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あなたのために…

緑色の道程(その3)


投稿者名:徒桜 斑
投稿日時:05/ 1/10

 俺は夢を見ていた…。


 美神さん、シロがいて、見聞を広める旅に出ていた鈴女も戻っている。
 そして、おキヌちゃんとタマモが俺の隣で笑っていてくれた。
 変化のない日常なのに、どこか違和感を感じてしまう。
 まるで最後のピースを失くしてしまったパズルのような光景…。 
 だけど俺はみんなと一緒に今までどおりに生きている。
 そんな俺たちを遠くから、彼女が見つめていた。
 彼女は安らかな微笑みを浮かべていて、俺は自分の選択が間違っていなかったことに安心する。
 あまりに大きな犠牲の上に築かれた多くの幸せ。
 彼女が守りたいと望んだ、俺の住む世界。
 歴史に『もし』はないと言うけど、もしあの時、俺が彼女を救う選択をしていたら…。
 きっと彼女は俺を許さなかっただろう。
 だから、俺は胸を張って生きてゆける。


 それでも…。
 それでも、やっぱり…。
 彼女がいない現実は悲しくて…。


 なぁ、ルシオラ?
 俺が悲しめばおまえやおキヌちゃんたちが傷つくことは分かってる。
 けど、夢の中ぐらいなら泣いてもいいよな?
 明日からまた、お前の好きな俺に戻るからさ…。

『我慢しなくてもいいよ、ヨコシマ…』

 そんなルシオラの声が聞こえた気がして、俺は声を殺して泣く。
 もう届くことのない想いと一緒に涙が流れていた…。

  

 








 朝の美神除霊事務所。
 起きてすぐに横島の様子を見に来たおキヌ。
 床に寝ている横島は泣いていた。

「横島さん…」

 横島を落ち着かせるように、おキヌはそっと頭を撫でる。

「大丈夫ですよ、横島さん。何も悲しいことはないですから…。私はいつでも横島さんの傍にいます」

 まるで自分に言い聞かせるように呟いた。
 
「もし横島さんが私の知らないところで死んじゃったら、私は絶対に許しませんからね…」

 おキヌは、横島の右頬を優しくつねる。
 横島は世界でもトップクラスのGSである美神の下で見習いGSとして働いている。
 当然、仕事での危険度もトップクラスなのだ。
 今までは横島の高い潜在能力と悪運、そして不条理な生命力で生き延びてきた。
 しかし、次も無事に帰ってくるとは言い切れないのだ。

「早起きなんですね」

 突然かけられた声に、おキヌは『びくっ』と反応する。
 ゆっくりと振り返ると、サトリが立っていた。

「サトリさんこそ、もう少し寝ていても良かったのに…」

 おキヌは極力焦りを感じさせないように話しかける。
 小さく笑うサトリ。

「安心して寝ることができなかったことを考えれば、充分過ぎますよ」
「…オカルトGメンに狙われていたからですか?」
 
 おキヌは思い切って、美神に電話で言われたことを聞くことにした。
 サトリが危険な妖怪でないのは分かってる。
 そうでなければ事務所に泊めることはなかっただろうし、横島と同じ部屋で寝ることすら許さなかっただろう。
 しかし、それでも本人の口から事実を聞かなければいけないような気がしたのだ。

「…知っていたんですね」
「まぁ…。全部というわけではないですけど」

 おキヌは、横島を守るように座り直す。
 もちろん目の前の大男が襲ってきたら、自分では対抗できないことは分かっていた。
 それでも、無防備な横島をそのままにはしておけなかった。


「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。もし貴女が望むのであれば、私はすぐにでもここを出て行きますから」
「そういうつもりじゃ…。ごめんなさい」

 笑顔のままのサトリに頭を下げるおキヌ。

「気にしないでください。私の無実は、他の誰でもない自分がよく知っていますから」
「サトリさん…」
「私の言葉を信じる信じないは、おキヌさんの自由です」
「タマモちゃんがサトリさんを信用している…。だったら、私もあなたを信用します」

