日もそろそろ暮れはじめるソールズベリに、日中よりも少々冷たい風が静かに吹き渡り、ストーンヘンジと呼ばれる巨石郡が大地に長い影を落としていく。
静寂が支配したその遺跡には今、二人の男が最後の決着をつけるべく対峙していた。
一人は、全身を黒の装いで統一し、その顔に険しい表情を浮かべた唐巣和宏。
一人は、全身を白の魔装術で包み、その姿も美しいハーディー・クラッセ。
ハーディーの束縛結界にとらわれているジゼルやDrカオス等には声もなく、戦いの行く末をただ見守るしかなかった。
どちらが先に仕掛けるでもなく、互いを探るようにじりじりと円を描く様に間合いをつめる。
不意に、じれたハーディーが唐巣に襲い掛かった。
見切れない動きではないが、それでも十分に速い。両手の爪が鋭く尖り、今まで唐巣がいた空間を掻き毟る。
かろうじて初手をかわした唐巣が、逃げざま神通棍を真横に薙いだ。
タイミングは、ほぼ完璧。ハーディーのわき腹をその一撃が襲うが、神通棍は彼の左腕に阻まれる。
かなりの霊力を込めた一撃が装甲を抉ってはいたが、硬い岩でも殴ったような衝撃が唐巣の右手に返ってきた。
崩れた体勢からの一撃とは思えない威力に、ハーディーの左腕も痺れる。
「本当に疲れてるの? 底なしの体力だね」
ハーディーは抉られた箇所を霊力で再生し、痺れた左腕を振ってみる。骨には異常がないようだ。
「ちっ、予想以上にタフな兄ちゃんだ」
感心した口調とは裏腹に唐巣は目を鋭く細め、次の瞬間、流れるような動作で破魔札を投げつける。
投げつけられた札が、装甲に絡みつき起爆する。
札そのものの破壊力は魔装術に対してあまり期待できないが、その爆煙にまぎれ、最大出力の霊力を込めた神通棍の突きをハーディーに繰り出す。
その一撃を、寸でのところでハーディーは上体を横にずらしてかわすが、胸の装甲がかなりの範囲で削り取られていく。
抉られた胸をかばう事無く両手を頭の上で組み、そのまま唐巣の延髄に叩き込むが、それを察した彼は止まる事無く突っ込んでかわす。
それでも、ハーディーの両拳が背中をかすめ、服を破き、皮膚に裂傷を与え血が滲む。
二人は態勢を整え、再度対峙した。
ハーディーの装甲は再生を完了し、未だに本体は無傷。体力的にもかなり余裕がありそうだ。
一方、唐巣は体力も霊力も底の底を尽くのも時間の問題で、呼吸が激しく乱れている。
先ほどのダメージも決して浅くはない。
「はぁっ、はっ。なんで、呪術師が、こんなに、強いんだよ」
息も絶え絶えに、唐巣がぼやいた。
「味方は少ないが、敵だけは多い因果な商売をやってるからね。呪術だけじゃあ私自身はともかく、かわいい妹までは守りきれなかったからさ」
ハーディーは軽口をたたきながらも、隙を窺う。
「……ずいぶん、……気楽に話しているが、……そんな余裕が、あるのかい?」
唐巣がカマをかけつつ、少しでも呼吸を整えようとする。
その言葉の意味するところをわかりきっているように、怪しくハーディーは笑う。
「まあね、私の魔装は特別なのさっ!」
疲弊した唐巣に再度、ハーディーは襲い掛かった。
「おかしいわ。なぜあいつの魔装術が、あんなに持続してるの? せいぜい5,6分が限界のはずなのに」
すでに10数分以上続く二人の戦闘を見守るしかないジゼルが、全身の痛みに耐えつつ不審に思う。
すぐ横で同じように転がっているDrカオスが、苦々しげに答えた。
「嬢ちゃんも気づいたか? どうやらあやつは、ある意味で魔装術を完成させたみたいじゃの」
「完成?」
「そうじゃ。そもそも魔装術とは、己に内在する霊力を物質化し、装甲として体外に展開する術じゃ。しかし、霊力を体外に展開すれば肉体に宿る霊力が不足し、霊基構造が崩壊し始め、死に至る。そこで通常は肉体を魔物のそれに一時的に変える事により、霊力不足を補うわけだが。しかし、使用時間が長ければ長いほどに肉体は侵食され変化し、最終的には魔物に成り下がってしまうんじゃ。これが悪魔の術と呼ばれるゆえんじゃな」
「知ってるわよそれくらい。それに唐巣さんも、どうやらそのことは知っていそうよ? さっきから時間を稼ぐように防御にまわっているもの」
Drカオスは唐巣を一瞥し、言葉を続けた。
「つまりじゃ。肉体に不足する霊力を、どこかから補充することが出来れば、己を魔物に変える事無く魔装術を使い続けることが出来ると思わんか?」
面白くもなさそうなDrカオスの言葉に、はっとした表情を浮かべたジゼルが言う。
「――人工霊魂の使用」
