大和田 建樹 作詞
小山 作之助 作曲
一 | 四面海もて囲まれし | 我が「敷島」の「秋津州」 |
---|---|---|
外なる敵を防ぐには | 陸に砲台海に船 | |
二 | 屍を波に沈めても | 引かぬ忠義のますらおが |
守る心の甲鉄艦 | いかでたやすく破られん | |
三 | 名は様々に分かれても | 建つる勲は「富士」の嶺の |
雪に輝く「朝日」かげ | 「扶桑」の空を照らすなり | |
四 | 君の御稜威の「厳島」 | 「高千穂」「高雄」「高砂」と |
あおぐ心に比べては | 「新高」山もなお低し | |
五 | 「大和」魂ひと筋に | 国に心を「筑波」山 |
「千歳」に残す芳名は | 「吉野」の花もよそならず | |
六 | 「千代田」の城の千代かけて | 色も「常盤」の「松島」は |
雪にも枯れぬ「橋立」の | 松もろともに頼もしや | |
七 | 海国男子が「海門」を | 守る心の「赤城」山 |
「天城」「葛城」「摩耶」「笠置」 | 浮かべて安しわが国は | |
八 | 「浪速」の梅の芳しく | 「龍田」の紅葉美しく |
なおも「和泉」の潔き | 誉は「八島」の外までも | |
九 | 「朧」月夜は「春日」なる | 「三笠」の山にさしいでて |
「曙」降りし「春雨」の | 霽るる嬉しき朝心地 | |
十 | 「朝霧」はれて「朝潮」の | みちくる「音羽」「須磨」「明石」 |
忘るなかかる風景も | よそに優れしわが国を | |
十一 | 事ある時は武士の | 身も「不知火」の「筑紫」潟 |
尽くせや共に「千早」ぶる | 神の護りのわが国に | |
十二 | 「吾妻」に広き「武野」も | 「宮古」となりて榮ゆく |
わが「日進」の君が代は | 「白雲」蹴つる「天龍」か | |
十三 | 大空高く舞い翔る | 「隼」「小鷹」「速鳥」の |
迅き風に掃われて | 散る「薄雲」は跡もなし | |
十四 | なる「雷」も「電」 | ひと「村雨」の間にて |
「東雲」霽るる「叢雲」に | 交る「浅間」の朝煙 | |
十五 | 今も「霞」の「八雲」たつ | 「出雲」「八重山」「比叡」「愛宕」 |
「磐手」「磐城」「鳥海」山 | これより堅きわが海軍 | |
十六 | 「対馬」「金剛」「宇治」「初瀬」 | みなわが歴史のあるところ |
「豊橋」かけて「大島」に | 渡る利器こそこの船よ | |
十七 | 敵艦近く現われば | 「陽炎」よりも速やかに |
水雷艇を突き入れて | ただ「夕霧」と砕くべし | |
十八 | 「暁」さむき山颪 | 「漣」たてて「福龍」の |
群がる敵をしりぞけん | 勲はすべてわれにあり | |
十九 | 護れや日本帝国を | 万々歳の後までも |
「鎮遠」「済遠」「平遠」艦 | 「鎮東」「鎮西」「鎮南」艦 | |
二十 | 輝く国旗をさし立てて | 海外万里の外までも |
進めや「鎮北」「鎮中」艦 | 進めや「鎮辺」「操江」艦 |
谷山 重亮(sat@kcn.ne.jp)