「む〜〜…」
ごろごろ…
子狐形態のタマモが、眠そうに半分目を閉じてゆっくりと転がる。
「はふ〜〜…」
ぱふっ…ぱふっ…
同じくほとんど目を閉じたシロが、犬状態で寝そべってゆっくりとシッポを上下させる。シッポが床につくたびに気の抜けた音をたてて、それがさらに眠気を誘う。
「くわぁ〜〜〜……あふぅ…」
それを何とはなしに眺めていた横島が、大きく伸びをしてあくびした。
今日は美神除霊事務所は仕事が無く、休日なのだ。
リビングで陽だまりの中、ケモノ状態でくつろぐシロタマと横島はまったりと、のんびりと午後の時間を過ごしていた。
……部屋に入ってきた美神がしみじみとこう言うまでは。
「そうしてるとあんたらってホンット…犬よね」
「犬ではござらん…狼でござるよ〜…」
まったりとしていたせいか、いつものようにムキになって反論せず、気の無い返事を返すシロ。
しかし、後ろの2人はそうではなかった。
あんた『ら』?……ら?俺(私)も入ってるの!?
「ちょっと待ってください美神さん!誰が犬なんですか!?」
「アンタ」
横島の反論に、これ以上無いほど簡潔に答える美神。
それにさらに反論できる根性も無く涙する横島と、私は入ってなかったんだ、と安堵するタマモ。
「それにアンタもよ、タマモ」
しかし横島に続いてビシ!と指差され、タマモは猛烈な勢いで反論を開始した。
「どうしてよ!私は金毛白面九尾の…」
「はいはい。でも、ウチでの立場的にはシロと一緒よねー」
「そ、そんな…それは…」
「だったら飼い犬でしょ?」
「「う…」」
己の魂にかけて否定したいのに、反論できない横島&タマモ。彼らのどこかで見たような状態にシロはデジャブを感じた。
「「うわぁぁ〜〜ん!美神さんの」」
「いじめっ子!」「サド!」
「マザコン!」「雪之丞と一緒に叫んでろーー!!」
そして横島とタマモは見事なコンビネーションで美神の悪口を叫びながら、どこかへと走っていってしまった。
「な、ん、で、す、ってぇぇ!!待ちなさい!!」
そしてすぐさまそれを追っかける美神。
「………………見なかった事にするでござる」
「それがよろしいかと」
後に残されたシロと人工幽霊壱号の意見は一致した。
そして美神に捕まった2人がお仕置きされて、いつものようにこの一件は終わりかと思われたが…
この日、2人は逃げ切ってしまったのだ。
まさかあの美神さんから逃げ切ってしまうとは・・・・・・。凄いですね
では、次回を楽しみにしています (誠)
コンビネーションフル活用して逃げ切ったタマモと横島の運命はいかにっ!?これからの展開が楽しみです。 (BOM)
あっさり逃げ切ってしまった横島&タマモコンビ、
これからどんな笑いが待ってるんでしょう?
ふたりの息の合った捨てぜりふがかなりツボでした。 (U. Woodfield)
話自体は好きですけどね。 (脇役好き)