「そうじゃ、己の波長と全く同じに調整した人工霊魂から霊力を供給させる。そうすれば霊基構造が拒否反応を起こすこともないしの。つまりは、一人の肉体に二つめの魂を宿らせることで、肉体の維持と魔装の展開を同時に行うことを可能にしたんじゃな。言うのは簡単じゃが、これはなかなかに難しいのう。あやつめ、これを完成させるまでにどれほどの犠牲を積み上げたとこやら。不死の術を研究する過程で生まれた副産物なんじゃろうが、たいしたものじゃ。まあ、あの若造に教えたところでどうなるでもなし、ここでおとなしく指をくわえて若造の勝利を願うしかあるまい。第一、ここからでは聞こえやせんしの」
犠牲者を少々哀れみつつも、静かにDrカオスは言った。
「……あいつの人工霊魂は無から生み出された物ではなく、人間の魂と融合させて生み出すと、この前言ってたわよね……私が言えた義理じゃないけど、あいつ、堕ちるとこまで堕ちたのね……」
Drカオスの言葉に、ジゼルは何を思ったか、少しだけ悲しそうに呟いた。
バチカンの資料がどうやら当てにならないことを悟った唐巣は内心、敬虔な修道者にあるまじき罵倒を繰り返していた。
魔装術唯一の欠点である持久戦を、どうやってかは知らないが、目の前の男は克服しているようだ。
であれば、持久戦に持ち込んだのは手痛いミスだった。
魔装術に意識と肉体を乗っ取られる、その最大の隙を突くという唐巣のプランがもろくも崩れ去る。
「くそったれ……調査が甘いよ。私の体力がもう持たない……」
しゃべれば咽喉の奥がくっつきそうになり、嘔吐感がこみ上げてくる。
水を一口でも飲みたかったが、前の男相手では叶わぬ相談だ。
唐巣には、力の続く限り攻めるしか、もう手は残されていない。
「しゃあ!」
残り少ない霊力を込めた唐巣の神通棍が、ハーディーの右肩を袈裟懸けに襲う。
しかし、速度も威力も最初に比べれば雲泥の差だった。
その一撃をハーディーは軽々受け止めると、無造作に神通棍をへし折る。
「そろそろ、限界だね」
折れた神通棍の残骸を投げ捨て、ハーディーは無慈悲に言い放つ。
唐巣に残されたのは精霊石一個と、残りかすの様な霊力と体力のみだった。
「はっ、はっ、……確かに限界だが、終わりじゃないさ。……まだ、私は生きてるからな……」
顔の筋肉が痙攣しそうだったが、無理やり笑い顔を作る。
「しぶといねっ!」
ハーディが決着をつけるべく霊波砲を打ち込むが、それを紙一重で唐巣がかわす。
攻撃をかわした唐巣からの反撃はなく、その場でふらふらと姿勢を崩す。
体勢の崩れた唐巣に、連続で霊波砲を繰り出すが、そのことごとくをかろうじてかわした。
「しつこい!」
全力で止めを刺しにいった攻撃を全てかわされ、苛ついたハーディーが一気に唐巣との間を詰める。
左右の抜き手を変幻自在の軌道で繰り出していくが、唐巣はおぼつかない足取りで服を引き裂かれ、皮膚を抉られながらもなんとかかわしていく。
夕焼けが異常な赤みを帯びた平原で、まるで天使と悪魔が踊り狂うに似た二人の姿だった。
「このままじゃ、唐巣さんが死んじゃうわね……」
その二人の姿に、大地に縛りつけられているジゼルが、恐ろしく静かに言った。
「その後は、わしじゃろーな」
ジゼルの変化に気づかないDrカオスが、冗談のように軽い口調で返す。
この老人も、唐巣と同様に未だに全てを諦めているわけではなさそうだ。
だが、今の彼女にはその言葉は耳に入ってはいなかった。
「……あいつ。……いえ、兄さんはこの世で唯一の肉親。ベリアルを押し付けて失踪したことも、心のどこかでは許すことが出来るかもしれないと思っていた。……でも、もう駄目ね。限界だわ。……これで終わりにしましょう……」
ジゼルは小さく呟いた。
全ての業を背負う覚悟を決めた者の、穏やかとさえいえる表情で。
ついにハーディーの拳が唐巣の鳩尾をとらえ、うめき声と共にその体が数メートル以上吹き飛ばされてしまう。
唐巣は苦痛を打ち消すようにごろごろと大地を転がり、その後懸命に立ち上がるが、その口からかなりの量の血がこぼれ落ちる。
これほどに喉が渇いているにもかかわらず、自分の血の味はひどく生臭く、今まで以上の渇きを覚えた。
血の塊を飛ばしつつ、半ば焦点が合わない目で唐巣は言う。
「……しょうがない、私も切り札を使おうか……」
「今さら何を? ハッタリかい? 自分から切り札を使うなんて宣言したら、勝負にはならないなぁ。……言っておくけど、最高級の精霊石なら魔装を削り、肉体にある程度のダメージを与えられるだろうけど、私に対する止めにはならないよ?」
ハーディーは勝利を確信しながらも、目の前の唐巣の姿に何故か嫌な予感がはしる。
その彼の悪寒などをよそに唐巣が答えた。
「……そんなこと、わかってるよ。……それに、ついさっき思いついた上に……命がけになりそうなんだよ……」
意識すら朦朧としているこの男に今さら何が出来るかは知らないが、しかし、危険であることはわかる。
自分を見据える唐巣の姿に、背筋が寒くなる。
何故、この男はここまでしぶといのか? ここまで戦うことに何の価値があるのか? 神に仕える人間とは皆こうなのか?