 おキヌの表情にはもう迷いはなかった。

「ありがとうございます…」

 サトリは深々と頭を下げる。
 自分の能力が間違って人間に伝わっているため、なるべく人間に近づかないようにしていたサトリだったが、おキヌや横島は明らかに自分の知っている人間像とは違うことに気付いていた。

「ふぁ〜、おはよ」

 そう言って、タマモがパジャマ姿のままリビングに入ってくる。

「おはようございます、タマモさん」
「タマモちゃん、おはよう。珍しく早起きね」
「ん〜、なんか夢見が悪くてね…」
「硬いあぶらあげとか出てきた?」
「おキヌちゃん、何で知っているの!?」

 驚くタマモに、「あはは…」と笑ってごまかすおキヌだった。

『ミスおキヌ。玄関にミスター西条が来ていますが、どうしますか?』

 人口幽霊一号がおキヌに伺いを立てる。
 美神との電話での会話や先程のサトリとのやり取りを知っている人口幽霊一号は、知り合いである西条であってもおキヌに無断で事務所の中に入れることはしなかった。

「どうしよう…」

 突然の西条の訪問にオロオロするおキヌ。

「どうしたんですか?」
「西条さんっていう、オカルトGメンの人が玄関に来ているんです」
「西条?…あっ、あの長髪」

 タマモは、あからさまに嫌そうな顔をする。

「私は別に構いませんよ。どちらにしろ、いつまでも逃げ続けるわけにはいかないですから…」
「で、でも…」
「まぁ、いいじゃない。本人が逃げないって言ってるし」
「タマモちゃん、サトリさんが追われていること知ってたの?」
「そりゃ〜ねぇ。私が何も聞かずに拾ってくるようなお人好しだと思った?」

 タマモの言葉を聞いて、苦笑するサトリ。

「そういうことです。ですから、入れてあげてください」
「分かりました…」

 サトリの覚悟を無駄にしないように、おキヌは玄関に向かう。

「あっ、おキヌちゃん」
「何、タマモちゃん?」
「西条を入れるのはいいけど、とりあえずパジャマは着替えた方がいいと思うな」

 ようやく自分がパジャマ姿のままだったことに気付いたおキヌは

「きゃー、きゃー、早く着替えないと〜!」

 とパニック状態になりながら自分の部屋に戻っていった。














「…横島クン、いい加減起きたらどうだい?」

 
 おキヌとタマモはそれぞれの部屋で着替えているので、人口幽霊一号がリビングに西条を案内した。
 サトリは、隣の部屋に隠れている。 
 ジャスティスの鞘で、床で寝ている横島の顔を叩く西条。
 その表情は嬉々としている。

「痛いっ!!」
「おや、やり過ぎたかな?」
「あ…あれ、ここは?」

 ようやく目を覚まし体を起こす横島だったが、状況が掴めなかった。
 起床時にいつも見るのとは違う光景と、激しく痛い右頬。そして何より、目の前で満面の笑顔を浮かべている宿敵西条の存在が理解できなかった。

「何してんだ、西条?」

 とりあえず出た言葉は、それだけだった。

「随分な言葉だな、横島クン。邪魔をしてしまったことは謝るが…」

 言葉では謝っているもの、西条の表情は明らかに勝ち誇っていた。

「いやいや、質問に答えろ」

 状況が掴めてないのは変わらないが、それよりも西条の態度が気に入らない横島。

「いや〜『本命おキヌちゃん』だと思っていた僕のカンは当たっていたわけだ。まぁ、この事務所で一緒に暮らすことを令子ちゃんが認めたのには驚きだけど…」  
「だから何のことを…」
「…おはよ、横島」

