第三話 経緯と決心
何故横島の体内に結晶のエネルギーが入り込んだのか?其の経緯を、詳しく説明するとこうなる。
まず横島は、ルシオラとべスパの戦いに入り、其の身を挺して、ルシオラを護り深い霊的ダメージを負った。
深い霊的ダメージと共に、べスパの妖毒に侵され、欠損、死滅していく横島の霊基構造を、ルシオラは自らの霊基構造で補う事で、横島を死の淵から救った。
しかし、元々、人間と魔族と言う、違う種族である為、両者の霊基構造が、安定し、定着するまでには其れなりの時間が必要だった。
そのため、安定、定着していない両者の霊基構造の間に、ほんの僅かな綻びが存在していた。
そして、そのほんの僅かな綻び、魂の傷口が、結晶エネルギーの入り口となり、その結果、横島の体内へと、結晶エネルギーが流れ込む事に成ったのだ。
しかしまだ終わらない、幾ら入り口が在るとはいえ、結晶のエネルギーが全て横島の体内に入り込むは、通常在り得ない。
では何故、横島の体内に、全てのエネルギーが入ったのか?、その理由が、霊的ダメージである。
横島はべスパに、そしてルシオラは、メドーサとの戦いでダメージを負い、さらにべスパとの戦いで著しく魔力を消耗していた。
そのため、横島の身体の霊基構造は既に深いダメージを負っていたのだ。
横島が其の事に気付かなかったのは、ルシオラの霊基構造を受け入れた為、霊力の出力が上がっていた為である。
そして、そのまま、アシュタロスとの戦いに臨み、限界以上の霊力を揮い結晶の破壊に成功する。
そして、結晶を破壊し、その内に秘められたエネルギーが解放された時、横島の身体に宿るルシオラは、無意識のうちに、魔族としての生存本能を働かせ、開放された結晶のエネルギーを、吸収し、自らが宿る横島の霊基構造を癒し、安定させたのだ。
これが横島の身体に、結晶のエネルギーが宿った経緯である。
「そうだったのか」
話を聞き終えた横島は複雑そうな顔をしていた。
だが、次の瞬間、ルシオラが横島に謝り出した。
「御免なさい、ヨコシマ」
「どうした、急に?」
「だって私のせいでヨコシマは・・・」
申し訳なさそうな顔をするルシオラ。
「謝る事はないさ、俺を救おうとした結果、こうなっただけだろ?なら俺は、ルシオラに感謝こそしても、責めたりはしないよ」
「ヨコシマ・・・ありがとう」
「どういたしまして」
横島の言葉を聞き、ルシオラはキョトンとした顔をした後、「クスッ、」と笑った。
其れを見た横島は、嬉しそうに、
「やっと笑ってくれたな」と言って、
「やっぱりルシオラは笑顔のほうがいいよ」と言った。
「もう・・・バカ」
ルシオラは顔を、赤くして、そっぽを向きそう呟いた。その時・・・
「ルシオラ!!」
横島が叫んだ、何故なら、ルシオラの姿が透けて来たからだ。
「もう・・・時間みたいね」
「そんなっ・・・待ってくれルシオラ、俺はっ・、俺はお前に一言謝りたかったんだ」
何の事か判らず、首を傾げるルシオラ
「俺はっ・・・お前を選べなかった、・・・お前を選ばなかった、・・・ずっと・・・ずっと其れが、心に引っかかってた・・・」
「・・・後悔してるの?」
「・・・判らない、・・・いやっ、判ろうとしてないだけなんだろうな・・・あの時、あの判断が一番正しかったんだと思う・・・でもっ・・・でも俺は・・・たとえ世界と引き換えにしたとしても・・・お前と一緒に居たかった」
横島は顔を俯かせながら呟き、最後の一言だけは、涙に濡れた顔をルシオラに向け、そう語った。
「ヨコシマ」
ルシオラが横島に近づき、そっと横島を抱き締めた。
「ありがとう、ヨコシマ、私には其の言葉だけで、もう十分よ」