「狂信者め!」
悪寒を振り払うように、自らの手で決着をつけるべくハーディーが間合いを詰めようと飛び出す。
「――ドロックス・ムロックス・イーゼナロス――精霊石なる汝に命じる――我と一つに――」
唐巣の呼びかけに精霊石が反応し、普段の高貴な輝きからは想像もつかないほどに、暴虐な色を帯びて輝きだす。
それは、魔女の使う言霊であり、希石の力を引き出す異教の呪文であった。
極限まで引き出された聖霊石の力が全て、唐巣の中に吸い込まれていく。
「くそ! 相打ち覚悟か!」
すぐ傍まで距離を詰めていたハーディーが、唐巣の思惑に気がつき罵倒した。
本来なら広範囲に放出される石の力を、最大限にまで引き出して己の体に集約し、一方向に解放つ。
つまり、ジゼルが行った業の応用であり。これならば、魔装を貫きハーディー本体の霊力中枢を打ち抜ける。
事実、それに十分に足る霊力が唐巣の体に満ちている。
しかし、そんな大出力の霊波砲を練習も無しに、動き回る敵に当てることなど、立っているのもやっとの唐巣では不可能に近い。
だからこそ、ハーディーが自分に止めを刺した瞬間を狙う、相打ち覚悟の一撃だった。
その覚悟にハーディーは戦慄を覚えた。
こいつは確実に狂っている。
「うわあぁぁっ!!」
ハーディが絶叫もろとも抜き手を繰り出す。狙うは唐巣の心臓。
自分の霊力中枢が破壊されても死ぬわけではない、この戦いは最後に生きていれば勝ちなのだ。
ともかく、この狂った男を今この場で殺さなければいけない。
こいつは危険すぎる。
自分が真に恐れるべきはDrカオスではなく、この日本人だったのだ。
人間に対して、初めて恐怖を覚えたハーディーがあげた絶叫だった。
「――父と子と聖霊の御名のもと、聖霊石の力を統べ、唐巣和宏が命じる――」
ハーディーの戦慄になどかまう事無く、無心で霊力を集中する唐巣。
心身ともに極度に疲労している為か、それとも別の作用が働いている為なのか、今の唐巣に恐怖も迷いもない。
この一撃が今の自分に出来る最高のものであるという確信と、何故か沸き起こる充足感に彼の心は満たされていた。
唐巣は限りなく透明な表情をその顔に浮かべた。
そして、二人に決着がつくと思われた瞬間に上がったのは、唐巣でもハーディーでもない、ジゼルとベリアルの叫び。
「ベリアル!! 冥約条項、第2条13項を実行せよ!!」
「我ニ! 13秒ノ自由ヲ!!」
大地にへばりつくになったままのジゼルの命令に、同じく束縛結界に囚われているベリアルの体が一瞬で変化する。
黒くずんぐりとした低級悪魔から、鋭い爪と黒光りする甲殻を持ち、とてつもない霊力を漲らせた体長2メートルは越す禍々しい姿へと。
今まさに唐巣と相打という時、後方からベリアルの異常な霊力の変化を感じ取り、振り向きざまハーディーが叫ぶ。
「バカが! なんてことをする!!」
振り返ったハーディーのすぐ目の前には、束縛結界をいとも簡単に破り、いやらしく笑うベリアル。
「くっそおおおお!!」
実の妹による容赦無い行為に、ハーディーの頭に血が上る。ここまでジゼルが手向かうとは思っても見なかったのだろう。
唐巣からベリアルに攻撃対象を変えたハーディーの一撃は、悪魔の右肩を抉るが、致命傷には程遠かった。
「キキキ! ワンテンポ遅れたな! あばよ、ハーディー」
ベリアルの鋭い爪が、いとも簡単に魔装術ごと彼の左肺を貫き、霊体すらもこなごなに打ち砕く。
「ハーディー!!」
ロベルタの悲痛な叫びが轟くが、彼はその体を貫かれたまま動かない。
そして、ハーディーの魔装術と彼による束縛結界が唐突に解除された。
「あああああっっっ!!」
結界が解かれ、体の自由がもどった事の意味を理解し、激情に駆られた人造人間がベリアルに襲い掛かった。
「俺は忙しいんだよ」
ベリアルは言い捨てると、右手に貫いている遺体を、自分に向かってくるロベルタに無造作に投げつける。
ロベルタは投げつけられた遺体を優しく抱きかかえようとするが、予想外の力を込められていた為、遺体共々石柱まで吹き飛ばされた。
しかし、それでも遺体に衝撃が少ないようにと、自分の機体をクッションにする。
二人の打ち付けられた石柱は砕け、ロベルタの体は半ば圧解した。
唐巣の目は、突然の成り行きに見開かれたまま。
まったく現状を理解できない。
ベリアルが解放され、ハーディーが死んだ。
それだけのことだが、心が理解することを拒絶する。
ただ、目の前の事態が他人事のようにしか感じられず、その場に立ち尽くすのだった。
自由を得る千載一遇のチャンスとばかりに、呪縛から解放されたベリアルがすぐさま、マスターであるジゼルに襲い掛かろうとする。
「さあ、まだ7秒近くある。ハーディが地獄でまってるぜぇ? ジゼル!!」
「……そうね、兄妹喧嘩は地獄でするわ……」
疲れ果てた声を出し、ジゼルが言った。
彼女のその声に、呆然としていた唐巣の肉体と精神が反応し、先ほどまで己の肉体に溜めていた霊力をベリアルに放とうとする。
ベリアルは今背を向けているが、移動している為狙いが定まらない。
