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六道家の一族

さまよう二人


投稿者名:cymbal
投稿日時:04/ 2/24

再び事務所・・・・・・
「犬、お茶入れてきなさいよ。」カランカラン
「な、なんで拙者が入れねばならんのでゴザる。」カランカラン
「黒ひげで負けたでしょ。言うこと1つ聞くって、言ったじゃない。」カランカラン
「そ、それは・・・。」しぶしぶとお茶を入れに立つシロ。
「1、2、3、4、あっ、成った。これで角ね。」
「なんで・・・、なんでタマモばっかり・・、拙者はまだ歩なのに・・・・」
今度は回り将棋に熱中しているようで・・・。

そんな事とは関係無く、森の中に逃げ込んだ二人はというと・・・。
「ふー、ここまで逃げれば大丈夫かな。」
大きな木の根元まで辿り着くと、横島は冥子を降ろし座り込んだ。

「いったい何だったんだアレ?」横島は、首を捻る。
(どー見ても、アンチラには違いなかったと思うけど・・・・・。なんで冥子ちゃんを襲うんだ?)
しかしまあ、横島の足りない頭で考えて何か思いつくワケも無く、いつしか横島の思考は冥子の事へと移動してゆく。
「六道 忠雄かあ・・・・・。」

さっきは先走ってしまったが、冷静に考えてそれで良いのかと思考を巡らす。
(プッツンはまあ、式神を封じておくか又は、文殊でなんとかしてしまえばいいのだ。そー考えると、財力は手に入るし、何といっても冥子ちゃんを我が物に出来る。)
横島はチラッと冥子の方を見ると、冥子はスースーと寝息を立てている。
(・・・・・・かわいいなあ。)


「ター君〜〜。」
「冥子、さあ二人の世界へと行こうか。」
やけに格好良い横島は、冥子を布団へと導く。部屋が4畳半なのはご愛嬌。
「はい〜〜〜、やさしくしてね〜〜〜。」


「・・・・くーーーー!!!何にも知らないお嬢様との愛!!手取り足取り・・・ときめく!!!ときめくぞーーーー!!!!」
「ん・・・・あれ〜〜ここ何処〜〜〜〜?」
横島が怪しい妄想に耽っていると、冥子が気が付いたのかぼんやりとした顔でキョロキョロしながら言葉を発した。

「あ、め、冥子ちゃん起きた?」
「あ〜、横島クン〜〜。私〜なんで〜〜こんな所にいるの〜〜?」
冥子はどうやらさっき自分の式神に襲われた事は、ショックで忘れてしまったようだ。
(よかった・・・。あんな事覚えてたら、冥子ちゃん立ち直れないかも知れないからな。)
「確か〜〜〜噴水前にいて〜〜〜・・。」
「め、冥子ちゃん!聞きたい事があるんだけど!」
思い出されては堪らない、とっさに横島は適当に話し掛ける。
「冥子ちゃんのお父さんてどんな人なのかなーーーーっとか。」
「私のお父様〜〜〜?え〜〜、優しくて〜〜、面白くて〜〜〜・・・・」
バサバサバサッ!
その時、二人の上を何かが通り過ぎた!!

「!!なんだ!!!」
「ど〜したの〜〜〜横島クン〜〜〜!!!」




「・・・・道に迷ったわ・・・・・。」
「私達何してんでしょーね・・・・。」
検討違いの方向で二人は溜息に包まれる。なんとか横島達に追いついてほしいけど・・・・。

つづく・・・・・。







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