ルシオラが言葉を紡ぐ。
「ヨコシマと出会い、たとえ僅かな時間でも、ヨコシマと共に過ごす事ができて、そして、ヨコシマにそこまで想って貰って、本当に幸せだったんだから」
「ルシオラ」
「それとも、ヨコシマは幸せじゃ無かったのかしら?」
「そんな訳無いだろ」
「んっ、よろしい!」
しばしの沈黙、そして、
「ヨコシマ、忘れないでね、私は何時でも、貴方と共にあることを、だからいつまでも悲しんでないで、前を見て、私が愛したヨコシマなら、其れができるはずよ」
「ルシオラ・・・判ったよルシオラ、俺はもう迷わない、此れからは前を見て歩いて行くよ」
「其れでこそ、私のヨコシマよ」
そう言って、ルシオラは最高の笑顔を見せてくれた。
「それじゃあそろそろ行くけど、最後に一言、言って置く事が有るの」
「んっ、なんだ?」
「目が覚めたら、妙神山に行って、小竜姫達の助けを借りてね」
「小竜姫様達の?、なぜっ?」
「其れは・・・行けば判るわ」
「そうか、・・・時間だな、ルシオラ、また逢おうな?」
「ええっ、・・・また逢いましょう、ヨコシマ」
そう言って、ルシオラは漆黒の闇の中に、消えていった。
そして横島は、
「さあ俺も行くか」
と言って、漆黒の闇の中で、上空の唯一点、光り輝く場所を目指し昇って行った。
第三話 終
(名前ゆえにお約束w)
では、コメント
DDTさんとかぶってしまいますが、短すぎます。
この量であるのならば、2話と3話は一まとめにしてしまった方が良かったかもしれないですね。
で、1話2話でも叩かれていますが、まだ句読点の使い方がおかしいです。
地の文のほうはまだいいのですが(それでもちょっと多い感じがします)、
会話文の中で読点(。のこと)が無いのは非常に問題だと思います。
ついでにもう一つ、会話の最中・地の文に関わらず「!」や「?」の後に句読点をつける必要はありません。
これは「技術」云々以前の、「文を書くときの決まりごと」のレベルなのでご注意ください。
書き続けるにしたがって、文章の構成や句読点の使い方にも習熟が見られるようならば幸いです。
お・ま・け
句読点、特に句点に関してですが、執筆してから投稿するまでの間に自分で朗読してみることをお勧めにします。
誤字脱字も減りますし、句点で区切ることを意識しながら読むと結構改善されるはずです。 (誤字チェッカ)
「、」に関してはうち処間違っている箇所もありますよ^_^;
二話と三話とにした意味が無いと思う。
文字を連ねるだけが小説ではないと思うのですが…うーん(-_-;) (零紫迅悟)
小竜姫達が横島に何をもたらすか、楽しみにしています。 (R/Y)
幾つか削れるものもありますし、何より読みづらい。
同じ接続詞が連続するのは見た目にも良くありません。
もう少し文章構成を練って、接続詞を多用せずに済むよう心がけましょう。
また、読点(、)が多いのも読み難さに一役買っていますが、三点リーダー(…)も多すぎます。
会話文に余韻を含ませるのも結構ですが、地の文の描写がなおざりになっています。
ちなみに、句点(。)、読点(、)ですよ。>誤字チェッカ氏 (杜若)
通常は句読点はなくていいと思いますが。
文章作法はいわば最大公約数です。
小説においては他の人と違う書き方もアリだと思いますが、基本を押さえた上で崩すところは崩してください。
「崩す」と「崩れる」は違います。
1話辺りで話に進展がありませんね。
短く切るのもそれなりの意図があれば(話の区切りなど)構わないと思いますが、
この場合、1〜3話を1話にまとめてもいいくらいだと思います。 (林原悠)