「一瞬でも良い、止まれ!! ――神よ!!」
祈りを込めた唐巣の叫びが届いたか、突如ベリアルの側頭部が爆発し、その動きが止まった。
「キィッ!?」
突然のことにベリアルが混乱する。ベリアルが右方向を見ると、マリアの転がっていた左腕の指ががっしりと大地を掴み、せり出した銃口から硝煙が上がっていた。
「どうじゃ? 聖霊石弾頭弾の味は?」
いつの間にか、マリアの傍らに立っていたDrカオスが不敵に笑った。
それを見たベリアルが何か罵ろうとするが、しかし。
「――汝、『無価値なる者』ベリアルなれば、汝にふさわしき場所に立ち退け!!」
「――!!」
「アーメンッ!!」
少しでも命中精度を上げるべく、間合いを詰めていた唐巣の一撃が不意を突き命中した。
「キイイ!!」
ベリアルの左半身が吹き飛ばされ、無念の叫びを上げてその場に崩れ落ちる。
残念ながら、致命傷にまでは至ってないらしく、リミットがきれると同時にいつもの低級悪魔に戻ってしまった。
そして、気絶しているベリアルと、石柱の残骸に埋まり動かないハーディーとロベルタを見た唐巣が全てが終わったことを確認し、ゆっくりとジゼルに向かって歩いていく。
その足取りは見るからに重く、全てに絶望しこの世を儚んだ世捨て人の様でもあったが、顔には怒りと悲しみが同居していた。
横たわったまま虚ろなジゼルに、無言で肩を貸し、立ち上がらせようとする。
唐巣は何も喋らない。
言うべき言葉が見つからない。
何とかジゼルを立ち上がらせたとき、瓦礫が崩れる音がした。
音のする方向にはロベルタとハーディーの遺体があり、全員に緊張が走る。
見れば、ハーディーの髪の毛をゆっくりとぎこちなくかきあげるロベルタの姿。
その動作は緩慢で、ひどく疲れ果てているようであり、悲しみの彫像のようでもあった。
ただ無言で、愛しい遺体の髪から顔に、指を伝わらせている。
それを見つめる一同にも声はない。
しばらくの間、無心でそれを繰り返していたロベルタの指が不意に止まり、唐巣等を見た。
その仕草にDrカオスが声を上げる。
「いかん! 下がれ若造!」
Drカオスの声に反応するように、ロベルタが悲しく笑い、何か呟いた。
そして、それと同時にハーディーとロベルタは紅蓮の炎に包まれたのだった。
全てを焼き尽くし、融解させるほどに強力な炎が、日の落ちた平原を夜空共々赤々と焦がしていく。
その炎は、不謹慎ながらも美しかった。
「自己消滅用のナパームを使いおったか……」
Drカオスは目的を達する事が出来なかった悔しさを滲ませながらも、自分等の鏡像でもある二人の火葬に、柄にもなく祈りを手向けると、唐巣とジゼルに振り返った。
「さて。それでは、わしらはこの辺で退散させてもらうぞ。マリアの修理をしなければならんでの。目的が達成できなんだのが本当に口惜しいが、まあそれでも、久々に面白かったから良しとするか。そうそう、ベリアルに関してはこのヨーロッパの魔王に任しておけ、修理が済み次第こちらから連絡を取るからの。それじゃあ嬢ちゃんに若造、近いうちにまた会おうぞ。若造のほうは特にな」
にんまりと下心が見え隠れするようなDrカオスの笑い顔に、唐巣は気味悪がりながらも軽く手を振った。
「グッバイ・ミスター唐巣。ミスジゼル」
マリアがかすかに笑ったように言うと、Drカオスの掛け声と共に二人の不死者は空へと飛び立っていった。
ジゼルは放心した表情のまま唐巣に寄りかかり、その二人をぼんやりと見送った。
仕方ないとはいえ、実の兄を手にかけてしまった後悔に、打ちひしがれているのだろう。
正面の炎を見据えたまま、問い詰めるでもなく、責めるでもない口調で唐巣が静かに聞いた。
「何故あの時、ベリアルを解放したんだ。君は、本来のベリアルがあそこまで強力な悪魔と知っていたのだろう?」
その問いに、ジゼルは視線を落とし、淡々と答えた。
「兄さんはベリアルを押し付けるまでは、私の面倒を見てくれていたわ。けれど、それはきっと、唯一の肉親としてのしがらみがあったせいでしょうね。私個人の存在を、人格を認めていたわけじゃなく、妹という符号としてしか認識していなかった人だから。でも、唐巣さんは違った。赤の他人である私を無償で助けてくれたわ。お金も、体も、なんの見返りも要求せずに一人の人間として私に接してくれた……嬉しかった……。私は今まで誰からも疎まれていて、避けられて、それが当たり前だと思っていたし、別につらくも無かったけれど、でも、ああ、これが一人の人間として接してもらうことなんだっていうのを初めて味わって、内心すごく嬉しかった。言わなかったけど、他人とまともな会話をしたのって唐巣さんがほとんど初めてで、からかったりして悪かったけど楽しかった。だから、そんな唐巣さんに死んでほしくないと思ったわ。ただそれだけの理由よ……」
そして、その結果が実の兄の死であるという事実に、唐巣の胸はひどく痛んだ。
自責と、ジゼルへの憐憫に言葉が出てこない。
「そうか……」
会話は途切れ、二人は静かにそれぞれの思いに沈んでいった。
