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力宿す者

第二話 原因


投稿者名:翔
投稿日時:04/ 6/12

第二話 原因

悪霊を倒し、気を失った横島は、漆黒の闇が支配する空間を漂っていた。
「此処は何処だ?、一体何が起きたんだ?」
自分が何処に居るのか分からず、横島は混乱していた。
其の時、横島は背後から声を掛けられた。声に反応して振り向いた先には、嘗て横島が愛し、横島を愛してくれた女性が居た。
「ヨコシマ」
「ルッ、ルシオラ?・・・」
信じられない思いで声を掛ける横島に対し、彼女は笑顔で答える。
「久し振りね、ヨコシマ」
「本当に?・・・本当にルシオラなのか?」
クスッ、「ええっ、正真正銘貴方のルシオラよ!」
確める様に聞く横島に対し、はっきりと答えるルシオラ。
「ルシオラ、ルシオラぁ」
「ヨコシマ」
互いの名を呼びながら、涙を流し、抱き締め合う二人。
暫くしてルシオラが横島に声を掛ける。
「落ち着いた?」
「ああっ、ごめんっ、取り乱して・・・」
「ううんっ、いいのっ、私も嬉しかったから・・・」
そういってお互い笑いあう。
「処で此処は何処なんだ?、其れに何故ここにルシオラが居るんだ?」
「此処はヨコシマの心の中、又は深層意識の中と言った所よ。私が此処に居る理由はヨコシマも知って居るでしょう」
横島の問いに、ルシオラが答える。
「そうだな」
横島も納得した。
「其れよりもヨコシマ、貴方に話さなければならない事があるの」
真剣な表情で話し掛けるルシオラを見て、気を引き締める横島。
「わかった、其れで、話と言うのは」
真剣な表情で聞く横島。
「話と言うのは他でもない、ヨコシマの身体に宿る力の事なの」
「?俺の身体に宿る力ってどう言う事だ?」
ルシオラの言葉に、訳が解らず聞き返す横島。
「やっぱり気付いてなかったのね?、自分の身体に、アシュ様が作った結晶のエネルギーが宿っている事に」
「なっ、なにいっ?、俺の身体にアシュタロスのエネルギー結晶が!」
「そうじゃないわ、エネルギー結晶ではなく、結晶のエネルギーが、ヨコシマの身体に宿っているの」
横島の間違いを、正しながら話を続けるルシオラ。
「でっ、でもっ、如何して俺の身体に、その結晶のエネルギーが宿ったりしてるんだ?」
「其れを今から説明するわ」
横島の疑問に、説明を始めるルシオラ。
それによると・・・

原因は大きく分けて三つ
一つ目は、横島が死に掛けた際、死滅し、欠損した霊基構造を、ルシオラの霊基構造で補った事。
二つ目は、傷付き、深いダメージを受けたまま戦いに赴き、自らがエネルギー結晶を破壊した事。
三つ目は、エネルギー結晶が、破壊され、そのエネルギーが溢れ出した時、横島が直ぐそばに居た事。
この三つの偶然が重なった為、横島の身体にその結晶のエネルギーが宿る事になったのだった。

第二話 終

横島が結晶のエネルギーを宿した経緯は、第三話にて説明します。


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