椎名作品二次創作小説投稿広場


力宿す者

幕間


投稿者名:翔
投稿日時:04/ 6/16

幕間

〜〜美神除霊事務所前〜〜
「こんにちは、人口幽霊一号、令子やおキヌちゃんは居るかしら?」
「美知恵さんこんにちは、オーナーや、おキヌさんは事務室に、いらっしゃいます」
「そう、それで様子は?」
「はい、オーナーは、やはりかなり落ち込んでいる様です。おキヌさんもどうしたらいいのか判らずに居る様です」
「そう、流石のあの娘も、私の荒療治には堪えたみたいね」
「しかし・・・、本当にこれで良かったのでしょうか?」
「いいのよ、それに言ったでしょ?、全ての責任は私が持つからって」
人口幽霊一号と話しながら、美知恵は数日前の事を、思い出していた。

 数日前、
美神に、「私にも考えがあるわ」と最後通告を言い放った翌日、美知恵は誰も居なくなった事務所に来ていた。
「人口幽霊一号居るかしら?、彼方に折り入って話があるの」
「私に話ですか?、一体なんでしょう?」
「昨日の、私と令子の話は聞いていたわよね?」
「はい、私はこの建物その物ですから、昨日の話しも、もちろん聞いてました」
「そう、なら話は早いわ、人口幽霊一号、彼方に協力を要請するわ」
「協力ですか?」
「ええっ、令子を、徹底的に追い詰める為に協力してほしいの、ああっ、心配しなくてもいいわ、彼方に迷惑は掛けないし、全ての責任は私が執るから、彼方は私の要請を受けて従っただけ、勿論彼方が私に協力した事は言わないし、彼方も、令子に言う必要は無いわ」
「なぜそこまでするんです?」
「・・・今回の件に関しては、見逃す訳にはいかないのよ」
「なぜです?」
「今回の件には人の命が懸かっているからよ」
「・・・・・・」
「令子は、横島君の命を、まるで自分の物の様に扱っているわ、でもね、人の命を、たとえ身内の様に付き合っている人であっても、そんな事は許される訳は無い、今回は大事に至らなかったからいいけど、一歩間違えば、取り返しの付かない事になっていたのも、事実なのよ」
「・・・・・・」
「このまま頬って置けば、令子はまた同じ事を繰り返す事になるわ、そうなる前にあの娘を止めるのが私の役目なのよ」
「・・・・・・」
「あの娘が、あんな性格に、決して自分の非を認め様としない意地っ張りになってしまったのは私の所為だから、だからこそ私があの娘を正さないといけないのよ、そうたとえ一生を掛けてでも」
「・・・・・・わかりました、美知恵さんの言う事は、間違ってないと思います、・・・ただっ、一つだけ頼みがあるのですが・・・」
「頼み?、何かしら?」
「知っての通り、私は美神オーナーの霊波動を受ける事によって、其の存在を維持しています、そのため美神オーナーからのエネルギーが途絶えた場合、私は消えてしまいますので、オーナーが居なくなる様な事にならない様、取り計らってほしいのですが」
「判っているわ、彼方の存在に関わる事だものね、心配しなくても、令子が此処から居なくなる様な事には、ならないから安心していいわ」
「そうですか、わかりました」
「それじゃあ、早速だけど、令子が今現在してる脱税、及びそれに類する事を、全て教えてくれるかしら?」
「わかりました」

数時間後、
「ありがとう人口幽霊一号、これで全ての証拠が揃ったわ」
「いえ、これで美神オーナーが心を入れ替えて下されば良いのですが」
「そうねっ、・・・それじゃあ、私はこれで失礼するけど、例の件、宜しくね人口幽霊一号」
「あっ、はいっ、わかりました、ではまた後日に」
「ええっ、」
そういって帰って行く美知恵。

数日後、美神除霊事務所にて、査察官と共に美神の脱税の証拠などの保管場所を、査察官等に教えている美知恵の姿があった。 尚、その時美知恵は、屋敷の天井に話しかけていたそうだ。

幕間 終



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