日本海軍

大和田 建樹 作詞
小山 作之助 作曲


四面海もて囲まれし我が「敷島」の「秋津州」
外なる敵を防ぐには陸に砲台海に船
屍を波に沈めても引かぬ忠義のますらおが
守る心の甲鉄艦いかでたやすく破られん
名は様々に分かれても建つる勲は「富士」の嶺の
雪に輝く「朝日」かげ「扶桑」の空を照らすなり
君の御稜威の「厳島」「高千穂」「高雄」「高砂」と
あおぐ心に比べては「新高」山もなお低し
「大和」魂ひと筋に国に心を「筑波」山
「千歳」に残す芳名は「吉野」の花もよそならず
「千代田」の城の千代かけて色も「常盤」の「松島」は
雪にも枯れぬ「橋立」の松もろともに頼もしや
海国男子が「海門」を守る心の「赤城」山
「天城」「葛城」「摩耶」「笠置」浮かべて安しわが国は
「浪速」の梅の芳しく「龍田」の紅葉美しく
なおも「和泉」の潔き誉は「八島」の外までも
「朧」月夜は「春日」なる「三笠」の山にさしいでて
「曙」降りし「春雨」の霽るる嬉しき朝心地
「朝霧」はれて「朝潮」のみちくる「音羽」「須磨」「明石」
忘るなかかる風景もよそに優れしわが国を
十一事ある時は武士の身も「不知火」の「筑紫」潟
尽くせや共に「千早」ぶる神の護りのわが国に
十二「吾妻」に広き「武野」も「宮古」となりて榮ゆく
わが「日進」の君が代は「白雲」蹴つる「天龍」か
十三大空高く舞い翔る「隼」「小鷹」「速鳥」の
迅き風に掃われて散る「薄雲」は跡もなし
十四なる「雷」も「電」ひと「村雨」の間にて
「東雲」霽るる「叢雲」に交る「浅間」の朝煙
十五今も「霞」の「八雲」たつ「出雲」「八重山」「比叡」「愛宕」
「磐手」「磐城」「鳥海」山これより堅きわが海軍
十六「対馬」「金剛」「宇治」「初瀬」みなわが歴史のあるところ
「豊橋」かけて「大島」に渡る利器こそこの船よ
十七敵艦近く現われば「陽炎」よりも速やかに
水雷艇を突き入れてただ「夕霧」と砕くべし
十八「暁」さむき山颪「漣」たてて「福龍」の
群がる敵をしりぞけん勲はすべてわれにあり
十九護れや日本帝国を万々歳の後までも
「鎮遠」「済遠」「平遠」艦「鎮東」「鎮西」「鎮南」艦
二十輝く国旗をさし立てて海外万里の外までも
進めや「鎮北」「鎮中」艦進めや「鎮辺」「操江」艦

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谷山 重亮(sat@kcn.ne.jp)