美神令子は朝っぱらから不機嫌だった。
自分から逃げ切ったというだけでもオシオキ倍増物だというのに、横島もタマモも一晩中帰ってこなかったのだ。
一晩中横島のアパートの前で張り込んでいたのは何だったというのだ?いや、そもそも一晩十二人ともどこでナニをしていたのだ!?
事務所のほうに帰って来ていたのなら、人工幽霊壱号が知らせてきたはずだと言うのに、それもない。
「っだ〜〜〜!!もう!殴りたい時にそこにいないってのは、腹立つわねぇっ!!」
美神令子は不機嫌だった。
「ただいま〜♪」
そこへ見るからに機嫌よさそうに帰ってきたのは、タマモ。
「こんちゃ〜っす」
横島も一緒だ。しかもこれ見よがしに2人は腕を組んだまま入ってきた。
それは、美神には喧嘩を売っているようにしか見えなかったわけで。
「ギャラクティカ・ファントムッ!!」
「ガフッ!?」
美神による文字通り、幽霊の如く見えない左ストレートが横島の顔面に神速で決まった。
その後もマグナムやブーメランやJET!とシリーズで打ち込もうとする美神。
すでにピクリとも動かない横島相手にソレはどうかと思うも、いつもの事でもあるし止めるに止められないので手を出さないおキヌ&シロ&人工幽霊壱号。
しかしタマモが、そんな美神の前に立ちはだかった。
「……何のつもり?」
いつの間にかその手にはめ込んだ、カイザーナックルを鈍く光らせて威嚇する美神。
「ヨコシマは…ううん、タダオは私が守る!」
いつもの茫洋とした雰囲気を捨て、強い意志の篭った目でそう宣言するタマモ。
2人のバックで炎とオーラで出来た九尾の狐とメフィストがス○ンドのように争うのが何故か見えてしまい、急いで退避する事務所メンバー。タマモのセリフに引っかかる所はあったものの、追及するのは後でも出来ると冷静に判断したらしい。
「う…」
その迫力に生命の危機を感じたのか、目を覚ます横島。
すかさずそちらに矛先を向けようとした美神より早く、タマモが彼の名を呼んで駆け寄る。
「タダオ!タダオ!大丈夫なの?」
「ううう…何があったんだ?」
どうやら彼の動体視力を持ってしても、美神の一撃は見えなかったらしい。
「美神が殴ったの。問答無用で。じゃ、行くわよ」
いまだ意識がハッキリしない横島を立たせて、引きずるように今入ってきたばかりの扉へと向かうタマモ。
「ちょちょちょっと!どこ行くのよ!?」
「せっかく戻ってきてあげたのに、これなんだもん。もう少し家出してるから」
「な!?」
驚く美神に、タマモは告げる。
「あなたはタダオを必要としてるけど、タダオは必ずしもあなたじゃなくてもいいのよ?」
「!!?」
美神はその一言に衝撃を受けた。
反論の言葉が頭の中ですぐさまいくつも浮かぶが、何故か口には出てこない。というか、何故か口にしたくない。
「そんなの…う…えっと………………あれ?」
何で言いたくないんだろう?美神はふと考え込んだ。
「え〜っと……」
「オーナー」
「ん〜〜…」
「美神オーナー」
「何よ人工幽霊壱号?今考え中…」
「お2人はもう行ってしまわれましたが」
「あ」
それが何故なのかを自分で納得いく答えを考えているうちに、気付けば横島とタマモは姿を消していた。
「あいつら〜〜!人が考えてる隙に逃げたわね〜〜!」
これ幸いと、無意識のうちにさっきまで考えていた事を放り出して、2人を追いかけて外へ飛び出して行く美神。
その後ろ姿を見送ってから、幻術で姿を消していたタマモと横島が姿を現す。
「とことん素直じゃないわねー…」
「だろ?あの人のは筋金入りだ」
「だったら、自覚するまで何度でも繰り返すだけよ。手を変え品を変え…ね」
楽しそうに笑うタマモを見て、何か早まったような気がして仕方が無い横島だった。
このように地道にチクチク攻撃を繰り返せば強敵(美神)を倒すことができなくとも嫌がらせになりますね。もっとやってほしいものです^^; (綾香)
って違うか。 (トンプソン)
同感ですね〜〜〜 (羅綺紫好姫)
現実的に、美神要りませんよねぇ〜 (紅蓮)
タマモがかわいいですね!!美神との心理戦、期待してます。美神の逆襲があるんですかね〜 (不動)
大喜びしているワタクシです。
続きがどうなるか、またどのようにシロタマが動くのか、
ホント楽しみです。頑張ってください。 (核砂糖)