椎名作品二次創作小説投稿広場


力宿す者

第一話 覚醒


投稿者名:翔
投稿日時:04/ 6/ 9

皆様、どうも初めまして、翔といいます。下手で、拙く、読みづらい小説かもしれませんが、それでもよければ、読んでください。

プロローグ
この物語は、アシュタロスの乱後、数ヶ月たち、横島が高校三年生に進級した所から始まります。
なお、原作の物語と設定やキャラクターの立場、状況などが変わっていたりするのでその点を、踏まえてお読みください。 

序章

「うぎゃあああ〜〜〜っ」
此処は都内にある、雑居ビルの一つである。
このビルから聞こえてくる悲鳴は、この物語の主人公、横島忠夫、その人のものである。
彼は今、自分の雇い主である、美神令子の命令、(脅迫?)を受け、このビルに巣くう悪霊の、除霊作業の真っ最中である。 しかし・・・
ドガァァァァンッ 「ひいいーーーっ」
どうやら状況は、あまり良くない様である。
其れもそのはず、何故なら彼は今、自分だけが持つ霊能力「文珠」が使えないのである。
その理由は、二時間前に遡る・・・

「横島君、この除霊はあんたに任せるわ」
此処、美神除霊事務所でいつもの様に美神が横島に仕事を任せて、(押し付けて?)いた。
「悪霊のレベルはCで、数は一体のみ、この程度の相手ならあんたでも簡単にかたずけられるでしょ」
美神は、そう言って横島に依頼書を渡す。
「そうっすね、この位なら、難しくないっす、じゃあ早速行って来ます」
そう言って横島は事務所を出ようとする。ところが・・・
「ああ、まって横島君、行く前に文珠を作って全部置いて行きなさい」「へっ、」
美神の言葉に、横島は素っ頓狂な声を出す。
「どっ、どういう事ですか美神さん、なんで文珠を全部置いて行かなきゃならないんですか?」
もっともな言葉である。しかし美神は・・・
「決まってるでしょ、こっちで使うからよ、おキヌちゃんの身の安全の確保や、お札なんかの経費を削減するためにね」
などと、あっさり言ってくれた。
「そッ、そんな、でっ、でも、いくらなんでも全部置いてく必要は無いでしょう」
正論である。だが・・・
「何言ってんの、何があるか、分からないのが、この業界の常識よ、いざと言う時の為、手持ちの道具は、多いほうが良いのよ」
「でっ、でもっ、それなら俺の方だって」
美神の言葉に対し、必死に抵抗するが・・・
「あんたの方は、私達の方と違ってたいした危険はないわ、あんたの霊波刀一発で片がつく筈よ」
「しっ、しかしっ・・・」
何とか、文珠を全部持って行かれるのを、阻止しようとするが・・・
「いいから、さっさと文珠を作って、仕事に行って来なさい!!」
「はっ、はいっ、分かりました〜〜〜っ」
怒気を含んだ美神の言葉に、横島は慌てて返事を返し、文珠を作り始めるのだった。
数分後、横島は、ストックと合わせて、文珠を四個出し、其れを美神に渡して、除霊に向ったのだった。
おキヌちゃんの、「気を付けて下さいね」と言う言葉と、人工幽霊一号の、「お気を付けて」と言う言葉を受けながら・・・


・・・と、言う訳で現在、横島は文珠が使えないのである。
「くッそーッ、なにが簡単に、霊波刀一発で除霊できるだーっ、全然出きんや無いけーッ」
そうこうしている内に横島は部屋の隅に追い詰められていた。
「ぜぇーっ、ぜぇーっ、ちくしょーっ、こんな事なら、文珠の一つ位美神さんを、だまして、持ってれば良かった」
物騒な事を言う横島に悪霊が襲い掛かる。
『ウケーーーーーーッ』
ドギャァァァァッ、ドゴォォォォンッ
「ガハッ」
悪霊の攻撃を、霊波刀で受け止めたものの、そのまま吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる横島。
「くっ、くそっ、」
必死に立ち上がる横島に、更に攻撃を仕掛けてくる悪霊。
『ウケケケケケケケッ』
トガッ、バキッ、ズギャッ
「グッ、」「ガッ、」「グハァッ、」
ドシャァァァッ
悪霊の攻撃をモロに喰らい床に倒れる横島。
(やっ、・やべえっ、・・・俺、死ぬのか?)
『ウケッ、ウケッ、ウケケケケケケッ』
横島は自分に迫り来る悪霊を見て死をマジかに感じた。
(俺は、こんな所で、こんなヤツに、殺されるのか?、ルシオラを転生させることも出来ずに・・・)
そう思った時、横島は自分に対し、凄まじい怒りを覚えた。
(バカヤローッ、そんな訳に行くか、ルシオラを転生させる為、そして、ルシオラの未来の為にも、こんな所で、死ぬ訳にはいかねー!)
そして横島は、ボロボロの体に鞭打って、立ち上がった。
『ウケッ?、ウケケケケケーーッ』
そんな横島を見た悪霊は、一瞬驚いた様な感じを見せた後、すぐさま、一直線に横島目掛けて、襲い掛かってきた。
其れに対して横島は、立ったまま微動だにせず、自分に向ってくる悪霊を見つめていた。
その瞳に、生きようとする確固たる強い意志をもって、そして、
『うおおおおおおおおーーーーーーーっ」
横島は吼え、自らの右の手の平を、悪霊に向けて、勢い良く突き出した。
その瞬間、

ズドォォォォォォォンッ

凄まじい霊波砲が放たれ、悪霊を一瞬で消し飛ばした。
その霊波砲の威力は、人間のレベルを遙かに超えるものだった。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ、」
横島は、荒れた息を整えながらも、悪霊を倒した事に安堵し、同時に自分の放った霊
波砲の凄まじさに、驚きと、困惑を覚えながら、そのまま倒れ、気を失ったのだった。


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