『ウルトラ I LOVE YOU!』:2009、アメリカ

真っ赤なブーツが大好きなクロスワードパズル作家のメアリー・ホロウィッツは、地方紙のサクラメント・ヘラルド紙で掲載されるパズル を作っている。彼女は掲載される曜日を増やしてもらおうとするが、編集長のソロマンから「紙面に余裕が無いし、ウチの購読者は軽く 楽しめればいいんだ」と却下される。ソロマンに「休みの日はデートしたりしないのか」と訊かれた彼女は、「今夜、親がお膳立てした デートがあるけど、断るつもりです」と告げる。するとソロマンは、「仕事を控えて人生を楽しめ」と述べた。
キャリア・デイの講演をするため、メアリーはヤングストラム小学校へ赴いた。同じ日に授業をする消防士と会った彼女は、ブラインド・ デートの予定があるが断るつもりだと話した。メアリーは壇上に上がり、まるで関心の無さそうな小学生たちに「クロスワードパズル作家 は人より物知りで言葉を正しく綴れます」と言う。話を続けようとすると、生徒たちは「生活できてるの?」「住まいは?」などと質問 した。メアリーが「アパートの消毒が終わるまで両親と同居している」と言うと、生徒たちはバカにして笑った。
帰宅したメアリーは、両親から「デートに行くでしょ」と訊かれ、「もちろん」と返事をした。CCNでニュース番組のカメラマンをして いるデート相手のスティーヴが、彼女を迎えにやって来た。そのイケメンぶりに一目で心を奪われたメアリーは、慌ててセクシーな服装に 着替える。メアリーは車に乗り込むや否や、馬乗りになってキスをした。メアリーがセックスを始めようとするのでスティーヴは狼狽する が、すぐに自分も服を脱ぎ出した。
メアリーはクロスワードの話を始め、自分の知識をベラベラと喋った。スティーヴに電話が掛かり、急な仕事が入ったことが告げられた。 彼はメアリーに、「仕事に行かなきゃならない。君も来られたらって思うけど」と言って別れた。帰宅したメアリーは、すぐにパズルを 作り、サクラメント・ヘラルド紙の夜間ポイトに投函した。翌朝、掲載されたパズルは、解く鍵が全てスティーヴに関する質問になって いた。もちろん読者からは不評の嵐で、メアリーはソロマンからクビを宣告された。
メアリーはスティーヴの「君も来られたらって思うけど」という言葉を、自分を誘って来たのだと思い込んでいた。彼女はクビになった ことを「これで暇が出来た」と前向きに捉え、スティーヴが取材に出掛けたトゥーソンのウィリーズ・ウエスタン・タウンへ行くことに した。ウエスタン・タウンでは立て篭もり事件が発生しており、スティーヴはリポーターのハートマン、ディレクターのアンガスと共に 生中継の仕事をこなした。
メアリーはバスでトゥーソンを目指す最中、自分の知識を饒舌に喋り続けた。他の乗客が聞いていなくても、お構い無しだ。呆れた運転手 は「休憩を取る」と嘘をつき、メアリーを降ろしてバスを発進させた。メアリーは大型トラックの運転手ノーマン・ダーウッドを呼び止め 、半ば強引に同乗させてもらう。ウエスタン・タウンに到着すると、既に事件は解決し、取材クルーは去った後だった。メアリーは オクラホマで事件が発生したことを知り、そこへ向かうことにした。
スティーヴたちは、オクラホマで次の取材をこなしていた。3本の脚がある赤ん坊ペギーが誕生し、手術で切除したい母親と残したい父親 が対立して裁判沙汰になっていた。スティーヴたちが取材をしていると、ハートマンがライバル視しているNNCの人気リポーター、 ヴァスケスが現場にやって来た。現場に到着したメアリーはスティーヴを発見し、駆け寄って抱き付いた。スティーヴが困惑しながらも 歓迎の素振りを示すと、彼女は「貴方が来てほしいって言ったから、来たわよ」と笑顔で言う。
