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tragic selection

横島的な日常


投稿者名:堂旬
投稿日時:04/ 5/27

『横島ぁ〜!! 貴様、卒業する気あんのか!? 今学期始まってからまだ6回しか 学校来てねーじゃねぇか!!』

 朝、俺の眠りを覚ましたのは担任からの怒りの電話だった。昨日で4月は終わり、今日から5月。なんとか3年に進級できた俺だったが、今度は卒業の危機らしい。
 年度の頭からすでに卒業の危機を迎えることになるとは。我ながら大したモンだ。

「あ〜はいはい、具体的にあと何日休んだらやばいんすかね?俺」

 なんか余裕だし、俺。
 
 そんな俺の様子を電話ごしに感じ取ったのか、担任はさらに凄い剣幕になって怒鳴りだした。

『貴様ぁ〜! とことん人をなめくさりやがって!! よぅしわかった!
 お前今日来なかったら留年決定だからな!!』

 ガチャンッ!!

 言いたいことだけ言って切りやがった。出席日数はもうちょい余裕のはずなんだが・・・一介の教師に留年決定の権限なんてあんのか?




 そもそもなんで俺がここまで学校を休まにゃならんかったのか。それはすべて業突く張りのクソ上司のせいなのだ。あの女、俺の除霊はコストがかからんからとぬかして最近の仕事はほとんど俺任せなのだ。そのくせ俺には依頼料の1%しかよこしやがらない。(それでも前の収入に比べると破格なのでついつい引き受けてしまうのだが)
 だがさすがに留年の危機となっては事務所も休まねばなるまい。俺自身は全然かまわないのだが母ちゃんが許しはしないだろう。下手すりゃ今度こそナルニアに強制連行されてしまうかもしれない。いや、される。絶対される。確実に、そりゃもう間違いなく。

 ロープでぐるぐる巻きにされて空港内を引きずられる自分を想像した俺は即座に事務所の電話番号を回した。※横島の家の電話はいまだに黒電話

『はい、もしもし。こちら美神除霊事務所』

 電話にでたのはおキヌちゃんだった。

「もしもし、横島だけど」

『あ、横島さん。どうしたんですか?』

「あのさ〜俺しばらく事務所来れないからさ、美神さんに伝えてくれないかな?」

『えっ!? やめちゃうんですか!?」

「あぁ違う違う! 出席日数がやばくってさ、しばらく学校に集中しなきゃいけな いんだ。留年するとお袋が怖いからさ」

『それは・・・・・・そうですね。わかりました、美神さんにはちゃんと伝えてお きます。がんばってくださいね、横島さん』

 なんかおキヌちゃん声がうわずっちゃってるな。まぁ前お袋が来たときはいろいろ迷惑かけちまったからな〜。お袋に対して拒否反応がでちまってんのかもな。

「じゃ、そういうことだから」

 チンッ!

 さて・・・事務所への連絡も済んだ。金は・・・まぁなんとかなるか。ほとんど学校行ってなかっただけあってけっこう貯金たまってるし。

 その時ピピピピッ!っとセットしておいた目覚ましがけたたましく鳴り響く。俺は足で目覚ましを止めた。

 まったく・・・担任も余計なことをしてくれた。なにをかくそう俺は今日はもともと学校に行くつもりだったのだ。



 なぜならば・・・・・・





「今日は身体測定があるんだからな」

 俺は自分の霊力が急激に上がっていくのを感じていた。


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