男とは本能で生きる生き物である。
ゆえに目の前に甘い蜜があるのならば、罠と知りつつも飛び込んでいかねばならんのだ!!!
「それはいわゆるアレっすね!!夜のお誘いって奴っスかー!!!!」
目の前にはおかっぱ頭の、一見すると少女にも見える女性が座っている。
「ん〜、そう期待してもらってもこまるんだけど〜・・・。」
急に迫られて困ったような顔をしているが、別に嫌そーにも見えない。
ドスッ!という衝撃と共に横島は床に崩れ落ちた。
「何勘違いしてんのあんたは!!!」
美神玲子がいつも通りにツッコミをいれる。しかし今日の横島はこの程度ではへこたれない。
「何言ってるんスか!!夜の公園で二人で会いたいといえば、もうこれはプロポ・ブッ!!!」
二度目の肘鉄が決まると血溜まりとともに横島の意識は遠のいていった。
「でも・・本当に横島クンでいいの冥子?こんなの連れてったら貞操の危機よ。」
言いたい放題だが、普段の行動が行動なだけに仕方ないことである。
「え〜、でも〜、お母様が〜、横島クンを指名しろって〜。私もそんなに嫌じゃないし〜。」
ピシッ!!一瞬部屋の中に張り詰めた空気が走った。本の整理していたおキヌは、耳がダンボのようになる。美神は顔を引きつらせた。
「なっ、なんであんたの母親が横島クンを指名しなきゃならないのよ!!!」
「だって〜、横島クンを六道家の一員として〜、あっ!駄目〜!これ秘密にしてね〜玲子ちゃん〜。」
思いっきり喋っておいて秘密も何もないのだが、別段悪びれた様子もなくニコニコしている。
だが彼女の思惑とは裏腹に、この言葉は効果があったようで・・・。
(六道家の一員!?それはつまり横島クンが婿入りするってこと!?)
(横島さんが冥子さんと!?そんな・・・・・。)
「とにかく〜、今後の事も考えて〜、横島クンと仕事をしておいた方が良いと思って〜。」
しかしこの言葉も今の二人には聞こえていなかった。
「今日は〜、よろしくね〜、横島クン〜。」冥子が横島の髪を撫でるように喋り掛けると、横島はスイッチが入ったかのように意識を取り戻した。
「えっ?は、はあー。イテテ。」何が起きていたのか知らない横島は、冥子の言葉に素直に反応した。
その言葉を聞いて、嬉しそうに事務所を出て行く冥子。
「美神さんも容赦ねーなー、もう。」そう言って頭をさすりながら後ろを振り向くと・・・・・。
二人の鬼がいた。
「なんでじゃーーーー!!!!!なんで俺が殴られなあかんのじゃー!!!!」
「うるさいわね!!あんたはサンドバッグなんだから、余計な口答えするんじゃないの!!!」
「横島さんごめんなさい!!!!!」
「お、おキヌちゃんまでーーーー!!!」
彼女達の嫉妬の嵐が収まるまで、横島の断末魔は鳴り響いたという。
そして、夜も更けた頃・・・・・・・。(つづくかも)
ご意見お待ちしています。 (cymbal)
文章のレイアウトとか上手く整理されていて読みやすかったです。
話の導入部としてはちょっと唐突な感じがしましたが、
私を含めた、読者を惹きつける要素も多々感じられます。
続き、楽しみに待ってます。 (ハロゲン酸)
キャラの立ったセリフ。
そして、お約束のオチw。
激しく、期待しまつ。 (まっつん)
けど私自身、なかなか楽しく読ませていただきましたので、B判定です。
なぜB判定かと言うと次回作に期待と言った意味です。
これからもがんばってください。 (白井健士)
非常に感激しております。まさか1日でこんなに反応が返ってくるとは・・・・。
出来る限りどんどん次の話を書いていこうと思っておりますので、ご意見を頂けると嬉しいです。 (cymbal)
横島クンがどのようにして六道家の罠(!)に捕らわれていくのか楽しみにしてます。
時間の都合で一気に読めないので少しずつコメントさせていただきますね。 (林原悠)