーク、小竜姫、ヒャクメなどともに
西条と美神親子が。

「・・・・断っておきますが、この時間移動は・・・西から巨大な神気が?2つも?この感じは・・・!!!」
「あはは・・・あんまり会いたくないのね〜」
「姉上、北から3つ・・・。」


4人?とも冷や汗を流している。

「アシュタロス級の神族魔族が計5体も?ハルマゲドン一直線てことぉ!!!?」
「アシュタロスよりは弱いし、それはないと思うのね〜。」

5体が地上へ降りてくる。霊気を押さえているらしいが、それでもすごい霊圧である。

ワルキューレとジークはヒャクメや小竜姫以上に縮み上がっている。

「神界、魔界のチャンネルが開いてると、こんだけの力があるのか・・・。
 アシュタロスのヤツ、ホントは少なくともあんときの100倍は力があったってわけか・・・・」


菩薩二人が巨大なライオンと白象上の蓮台から降りてきた。アルカイックスマイルを崩さずに口を開く
「初めまして。私は文殊、と申します。こっちが普賢といいます。」

長女のウルドが3人を紹介する。
「わたしはウルド。こっちがベルザンディ、そっちがスクルドよ」

スクルドがワルキューレとジークに
「報告がまだあがってないんだけど。戦が終わったからってたるんでるわよ。
 なんで、神界から状況を教えてもらわにゃならないのよ。」
「は、ハっ!!!しかし、スクルドさま・・・」
「それにな・ん・で、固まって全員やられるのよ!分散は情報部の基本じゃない。」

ちなみにアシュタロスが消滅したので、神魔のバランスを少しでもとるため魔族は2人をのぞいて全員復活していた。
「どーせ、戦闘本能刺激されて本来の任務がおざなりになったんでしょ。全員基礎からたたき直すわよ!」
「ハ(ヒィ)っ!!!!」


後ろでVサインをするヒャクメ。人間に保護されつつ情報を集めていたので、
チャンネルが開くとほぼ同時に、暫定報告を送信できたのだ。
このおかげで関東はぎりぎり救われた。

「役立たずじゃないのね〜。役立たずじゃないのね〜」

しかも、おキヌに貸した心眼からの情報は、神魔総てが封印された中でアシュタロスが何をやったのかが克明にわかり、
後のベスパやパピリオの供述を裏付けれるものだった。
人間からの情報だけでは不可能なところだったのだ。ヒャクメ大金星!


文殊菩薩が話題がはずれそうになるのを戻す。

「まあまあ、我々がここへ来たのはそんなことのためではありません。
 横島氏の人と魔の魂の分離です。
 具体的には、横島氏の魂からルシオラさんの魂を分離して、霊破片と併せて再生することになります。」

「「ええっ!できるんですか?」」

「ただし、人属性の魂は細工には向きませんので、時間をかけて分離する必要があります。
 つまり、少しずつ分離しつつ、横島氏の魂に入れた霊破片に吸収させて再生させるのです。」

「3つの方法があります。
 1つ目は、子供としてです。しかし、他の異性の了解がいります。
 2つ目は、霊破片の再生完了とともに、死亡の偽の信号を魂に送り、転生過程に入れます。
 3つ目は、横島氏がGSであることを利用します。」

「霊破片を式神とし、横島氏が使役しながら再生させます。」

術者固定の式神は、術者の魂と連動している。
冥子や鬼道は十二神将を「おともだち」感覚で使役するし、式神にある程度以上のダメージを被ると自分もダウンする。

ちなみに式神ケント紙で作るような「誰でも使える」式神はこんなことはない。
ただの霊的な自動機械のようなものである。ダメージを受けると紙に戻るだけである。


「利点は転生過程に入らないので記憶のみならず能力なども回復できる、
 つまりルシオラさんそのものを再生できるということです。」
 
「欠点は最も時間がかかることです。完全回復するにはおそらく横島氏一生かかります。
 無理な場合はもう一回転生した後に持ち越されます」

「まあ、霊能力に密接にリンクしますので、霊能が神魔並に大きければ20年ほどで再生完了します。」
「でもそれじゃ、ルシオラは俺のしもべになってしまうってことか!!?独立した人格でなくて?最低20年も?」


「そう。これはあなたの考え方次第。奴隷と思うか最も近しい人格と思うか、はてまたは、新しい生を受けさせるか。
 それによって未来が形作られるのよ」とスクルドが答える。
「いま、どれを選ぶのかはあなたしか決められない。あなたが今、良いと思う方を選んで。」とベルザンディ。


「3番目の方法のもう一つの欠点は、横島氏の霊能力が半減するということです。
 現在の力ではたぶん文珠は10日に1つも出せなくなるでしょう。」


「へ!?10日に一回も覗きができなぁなるってこ、ぶへぅっ!」どしゃぁ!!!!!!

美神令子の右ストレートがもろに顔面に決まる。

「なにかんがえてんのよ!!ぼろもうけが10日に一回以下ってことでしょ!!!」
「令子ぉぉ!!!!強くてタカビー(死語)はいいけどっ、守銭奴はダメぇっ!!!」

ここ数週間なかったどつき漫才を開始する2+1人。少しいつもよりわざとらしいのは愛嬌か。
おキヌも笑い顔・・・というよりは少し涙目で止めにはいるのを忘れている。


ふと気がついたのか

「俺が途中で魂ごとなくなったらどうなるんスか?」
「ほとんど起こらないとは思いますが・・・、自動的に転生過程に入ります。
 そのときにある程度以上・・・、そうですね、自我ができる程度まで回復していれば」

「自我ができるまでにはどのくらいで?」
「予測は難しいですが・・・・・1年以内だと思います」

「途中で転生に替えることは?」
「できます。自我ができていれば、式神符に換えて燃やすだけです」

「子供に転生させるのは?」
「妊娠を確認した女性に、式神符を水に溶いて飲ませてください」

横島にもかかわらず真剣に考え、質問する。


「それじゃ、最初から転生させることの利点は何なの?菩薩様。あんまりないような気がするんだけど。ね。横島クン」
「半年ほどですむのと、霊能の低下がほとんど起こりません。ちょっと調子悪いかな?程度ですみます。
 転生の時になくなるような情報、属性、能力等は切り捨てますので」

「アンタこれにしなさい」
「ちょっとーー、美神さん!!」
「丁稚の分際でこの私に逆らおうっての?」と胸倉を捕まえて自分に引き寄せる令子。


外野では((私もそれがいいかもね〜))などと外道なことを考えている複数の人々。転生は通常の死と同じです。
ライバルを消すのはいくさの基本です。

(私なんてことを・・・・っ。横島さんルシオラさんごめんなさいっ)
ってうつむいてるコがいたりもする。


「横島クン、1年もすれば彼女と話せるのだよ。君が女性を奴隷扱いするはずもないだろう。
 男らしく“一生かけて”彼女を完全に戻してあげたまえ」
「西条、てめえなら転生しても、永久に奴隷扱いしてやるがな!!」

「決められるのは横島氏だけです。横島氏の魂が受け入れないと術式に入れません」
「わかってます。文殊様!ちょっと軽いスキンシップを・・・」

(しまった!小竜姫やヒャクメだけじゃなかった。こんな高位の神魔の機嫌損ねちゃまずい。金も冗談も通じなさそうだし。)


to be continued





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