俺はヒデ君(属性:弟)に対し負い目を感じている。
なぜなら俺は昔、ヒデ君に非道いことをしてしまったからだ。
ヒデ君は小さい頃から中耳炎である。
中耳炎であるがゆえ、プールに入ることも出来ず、いまだに泳ぐことが出来ない。
この中耳炎の原因が俺にあるのだ。
ヒデ君が2、3歳のころ、風呂にいっしょに入った時に俺は罪を犯した。
ヒデ君の耳に水がどれだけ入るのか実験してみたのだ。
小さい俺にとってそれは、好奇心以外の何者でもなかった。
その穴にどれだけ水が入るのか知りたかっただけ。
ただ、それだけである。
しかし、現実は厳しいものであった。
ヒデ君は中耳炎になってしまったのである。
それは、中学3年の時に手術するまでずっとヒデ君につきまとった。
級友たちがプールで楽しく泳ぐ様を見学せねばならず、望みもしない泳ぐことが出来ないという烙印を押されてしまった。
すべて俺が悪いのだ...
ヒデ君は小さかったせいもあり、俺が原因であることなど覚えていない。
だが、俺の罪が消えるわけでもない。
いまだにプールや海の話題になると、俺の心に暗い影がさす。
罪を消すことは出来ない。
消すことは出来ないが、償うことは出来る。
俺はいかにして罪を償えばいいのか...
俺はヒデ君にとって越えることの出来ない壁でいつづけようと思う。
弟の目標で有り続けようと思う。
それが償いであると信じて...
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