 横島が声のする方に振り向くと、しっかりと普段着に着替えたタマモがいた。
 そこでようやく、自分が事務所に泊まっていたこと思い出した横島だった。 

「で、俺がここにいた理由はなんとなく思い出したけど、お前がいる理由が分からないんだが…」

 そう言いながら西条を睨む。
 しかし西条は、横島の質問を無視してタマモに話しかける。

「おはよう。…そうか君もいたんだね。朝早くからすまない」

 爽やかな笑顔を見せる西条に対して

「すまないって思うなら来なきゃいいのに」

 さらっと毒舌を炸裂させるタマモ。
 横島は「よく言った!」と言わんばかりの表情で笑いを堪えている。

「タマモちゃん、そんなこと言わないの」

 おキヌが制服のリボンを結びながら部屋に入ってくる。

「西条さん、バタバタしててごめんなさい」
「い、いや、いいんだよ。こんな時間に来た僕が悪かったんだからね」

 今にも怒り出しそうな西条だったが、おキヌの登場に慌てて取り繕う。

「そう言えば、令子ちゃんはどうしたんだい?姿が見えないようだけど…」
「美神さんは、シロちゃんと一緒に仕事に行ってるんですよ」

(令子ちゃんがいないのは好都合かもしれないな…)

 腕を組んで考え込む西条。
 美神がいないということだけで、厄介ごとの半分以上がなくなったと言っても過言ではないと西条は思っていた。

「それで、こんな時間に来た理由は?」

 横島は黙ってしまった西条に聞く。

「サトリに会いに来たに決まっているだろう」
「会いに来たって…。何で、サトリがここにいることを知ってるんだ?」
「まさか君は何も知らないのか?」
「?」

 少し驚いた表情の西条と眉をひそめて首を傾げる横島。

「私に殺人容疑がかかっているんです。そうですよね、西条捜査官?」

 サトリが部屋に入ってきたことにより、西条の表情にも緊張の色が見えた。

「ようやく再会できたか…」

 西条とサトリは一度だけ面識があった。
 被害者たちの第一発見者だったサトリを取り調べたのが西条だった。
 取り調べをしている最中に、西条だけでなくその周りにいた全ての人々が強烈な頭痛と吐き気を感じ、苦しんでいる間に逃げられてしまったのだ。

「ち、ちょっと待て、西条!殺人容疑って何のことだ?」
「彼には、二人の人間を呪い殺した容疑がかけられている」
「ま、マジかよ…」
「初めて会った時にも言いましたが、犯人は私じゃない」
「その言葉が真実かどうかは、ここで僕が決めることじゃない。できれば素直に出頭してくれると助かるんだが…」

 西条は、ジャスティスの柄を握り締めながら言う。
 サトリも反撃に出れるように構える。
 突然の出来事に、横島とタマモは狼狽してしまう。

「待ってくださいっ」

 臨戦態勢になっているサトリと西条の間に割り込むおキヌ。

「おキヌさん、そこを退いてください。貴女を危険に巻き込みたくはありません」
「そういうことだよ、おキヌちゃん。最悪、公務執行妨害で…」
「サトリさんの無実は、美神除霊事務所が責任持って証明して見せますっ!!」

 おキヌの言葉に

「「えっ?」」

 声を揃えて聞き返す、横島とタマモ。

「所長の美神さんはいないし、私だけじゃ頼りないですけど、横島さんと一緒なら必ず真犯人を捕まえられますっ」
「お、俺〜っ!?」

 突然、自分の名前を呼ばれてたじろぐ横島。

「一緒にやってくれますよ…ね?」

 おキヌの真摯な視線に耐えられなくなった横島は

「この『GS横島忠夫』に、どーんっと任せなさい。あ、あははは…」

 泣きながら胸を叩いてしまった。

「…横島くんに何かできるとは思わないが、僕としても『心を読める』サトリを簡単に捕まえられるとは思ってないからね。もし横島くんが真犯人とやらを見つけることができなければ、オカルトGメンはどんな手段を使ってもサトリを確保する。もちろん、生死を問わずね…」

