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体育試みの教材「フライングディスクを使って」 


奈良県平群町平群北小学校/森口 玲

小学校体育のボール運動の進歩型としてフライングディスクを使ったゲーム「アルティメット」を取り入れた。
これによりボール運動の中で大切と考えられる「場の意識」をより意識する事ができる。



FD(フライングディスク)のゲーム「アルティメット」を教材にする意義

FDを使った「究極の」という意味のゲーム。味方同士パスをつなぎ、相手にとられたり、パスのミスをしないで相手の陣地にいる味方にFDがわたると得点となる。パスが通らなかったり、アウトオブバーンズになったり、相手にパスをカット・インターセプトされたりすると攻守がその場所で交代する。アメリカンフットボールに似たゲームである。ただし、次の制限がある。
○ディスクを持ったものは移動することを禁止されている
○ディフェンスの選手はディスクを持ったオフェンスの選手にさわることはできない。オフェンスがディスクをのばしした距離は離れなければならない。
○オフェンスの選手に対してディフェンスは一人しかつくことができない。マン・トゥ・マンディフェンスのみである。これはディスクを持った選手だけでなく、パスの受け手も含め、オフェンス全体について有効である。
○審判は存在せず、セルフジャッジが基本。

これらのことから小学校の教材として次の点が優れていると考える。
@ディフェンスがひとりしかつくことがないので安心してパスを出すことができる。
Aディフェンスの目的はパスをキャッチする事でなく、パスを不成功にするということなので簡単に言うとディスクをはたき落とすだけでよい。運動について劣等感を持つ児童にも達成感が得られやすい。
Bパスをつなげることが目的のゲームなので自分が今どこにいればチームとして良いのかがチーム内での課題となり、意識される。(場の意識)
Cディスクはボールと異なり滞空時間がかなりある。従って、ボール運動では得にくい動きも拾得しやすい。たとえば、パスをスペースに出してそこに走り込むことができる。
Dディスクの滞空時間があるのであきらめずにディスクを追うことになる。

第1段階 FDを使わずにまずボールを使ってゲームをする。

アルティメットのルールでボールを使いゲームのルールを理解する。またそこに学級のオリジナルのローカルルールを追加しても良い。ボールはこの場合、ソフトバレーボールを使う。体育館で実施しても良い。

第2段階 FDの投げ方・受け方をマスターする。

第1段階と平行してFDの基本的な投げ方・受け方をマスターする。
投げ方
@バックハンドスロー    
 利き手と反対側のサイドから投げる一番オソードックスな投げ方。体を半身にして投げる相手に向かって一歩踏みだし、相手の胸を指さすように投げる。
 ディスクが左右に曲がるときは投げるときにディスクの傾きに原因がある。
 持ち方は親指をディスクの上、残りの4本をディスクの裏のリムに沿って持つ。裏の指4本はのばしてディスクを支える。
Aフォアハンドスロー
 利き手側から投げる。ディスクの表に親指、裏は人差し指と中指だけたてて、支える。投げ方は独楽を回すように。投げてすぐ手前に引く感じで投げる。
Bオーバーハンドスロー
 アンダースローの持ち方でディスクを裏返して持つ。そして手の甲を相手に見せて利き腕側の頭越しで投げる。

ディスクを使ってのゲームとして「ディスクゴルフ」も有効である。

第3段階 実際にディスクを使ってゲームをする。
      →ゲーム用のカードはこちら

試しのゲーム、練習試合を経て、リーグ戦を実施する


◎自分でFDを新聞紙と厚紙・ビニルテープ・クリップで作ると「マイディスクができる。
◎ディスクは安いと1枚250円くらい。穴のあいたディスクは不向きである。

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