ジゼルがしばらく炎に見入っていると、その燃え盛る音の中に唐巣の呟きが聞こえ、ゆっくりと彼の横顔を見る。
唐巣の顔は炎に照らされ、いつもより慈悲深く見え、より深く思いに沈んでいるようにも見えた。
ジゼルの問いかける視線に気がつき、唐巣が寂しそうに先ほど呟いた言葉を繰り返した。
「然(しか)あれかし、さ」
発音からすれば日本語のようだが、聞いたこともない言葉にジゼルの眉が寄る。
その仕草に、唐巣が続けた。
「ああ。……『然あれかし』受難に満ちた運命の中でも己を見失わずに、そうなりますようにと願うこと……つまりは、『アーメン』って事さ……」
その祈りの言葉に、ジゼルは何かをかみ締めるように無言のまま俯いた。
そして、長い沈黙の後、唐突にジゼルが切り出した。
何かを振り払うように、少しだけおどけた口調で。
「ねえ、この後唐巣さんはどうするの?」
その言葉に、とりあえずは全てが終わったことを今さらながらに実感し、忘れていたことを思い出したように唐巣が答えた。
「そうだな、とりあえずはバチカンに報告に行かなくちゃならないが、その後はどうするかな? ベリアルについてはバチカンかDrカオスが何とかしてくれるだろうが、完全に片付いたわけではないし。……もっとも、先に君のリハビリを手伝わなければいけないね。ふむ……」
ゆっくりと、さも重大な懸案であると言わんばかりに、やや大げさに考え込んだ。
そして、唐巣はジゼルとベリアルを交互に見やり、久しぶりに皮肉でからかうような笑みを浮かべて続けた。
「もう少しだけ、天使と戯れ悪魔と踊るさ」
彼と彼女の若き苦悩をやさしく包み込んだ炎は、朝が夜を侵し始めるまで燃え続けたのだった。
了
最後までお付き合いいただいた方、チラッとでも目を通していただいた方に、心から感謝いたします。
今回の投稿では色々と勉強になりましたので、この教訓を次に生かせるようにしていきたいと思っております。
|д゚).oO……最後の台詞を唐巣さんに言わせたい為に無謀にもはじめたお話が、とりあえず終わってほんとよかった(爆)
最後にもう一度、拙作を読んでいただいた方々に、心から『ありがとうございました』
コメント返し
>NAVAさん。
うーん、戦闘中のチラリズムまでには気が回りませんでした。やはりまだまだ修行が足りないようです(笑)
いつか、耽美な戦いが描写できるように精進していく所存です(爆)
てことで、自分の中で勝手にエミさんの師匠なんだとでっち上げておいて、その出会いは書かずにこのお話は終わりますが、きっとこのあとジゼルはエミさんと出会い、そして……(謎) (矢塚)
というわけで、今回は真面目モードでコメントします。
途中で崩れたら、私の意志の弱さを笑ってやってください(ぇ
対ハーディー戦、唐巣はハーディーを戦慄させるほどにまで追い詰めて男を見せ、ジゼルはハーディーを自ら倒すことで(厳密にはベリアルですが)女を見せた。
ただし、ジゼルのソレは結局兄妹喧嘩に嫌気が差しただけの行動のように見えました。
しかし唐巣はそれを許さない。カオスもそれを認めない。
彼らの行動はジゼルの自棄を停止させましたが、それで物語を終らせることなく、今後も彼らの物語は続いていく。そんな綺麗な終り方だと思いました。
ただ、ひとつだけ残念だと思ったのが、ハーディーとロベルタの狂愛がいまいち足りなかったような気がしました。
ふたりの愛の形が歪んでいながらも、強烈なものであることは分かりました。
それが発露するシーンをもうちょっと克明に、多めにしても良かったんじゃないかと思います。
ごめん。もう真面目モードは限界が近い。(はぁと)
難癖つけておいて何だけど、つまりは面白かったです。
私は全編を通しての、詳細な状況設定に引き込まれました。
地名ひとつ出すにしても、世界地図見ながら書いたんだろうかと思わされました。
私なんて、某国某所のひと言で済ませそうなところまでです。
細かいところですが、その辺りに矢塚さんの拘りを感じました。
そして、そういう拘りが、話にリアリティを持たせるものだと実感しました。
今後の自分のお話にそれを反映させれたら良いなぁと見本にします。
GTYとは違って、字数制限の無いこの投稿広場。
ここだからこそ、出来たことなのでしょう。
しかし、そうであるからこそ、ひとつのお話――――小説としての完成度が非常に高いものであると思います。
今後も、矢塚さんの執筆活動に期待しております。
(NAVA)
毎回のコメントに対し、感謝してもしきれないほどです。ほんとうにありがとうございます。
私の貴方への愛は不変です(はぁと)
てことで、物語の終わりについては当初から、人生のワンエピソードを切り取った形にしようと決めていた為、このような「一区切りはついたけど、まだまだ悩むし終わる事がないんだよ、人生ってそういうもんでしょう」的なものにしました。人生の葛藤に終わりなどないのでしょうからw
