椎名作品二次創作小説投稿広場


おれ、ルシオラ。

Interval part.U


投稿者名:ライス
投稿日時:03/12/27



 あぁ、青天の霹靂っていうのはこういう事か……。


 眼が覚めて、気が付くとオレは何処とも分からぬベッドに寝かされていた。
 オレは頭をボリボリと掻きながら、辺りを見回す。
 見覚えがある場所ではある――だけど、オレの頭脳はど忘れしていた。
 ベッドは思ったより広く、高級そうだ。
 枕には石鹸のいい香りがした。
 周りは木造建築の一室という趣だった。
 床はやたらと乱雑しているが足が踏めない、という程でもない。
 部屋の持ち主はどうやら女性らしい。
 少し開きかけているクローゼットから垣間見える下着やら服やらから、判断した。
 此処は何処なんだ――?


「で、なんで此処にいるんだろ、オレも……。」


 ……足音が聞こえた。パタパタ言っている――スリッパみたいだ。
 誰だろう、此処に連れてきた張本人か?
 そう言えば、自分の着ている服も何かおかしい。
 赤いYシャツに黒のスラックス。間違いなくオレの服じゃあない。
 でも、これもどこかで見たような――


「エェト、一体、何処で見……、」

「キャアァァァァァァァァッ!?」

「!? お、おキヌちゃん!?」


 ドアが開くと同時に絹を裂くような悲鳴。
 その悲鳴の犯人はおキヌちゃん――て、ことは此処は事務所か……。


「ねぇ、おキヌちゃん、なんでオレ、ここで寝てんの?」


 その返事が彼女の口から出る事は無かった。
 おキヌちゃんはオレを見た瞬間、窓側の壁に寄りかかってへたり込んでいる。
 彼女の表情は酷く怯えきっていた。
 と、向こうからもう一つの足音が聞こえてくる。
 恐らく美神さんだろう。


「どうしたの、おキヌちゃん……?」

「あ、あれ…………、よ……、よこ……!」

「一体どうしたって………!!!!?」


 美神さんがオレの方を覗き込む。
 すると、美神さんも身を仰け反らせて、驚いた表情を見せる。


「なんで―――、なんで此処に居るの?……横島クン!!」


 ……一体、美神さんも、おキヌちゃんもどうしたって言うんだよ、チクショウ――


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