 厳しい視線でサトリを見る西条だが、彼自身サトリが犯人だとは思っていない。
 しかし、捜査の方向性が『サトリ=犯人』になっていることは止めることができなかった。
 『アシュタロス事件』で美神たちGSは一時的とはいえ、オカルトGメンの指揮下に入っていた。つまり、美神たちの行動による損害の責任を取らなくてはいけなくなっていたのだ。
 その膨大な後処理のため充分な捜査員も確保できず、『詳細不明の妖怪サトリ』が犯人であるという固定概念が職員にあった。
 そんな状況だからこそ、本当は美神に『調査依頼』を極秘のうちにするつもりだった。
 西条の考えていた『厄介なこと』というのは、美神に依頼した時に発生する経費にならない高額のギャラのことでもあった。


「その言葉、必ず後悔させてやるんだから。……横島が」
「あー、もう、矢でも鉄砲でも持ってきやがれーっ」

 タマモの言葉に、半ばヤケになっている横島。 

「ふっ、楽しみにしているよ。じゃあ、事件のことを話しておこうか」


 事件のあらましは次のとおりである。 

 開発が進む山岳地帯で、現場責任者の息子夫婦が死んでいるのが発見された。
 通常であれば、開発反対派が強硬手段に出たとも考えられるのだが、この夫婦が反対派の中心人物であったというだけでなく、あまりにも普通ではない死に方のため、人間の仕業ではないと思われた。
 また、第一発見者が見慣れない人物であったこともあり、地元警察はオカルトGメンに出動要請をしたのである。
 オカルトGメンの調査によると死因は、詳細不明の呪いによる呪殺であった。
 そして、第一発見者は人間ではなく『妖怪サトリ』であることが分かり、事態は急激に収束に向っているように見えた。
 しかし不慮の事故によりサトリが逃亡(人によっては、それすらもサトリの呪いであると言っている)、それと同時期に亡くなった夫婦の娘が体調を崩し意識を失った。彼女はすぐに病院へ搬入されたが、原因不明のため有効策もないまま入院している。 
 
「…そんな感じだな」

 西条は手短に要点だけを話すと、椅子に腰かけた。

「今、ふと思ったんだけど…。横島とおキヌちゃん、学校は大丈夫なの?あんな時間なんだけど…」

 つまらなさそうに西条の話を聞いていたタマモは時計を指差して言う。
 横島とおキヌは時計を見ると、お互いの顔を見合わせた。
 
「や、やばい…。遅刻ギリギリの時間だ」
「私なんか絶対に間に合いませんよ〜。どうしよう…」
「おキヌちゃんの学校には僕から連絡を入れておこう。六道女学院ならオカルトGメンの依頼であれば研修扱いになるはずだからね」
「西条さん、ありがとうございますっ」
「おい、西条」
「何だ?」

 不服そうに答える西条。

「俺の方は、どうなるんだよ?」
「今更、一日二日学校を無断で休んだところで、どうってことないだろう?」
「くそっ、事実だけに言い返せない…。って、ちがーうっ。こう見えて進級ギリギリの出席日数なんだぞ、俺はっ!」
「駄目じゃん…」

 タマモは呆れながら呟いた。

 六道女学院と違い横島の通っている高校は、ごく普通の高校である。
 そのため、GSの仕事でもオカルトGメンの依頼でも特別扱いされることはない。
 つまり横島の進級資格は、義務教育ではない高校制度において常にギリギリなのだ。
 当然、出席できる時に出席しておかないと(真面目に授業を受けるかどうかは別にして)、本当に留年という事態にもなりかねない。
 今までは補講と追試でなんとか乗り切ってきたが、今後もそれが通用するとは限らないのだ。

(ここまで追い込まれたのは、間違いなく美神さんにこき使われているからなんや…。しかし、ここでおキヌちゃんの期待を裏切ることなど俺にはできんっ!)