ハーディーとロベルタについては、やはりその大元となる愛の描写不足はご指摘のとおりですね。自分がジゼルの描写に傾倒しているなあという意識が働いていた為、オリキャラに感情移入しちゃいかんよという抑制が働き、抑えた表現にしたのがまずかったですね。(言い訳w)書くべきは書く! 今後の課題です。
状況描写はそのとおり。地図とネットに首っ引きでした(爆)
最後にもう一度。NAVAさん、ありがとうございました。
追伸:コメント、もしくは評価のボタン押しのみなども随時大歓迎です。お気軽にどうぞ(←あつかましいw) (矢塚)
いや、このお話すっごく好きなんですよ。何と言うか・・・・・・・・・・格好よくて格好よくて格好よくて(笑)
今までコメントしなかったのは単に私の怠慢ですね。コメントをするのは義務じゃないのですけれど、こんな良いお話にコメントしなかったのは怠慢としか言えません。
NAVAさんも仰っておられましたが、このお話は原作のGSの中のリアリティが良く表現されているお話だと思います。勿論フィクションなのですから、リアリティを追及する必要性は低いとも言えるのですが、それでも手を抜かずにここまでの大作をお書きになった矢塚さんには、もう脱帽するどころか全裸に(ぉ
それにしても本当に登場キャラの格好良いお話でした。特に唐巣神父、もう最高です(^^)
彼が今回出会ったジゼルとベリアル、天使と悪魔。
最後のセリフは、まだまだこの物語は終わらない・・・そんな気持ちどころか、もし唐巣とジゼルとベリアルのお話が一応の終焉を迎えたとしても、唐巣神父はまだまだ彼にとっての天使と悪魔に出会っていくんじゃないだろうか・・・そんな先の見えない彼の物語がずっと続いていくような気持ちになってしまいました。
長々と大した事の無いコメントを続けてしまいましたが、このお話を読ませて下さった矢塚さんにただただ感謝です。
私も、矢塚さんの今後の執筆活動に大いに期待させて頂きます。 (志狗)
コメントをいただきまして感謝の念に絶えません。本当にありがとうございます。怠惰だなんて滅相もないですよ(^^
志狗さんの裸を想像すると、今夜は眠れそうもないわ♪(らぶ)
てな事をいいつつも、コメント返しをばw
お話の前半で、周囲に流されて流されて自分を主張できなたった唐巣さんが、後半で主導権を取り戻し、主張し、活躍するあたりにカッコいいものがあるんじゃないかと始めたお話であり、その辺が拙作な文ながらもお伝えする事が出来たようでほっと安心しておりますw
これからもきっと、何度も何度もけつまずいてスッ転んで、その度に立ち上がっていくであろう彼らに終わりはないのでしょう。
人生に、運命に挫けず、諦めない事こそが格好良いのだと思います。
志狗さん、このお話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
追伸:NAVAさんへのコメント返しの補足にもなってしまいますが、リアリティについて。
このお話は、原作であるGS美神の二次創作ということでして、ぶっちゃけ大ボラと妄想の塊なんです(爆)
ですから、いかにしてこの嘘をつき通すかと考えた時、徹底的にリアリティを出してその中に大ボラを紛れ込まそうとしたわけなんです。これは、ここに限らず私の書くGTYの投稿にも通じています。(今回は外国の空気をうまく出すことが出来ず、私のリサーチ不足がまざまざとでてしまいましたが。←ダメ)
ファンフィクションだからこそ、原作を大事にしたいというのが私のスタンスです。ですから、作中に原作にあったシーンをわざと再現するというのも結構使いますね。読んでいていて、ああそういやこんなシーン原作にあったよな、と思い出していただければ結構うれしかったりします(笑) (矢塚)
・・・というわけで、一気に読ませていただき、その余韻に浸りながら感想を書かせていただいております(^^;
外国の匂いがまず一番最初に感じられましたね。矢塚さんの風景描写ってGTYでも五本の指に入るくらいの実力なんですが、具体的な地名なども登場し、更なるリアリティが感じ取れました。
なんといいますか、そういった細やかな表現に矢塚さんのこの作品に対するこだわりが反映されていたと思います。
この作品は「GS美神 極楽大作戦!!」の二次創作でありますが、私には「GS美神'78!!」の二次創作に思えました。
かっこいい唐巣神父、渋い唐巣神父、熱血漢の唐巣神父・・・。まさにそれだったのではないでしょうか。
その雰囲気がすごく大事にされていて、更に「GS美神'78!!」では、やや中途半端なままで終わってしまった唐巣神父のGSとしてのアイデンティティが見つめなおされ、見事な補完に成功されているとも思えます。
内容は・・・、なるほど、いつだったかNAVAさんが頭を抱えていたのもうなずけるような感じですね(^^;
唐巣神父の苦悩と、禁忌的な人工霊魂の二つのタイトルが主戦であるように思えましたが、それがいつか結びつくのかと思いきや、そのまま平行線を辿って各々別のゴールに到達しましたね。
