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GS美神 アルカナ大作戦!! 〜Endless Expiation〜

Chapter2.HIGHPRIESTESS 『妖精>>親友』


投稿者名:詠夢
投稿日時:05/ 2/19

あなたは、彼が好き─?


『…好き。』


そう…でも、彼は今でも彼女を─。


『ッ、やめてッ!』


…彼の気持ちを確かめなさい─。


『確か…める…?』


もし、彼の気持ちが─…。







          ◆◇◆







「ぎ、銀ちゃん!!」

「よっ! 元気にしとったかー、横っち!」


近畿剛一こと宮尾銀一は、美神所霊事務所の面々が驚く中、開口一番そう挨拶した。

この上なくしてやったりな表情で、横島を見る。


「そんな驚かんでもえーやろ? 友達んとこに顔出しに来ただけやないか。」

「いや驚くだろ、フツー! 銀ちゃん、仕事は!?」


上はお婆ちゃんから下は乳幼児まで、全国お茶の間の婦女子のアイドル、近畿剛一。

その彼がアポなしで突然現れれば、普通は驚く。

仕事だって、以前会ったときもそうだったが、スケジュールは一杯のはずだ。


「大丈夫やて! ちゃんとこの週末、空けてもろてるから心配ない。」

「無茶するなぁ。」


呆れたような横島だが、その顔はやはり嬉しげでもある。

滅多に会うことも、連絡さえままならない友人の来訪なのだから、それも当然か。

そして、さらに嬉しがってる人達が。


「あらー! 近畿君じゃなーい♪」

「きゃーっ!! お久しぶりですーっ!!」

「拙者も、テレビで見たことあるでござる!! 先生、こんな有名人と知り合いでござったか!?」

「本当にっ!? 本当に本物っ!?」


普段よりも、ややオクターブの上がった声で騒ぎ立てる女性陣。

きゃいきゃいと群れる彼女らに、困ったように笑う銀一と、蚊帳の外な横島。


「……やっぱ帰れ!! お前、すぐ帰れ!! 美形は俺の前から消えて失せろーッ!!」

「ちょ、待て待て待てッ!! 忙しい中、わざわざやって来た親友にその言い草はないやろッ!?」

「美形はすべからく敵じゃ!! 見敵必殺!!」

「お前、ちょっとそれは酷いんちゃうか?!」

「何とでも言えッ!! えーいッ、出て行かんなら叩き出して…!!」


目を血走らせ、霊波刀を発動させる横島。

……そして、その後ろには『お約束』の神通鞭が─。







現在、お聞き苦しい音声が流れております。

しばらくお待ちください。











心なし、すっきりしたような表情の美神。


「それで、今日はどうしたのかしら?」

「いえ、あの…横っちに用があったんですけど…。」


震える指で銀一が指した先では。


「よ、ヨコシマ〜!! しっかりするヒホ〜!」

「待て、ノース!! 下手に動かすな!! 誰かヒーリングを…!!」


真っ赤なボロ雑巾と呼ぶのもおこがましい物体と成り果てた横島を介抱する、ノースと刻真の姿が。

そちらに、ちらりと視線を走らせる美神。


「大丈夫よ。横島君なら、五分で復活するわ。」


見れば美神の言うとおり、そんな状態でありながらも横島は、もそもそと微妙に動いている。

だが、そんな横島をもはや人間と呼んでよいのやら。

親友の正体に疑念を抱かざるを得ない銀一。


「それで? 今日は依頼ってわけでもないんでしょ?」

「え、ええ。実は横っちと遊びに行こうかと思ってまして…。」

「えーッ! 男二人でー? それって何か寂しー感じがするんだけど?」


横から…いや、上から鈴女が口を挟んでくる。

眼前に浮かぶ妖精の姿に、驚きながらも応答できるのは俳優ゆえか、自身の肝の太さか。


「い、いや…俺らだけと違うくて…。」

「ちょっと、宮尾!! 今、物凄い悲鳴が…!!」


銀一が答えかけた矢先、一人の少女が室内に飛び込んできた。

さらさらと流れる、まるで日本人形のように美しい黒髪。

すらりとした細い手足は長く、いわゆるモデル体型をした少女。

文句なし、掛け値なしの美少女である。

美神除霊事務所の顔ぶれにも、ひけを取らないほどの。

少女は、不安げにきょろきょろと辺りを見回す。


「な、なあ、宮尾…横島はどこやのん?」


美神たちが呆気にとられる中、そう尋ねてきた少女に答えたのは、銀一の視線。

その視線を少女が追った先には………。




数秒後。

少女の悲鳴が、事務所全体を揺るがした。


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