「横島クン〜、おまたせ〜〜〜。」
所変わって、ここは某所の緑地公園。世間を舐めきったバカップルの集う有名デートスポットだ。
「おおーーー!!!そこだーーー!!いけっ!!」
横島はデバガメに夢中で、冥子が来たことに全く気づく様子も無い。
「横島くん〜〜〜。」
「先生・・・やっぱり僕、僕。・・・ごめんなさい!!!」
「あっ!!!タケシくん!!!!」
チャララ〜っ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「てめえそれでも男かーーーー!!!!もーちょっとで!もーちょっとで!!ガァーーーー!!!」
まさしく男泣きと言わんばかりに叫び狂う横島。その横でポカンとした顔の冥子が顔を覗き込む。
「横島クン〜〜聞いてるの〜〜!?」
「どわっ!!!め、冥子ちゃん!?来てたの?」
「そ〜よ〜。何見てたの〜?」純粋に興味を惹かれたのか屈託のない笑顔で聞いてくる。
「いっ!!いやっ!!!そんな純粋な目で見ないでーーー!!違うんだ!!これは社会勉強というか、なんというか・・・、とっ!とにかく!その、あっ、そーだ!こっち行きましょう!!」
汗だくになりながら必死に話をそらし、冥子の腕を掴んで走り出した。
「あ〜〜ちょっと〜〜〜横島ク〜〜ン〜〜。」
二人が去った後、物陰にうごめく影があった。
「全くっ!なんで私がこんな事しなきゃなんないのかしら!!」
「美神さん、早くいきましょう・・・・。」
何か不機嫌そーな怪しいほっかむりの二人は、怪しい足つきで彼らを追っていく・・・・。
実はもう1組いたのだが、この場ではとりあえず触れないでおこう。
「それで・・・冥子ちゃん・・・。」横島が真剣な顔つきで尋ねる。
ここは公園の中央噴水前。横島と冥子は、その前に寄り添うようにして座っている。
「な、な〜に〜、横島クン〜。」突然引っ張って来られたかと思えば、今度はいきなりのマジモードに入っている横島。普段の彼を見たことのある者にとっては異様以外の何者でも無い。
「何しにここに来たんでしたっけ?」
だーーーーーっ
物陰で気が気でない様子で見ていた二人は思いっきりこけました。
「も〜、仕事だって言ったじゃない〜〜。聞〜てなかったの〜?」
顔をプーっと膨らませてこっちを睨んでくる。実は、冥子も場所だけで詳しい事は何にも話していないのだが・・・・・。
(仕事?夜の公園で!?そ、それはつまり、ほとんどデートじゃないっすかー!!!!」
ガバーっ!!!!
「きゃ〜〜〜〜〜!!」
「あの馬鹿!!!」噴水の裏手から鞭が飛ぶ!
パシッ!!
「いってーーーーーっ!!!な、なんだぁ!?」
突然の攻撃を受けてビビる横島。周りを見渡してみるが、特に変わったことは無い。とゆーより無意識の内にその人物を排除していたのかもしれない・・・・。
「も〜〜〜〜、もうちょっとだったのに〜〜〜〜くやしいわ〜〜〜!」
「奥様・・・・。」
「それでね〜、仕事の内容なんだけど〜〜〜〜」
この人に合わせていると長引くので、簡単に説明すると、まーいちゃいちゃしてると怪しい妖怪がよってくるとゆーことなのだ。
「とゆ〜ことなの〜〜〜〜。」
「なんか変な声が聞こえたよーな・・・・。」
「気にしちゃ駄目よ〜〜〜、こ〜ゆ〜のは必要悪って奴なの〜〜〜。」
「それは意味が違うと思うんですけど・・・。」
「それでね〜、今回私〜、式神がいないのよ〜〜〜〜〜!!!」
「!!!!」
「連れてくと〜〜〜、失敗するから〜〜、駄目だって〜〜!!だから〜〜〜、誰か頼れる人がいないと〜、私〜、私〜!!」
滝の様に涙を流しながら、冥子が身体を密着させてきた。腕に当たる胸の感触が横島を妄想の世界に呼び込もうとするが、気持ちを落ち着けて疑問を投げかける。
「な、なんで、美神さんを指名しなかったんですか?」
「だって〜〜〜、お母様が〜〜〜横島クンにしなさいって〜〜。私も〜〜横島クンの方が〜〜・・・。」
いたずらっぽく目をこちらに向けながら、突然泣き止む冥子。その仕草を見た横島の中の計算機が音を立てて数字を打ち込み始めた。
(め、め、冥子ちゃんが?俺を!?もし冥子ちゃんと出来てしまったとすれば、将来は確約されたも同然。苦労ばかりでなんにも実の付かない美神さんに使役するよりも、六道家の当主として人生の成功者の道を行く方が・・・・。)
「横島クンは〜〜、私の一緒に居るのは嫌なの〜〜〜〜?」
もはや息がかかるところまで冥子の顔は近づいていた。
横島の心の中・・・・・
「おっ、おい、駄目だって!!何の為にあのイケイケねーちゃんの側に居たと思ってんだ!!」
横島の劣情の波は心の壁を洗い流そーと、次々に蛇口を製造してゆく。
「お前の心の正義はそんな物なのかーーーー!!!!」
ぴしっ。
「俺の心に壁などはありえんのじゃーー!!!!!!!!!!」
ざあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ「それでいいのかよーーーーー!!!」
「不肖横島!!冥子様の為ならどこまでもお供させて頂きます!!!!」
そーゆーと、冥子の手を握りひざまずく。その影で怒りに震える女が有無も言わさず飛び出そうと立ち上がっていた。
「横島ァーーーーーーーー!!!!!!!」
それと同時に噴水の中から何かが現れる!!!!
つづく
期待してくれる人もたくさんいるのは嬉しい限りです。ありがとうございます。
んで、突貫作業で2話目書ききっちゃいました。大変でしたが、なんか楽しくかけたので良かったと思います。続きも頑張っていきたいです。 (cymbal)
あの真っ直ぐな瞳でうるうると見つめられたら私はもう……。
ああ、横島クン、何てうらやましい奴なんだ。君にはおキヌちゃんがいるだろう!?
つうことですっかりドキドキしちゃいました。 (林原悠)
ではなくて、ありがとうございます!
おキヌちゃんですか・・・、一応「お昼のショーゲキ」って作品が外に転がってますので、よかったらそちらもどうぞ。
あと、「横島クンは〜〜、私の一緒に居るのは嫌なの〜〜〜〜?」(私と)ですね。
失礼しました。 (cymbal)