まあ、そっちの方が明快でよかったのかもしれませんね。
オリキャラのジゼルさんは、また不思議な魅力がありましたね。
190cmを越す長身にあまり美人とは言えない風貌で、男性的なキャラなのかと思いきや意外と女性的な面も多くて、ヴィジュアル的に想像しづらかったです(笑)
最後の文で、題名の「天使」と「悪魔」が誰なのかが露見されていましたが、私にはもっと深くて、また違う誰かを指している様にも思えました。
横島クンが大活躍する話が多い中、原作を大事にするという矢塚さんの姿勢、そしてこの作品は私にとって一服の清涼剤となりました。
最初の方は誤字とか多かったですが、矢塚さんの目指されていた小説という形式は見事に達成されていたと思います。
今後「若かりし頃の唐巣神父の作品」と言えば、まず間違いなくこの「天使と戯れ悪魔と踊れ」の名前が挙がることになると思います。
完結おつかれさまでした。
Maria's Crisis (マリクラ)
拙作にコメントをいただきまして、心より感謝を。ありがとうございます。
お褒めの言葉をいただいてしまい恐縮しております。
ベリアル曰く、世界的遺産といえどもただの石にしか見えないそうです(笑)
内容について、最終的に、永遠の命についてはその是非を避けました。
肯定は、いかに唐巣が破門されたとはいえ敬虔な教徒であり、まずありえないでしょうし、物語がバチカンの地下で止まってしまう。
否定してしまえば、Drカオス等との妙な連帯感がなくなり、彼の人間としての面白みが消えてしまう。
教会を破門され、それでも心は神と共にあり、しかもDrカオスらの存在を黙認してしまうような、大らかな性格が彼の持ち味だと思うものですからw
ですんでまあ、永遠の命については、唐巣がこの物語に巻き込まれるための、一因でしかなかったというわけで、面白みにかけてしまう結果になってしまいました。
オリキャラはあんまり出したくなかったんですが、ベリアルを出す為には年代的にエミ以外のマスターが必要となり、しぶしぶ出した彼女でした。
ですんで、読み手の方が想像しにくいようにしたのはナイショの話ですw でも、書いてる本人は大好きな女性だったりしますが(爆)
|д゚).oO……いつかどっかで、ジゼルのデザインをハーディーの魔装術共々出そうかしら? コッソリと(笑)
誤字については……ごめんなさい! 弁解の余地無しです! 嗚呼、恐るべし自動変換機能(←責任逃れ)
最後にもう一度。今回の投稿に対し、過分なるご評価とコメントをいただきましたことを心から感謝いたします。ありがとうございました。 (矢塚)
感想は……色々ありすぎて言い表しきれないくらいなのですが端的に一言で述べるなら「すごい」としか言いようがありません。
まず、みなさんも仰るように文章のリアリティ……フィクションを有無も言わさず読者に納得させる説得力、これに感歎しました。
緻密な描写と正確な情報には、この作品にかける矢塚さんの意気込みを感じるとともに、話を大切に大切に紡いでいるということが実感させられます。
特にバチカンの司教の食えない様子や、ストーンヘンジ至るまでの道程描写が印象的でした。
そして、それら珠玉の文章たちによって語られる濃厚なストーリー。
多彩なオリキャラを不自然なく操り、唐巣の心内を語り、カオスを唸らせる多彩な展開には舌を巻きます。
満を持してロベルタが登場したシーンなんかでは、ついつい拳を握り締めてしまうほどアツくなりました。
前編を通して、各キャラ達の動きが読者の期待に違わず余すところ無く描写されていて、「大事にされている」感じだったのが個人的に嬉しかったです。
私もカッコイイ唐巣神父とかシブいDrカオスが法外に好きな方なのですが、それでも押しの強い人物に翻弄される常識的人的な唐巣神父や、「えっ?」などと(この一言がサイコーでした)とぼけた様子をみせるカオスから原作に通じるものを見つけられて、どこか地に足がついたような安堵感を感じてしまいます。
これは私の原作を大切にしたいという想いが、矢塚さんのそれと共通するものがあるからかもしれませんね(//w//)
なんだか自分でも大変偉そうに評価してしまっているような気がしてドキドキなのですが(汗)
最後に…………やっぱり、マリアについて。
普段から感興をほとんど表に出すことが無い矢塚さんのマリアは、だからこそちょっとした時の表情やセリフの変化が大変魅力的に感じました。
ロベルタとの対比や人格構成理論も大変興味深かったです。あと、仕込まれた武器の名前も……カナ(笑)
願わくば、マリアとカオスに、その鏡像たちと同じような受難の訪れぬことを(祈)
ところで。
バチカンとの約束、カオスの安請け合い、18年契約、霊体撃滅波など、
ベリアル関係のキーワードが色々と出揃っており、これらはこの後語られるであろう『エミvsベリアル』の伏線に思われて仕方がないのです。
この先を勝手に色々と妄想しつつ、続編に思いを馳せるところなのですが、実際のところ執筆のご予定は………?