「よっしゃ〜、一週間だろうが二週間だろうが犯人を見つけるまでやってやるっ!」

 力強く叫ぶが

「…けど、一応学校には連絡しておいてくれるか、西条?」

 最後の最後で卑屈になる横島だった。
 


 





  

 西条の提案で、意識不明になった女性のいる病院におキヌ、サトリ、西条が行き、最初の事件現場には横島とタマモが向かうことになった。

「なんかヤバイ雰囲気だなぁ…」

 深い森を歩きながら横島は呟いた。
 一応、西条から地図をもらい現場に来たのだが、その中に混じるサトリ以外の妖怪の匂いにタマモが気付き、それを追っているうちに森の中に入ってしまったのだ。

「ちょっと黙って…。匂いが消えかかってるんだから集中させてよ」
「わ、悪い…」

 しばらく歩いていくと、タマモが止まって辺りをしきりに嗅ぐ。

「どうした、タマモ?」
「う〜ん、ここら辺で突然匂いが消えてるのよね…」

 タマモは立ち上がり、周囲を見渡す。

「なぁ、さっきから誰かに見られている気がしないか?」
「横島も感じてたのね。…誰だか知らないけど、隠れてないで出てきなさいよっ!」

 しかし、タマモの叫びは森の中に空しく響いただけであった。

「上等じゃない。出てこないつもりなら、この辺りの木を燃やすからね」

 そう言って、狐火を出現させる。

『狐よ、そんなことを我が許すと思っておるのか?』

 どこからともなく声が響き渡る。

「隠れてないで姿を現しなさい」
「ま、待て、タマモっ。俺はまだ心の準備が…」

 完全に腰が引けている横島。

『ふん、強気な狐だな』

 横島たちの後方で『がさっ』という音がしたかと思うと、目の前に身長2メートル前後の大男が現れた。

「ぶわっ!?」
「我が名はヤマコ…。この山の守り主である。汝らの名は?」
「私はタマモ。こっちは横島よ」

 タマモはまったく怯むことなく答える。

「狐と人間の組み合わせとは珍しい…」
「そっちこそ、妖怪なのに『守り主』なんて不相応じゃない」

 値踏みをするようにヤマコは横島とタマモを見る。
 負けじと睨み返すタマモだったが、横島は腰を抜かす寸前であった。








 その頃、病院に着いたおキヌたちは病室に向かっていた。、

「こ、これは…」

 病室のある階に着いた瞬間、異質な雰囲気がおキヌたちを包み込んだ。
 女性のいる部屋から禍々しい気が溢れ出ているでいるのだ。
 そのため、この階はオカルトGメンが封鎖しており患者はもちろん医師や看護士もいない。
 
「西条さん…、これが呪いの力なんですか?」

 おキヌは恐る恐る西条に尋ねる。

「これでも一部なんだ。結界を張っているから、この程度で済んでいるんだが…」

 困ったように首を横に振る西条。
 オカルトGメンの最新兵器を使っても呪いの進行を遅らせるのが精一杯なのである。

「と、とりあえず…サトリさんの無実を証明するためにも、その女の人を助けてあげなきゃいけないんですよね」

 おキヌはそう言って、病室のドアを開ける。

「…っ!?」

 部屋の中を見たおキヌは言葉を失くした。
 ベッドに横になっている女性の体中から無数の『木の根』が生え、それら一本一本が意思を持っているかのように蠢いている。
 まるで富士の樹海を思わせる光景は、あまりに異様だった。
 美神の助手として多くの現場を経験していたおキヌだったが、これほどまでに悪寒を覚えたのは初めてだった。

(私たちは、とんでもないものを相手にしようとしているんじゃ…)

 驚愕の表情を浮かべているおキヌとは対照的に、サトリは病室の様子を厳しい視線で見つめていた。  

 


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