………。
そうですか、そうですね┃━┏┃←(謎)
ともあれ、矢塚さんの今後の活動も、いちファンとして猛烈に応援していきたい所存ですっっ! (斑駒)
斑駒さんへ。
お読みいただいただけでなく、わざわざコメントまで入れていただき、本当にありがとうございます。
続きについては、あの、その、そうですね……┃━┏┃(謎返し)
原作に対して、私以上に熱い思いと愛を抱いていらっしゃる斑駒さんに共感していただけたようで、嬉しい限りです(^^
私と同志である(←勝手にw)斑駒さんから、お話の雰囲気が地に足が着いていると仰っていただき、胸を撫で下ろしております。
二次創作として一つのお話を思いついたときに、『GS美神』という原典をよくよく観れば、大概のキャラクターや小道具、世界設定はすべてそろっており、後はそれをどうやって繰り出すかだけで済んでしまうんですよね。それほどまでに、原典は世界の奥行きが広く魅力溢れる漫画であり、だからこそ私は愛してやまないのだと思います。
斑駒さんに次いでマリアを愛している私としては、彼女をもっと活躍させたかった、もっと魅力的に書きたかったという思いと、あくまでも主役は唐巣であるという思いの板ばさみで、苦悩の日々でした(笑)
だから、最後のパートでは出来うるだけ恰好よく、麗しく活躍させようと決意しておりましたw
ロベルタとハーディーは、完全にDrカオスとマリアの鏡像であり、アンチテーゼとして登場させました。自らの鏡像を殺し、しかし、それでも前進する二人の前途に幸多かれ。
レディ・ガンのレディはReadyでして、銃の用意良し! 程度の意味合いでした。紛らわしかったですね(笑)
最後に、望外のご評価とコメントをいただきましたことに、改めて感謝いたします。ありがとうございました。 (矢塚)
さて、全編を通してまず感じたのは、『リアルさ』ですね。これに尽きます。節々は、上で素晴らしいコメントをなされている方々に譲りますが(笑)。とにかく素晴らしいです。
そして、この作品の魅力の一つに、自然で人間的な動きをするオリジナルキャラ達もまた挙げられると思います。――『狂愛』を背負い、悪魔という『業』を背負わされたジゼル嬢。――そして、ロベルタ&ハーディーの背反者コンビ。どちらも人間として完成されたキャラでありながら、それでいて『極楽』のキャラとしても自然な行動を取り、泣いて、笑って、怒ってくれました…… ただ端的に、素晴らしいです。この言葉を述べてばかりのような気がしますが(笑)。
フチさんの仰っていた続編、私も期待してますぜ? (ロックンロール)
拙作にコメントを頂戴しました事を、心より感謝いたします。ありがとうございました。
コメント返しが遅くなってしまい、大変失礼致しました。
オリジナルキャラが、違和感無く極楽の世界に(変な表現ですがw)馴染んでいたようでして、原作のイメージから逸脱しすぎたキャラクターが暴れ回る事無く、主人公である唐巣らを引き立ててくれたようで一安心しております。
本当に、オリジナルキャラクターって扱いが難しいと実感しました(笑)
|д゚).oO……もしかして、もしかすると、ベリアルを絡めて全然別の、はるか未来のお話があるかもしれないと思ったり思わなかったり(謎笑)
最後に、コメントを頂戴しました事をここに改めて感謝いたします。ありがとうございました。
ps:多くの方に、最終回より長いかもしれないコメントの数々をいただけた私は果報者です。
皆さんに心より感謝を!! (矢塚)
あああ、面白かった!!さすが矢塚さん文章もネタも上手く作品の中に引き込まれました!!
途中まではハーディーに対して「妹にひでぇことするなぁ・・・」と怒りを覚えていたはずなのに、
最後の「ハーディーの髪の毛をゆっくりとぎこちなくかきあげるロベルタ」
というシーンで涙を禁じえません。
この二人にも「正義」、「信念」、「愛」がありそれを最後まで貫いていたからでしょう。
ジゼルをはじめとしたオリキャラもみんな魅力的でGSの世界に違和感なく溶け込んでいました。
矢塚さんの手腕には脱帽です!!これからもこのような力作の投稿期待しています、本当にお疲れ様でした♪
最後に・・・、唐巣神父格好いい!!! (ユタ)
コメントをいただきまして、ありがとうございます。
今頃も何も、この少々長めのお話を最後まで読んで頂いたうえに、コメントまでいれていただきまして感謝の念にたえません。
ハーディーとロベルタについては、絶対の信念とでも言うべきものを持って行動していて欲しかったという願いがあり、それが稚拙ながらも表現できていたようで胸を撫で下ろしております(笑)
とはいえど、やはり二人の関係の描写不足はかなりの部分で目立ちますね。
これからの私の課題です。
|д゚).oO……唐巣さんがかっこよく書けていたようで、一安心です(笑)
最後にもう一度、ユタさんありがとうございました。 (矢塚)
ラストバトルが手に汗握る展開でドキドキでした。
解放ベリアルはやっぱり出てくるんですね。
何かカオスとマリアが最後においしいとこ持って行っちゃった気がしますが。
結局最後まで理解し合えなかった兄妹が哀れを誘いますね。
面白い作品をありがとうございました。 (U. Woodfield)
コメントと望外のご評価を頂きまして、誠にありがとうございます。
原作の開放ベリアル君は、私の中ではかなりのお気に入りでしてどうしても出したかったのと、いかに二次創作とはいえども、唐巣等に殺人という罪を負わせるのが辛かった為、ベリアル君に肩代わりしてもらったという私のわがままそのものでした(^^;
カオスとマリア嬢はピンポイントの活躍でしたので、私としてはもっと活躍させたかったなぁと思っていたのですが、意外と目立っていたようで嬉しいような、唐巣さんに申し訳ないような(笑)
最後にもう一度、このお話に最後までお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。 (矢塚)