メアリーは看護師に化けて病院を抜け出すペギーの父親を発見し、スティーヴに教えた。スティーヴが仕事に赴いた後、メアリーは手術の 反対派がデモ活動をしている場所に赴いた。彼女は反対派のエリザベスに誘われ、仲間に加わった。スティーヴはアンガスに、メアリーが 誤解して付いて来たことを話す。それを聞いていたハートマンは、強い関心を示した。メアリーはエリザベスから、仲間のハワードを紹介 される。反対派陣営にハートマンが現れ、メアリーに「報道テントへ来て話さないか」と持ち掛けた。彼が「スティーヴに頼まれた」と嘘 をついたので、メアリーは喜んで付いて行く。
ハートマンはメアリーに、「あいつは君にフラれるんじゃないかって怖がってるんだ。奴がゴーと言っても行くな。君を変人呼ばわり したら、それは不安がそうさせている。逃げようとしたら全力で捕まえろ。何があっても頑張り通すんだ」と吹き込んだ。背中を押された メアリーは、スティーヴの元へ行く。スティーヴは「君はここにいちゃダメだ。いてほしくない」と言うが、メアリーは全く動じず、 「大丈夫よ、ハートマンから全て聞いたわ」と言葉を返した。
スティーヴはハートマンを発見し、「嫌がらせのつもりか。彼女に本当のことを言え、迷惑なんだ」と詰め寄った。しかしハートマンが 「お前らはお似合いだ」と言ったため、彼はカッとなって顔を殴った。メアリーは慌てて止めに入った。両親がペギーの判断に任せると いう結論に達したため、取材は終了した。スティーヴたちは局長のコービットから、テキサスのガルヴェストンにハリケーン取材へ行く よう指示される。メアリーが付いて来ようとしたので、スティーヴは「家に帰れ」と告げて車を走らせた。
置き去りにされたメアリーに、ハワードが「乗せて行くよ」と声を掛けた。メアリーと仲良くなったエリザベスも一緒に行くことになった 。スティーヴたちは、ハリケーンの取材を終える。ハワードが車を走らせていると、トルネードが迫って来た。メアリーたちは慌てて 逃げようとするが、車がエンストしてしまう。3人は近くの排水管へ避難する。メアリーは珍しいセミを見つけて興奮した。ハワードの車 は、トルネードに吹き飛ばされて壊れてしまった。
アンガスはコービットから、「なぜトルネードを撮り損ねたんだ。何でもいいから火曜日の9時までに撮影して戻れ」と命じられた。 そんな中、コロラドで聾学校の子供たちが遊園地へ向かおうとする途中、古い坑道に転落する事故が発生した。スティーヴたちは、すぐに 現場へ向かう。メアリーたちがいる現場を通り掛かったスティーヴは、急いで走り去ろうとする。ハートマンは急いでメモを書き、それを 車の外に投げた。
メアリーが拾ったメモには、「シルヴァープルームで転落事故。現地で会おう。スティーヴ」書かれており、わざと綴りを間違えてあった 。メアリーたちは、壊れた車でシルヴァープルームへ向かった。スティーヴたちは現場に入り、救助の様子を生中継する。最後の子供が 救出された直後、地面が崩れてクレーン車が倒れた。メアリーは現場に到着し、カメラを担いで仕事をしているスティーヴを発見した。 彼女はスティーヴに駆け寄ろうとするが、誤って坑道に転落してしまう…。

監督はフィル・トレイル、脚本はキム・バーカー、製作はサンドラ・ブロック&メアリー・マクラグレン、製作協力はジェフリー・ハーラッカー、製作総指揮はテッド・ フィールド&ニック・オズボーン&トレヴァー・エンゲルソン、撮影はティム・サーステッド、編集はヴァージニア・カッツ、美術は メイハー・アーマッド、衣装はゲイリー・ジョーンズ、音楽はクリストフ・ベック、音楽監修は ジョン・フーリアン。
主演はサンドラ・ブロック、共演はトーマス・ヘイデン・チャーチ、ブラッドリー・クーパー、ケン・チョン、DJクオールズ、ハワード ・ヘッセマン、キース・デヴィッド、ベス・グラント、ケイティー・ミクソン、M・C・ゲイニー、ホームズ・オズボーン、 デラニー・ハミルトン、ジェイソン・ジョーンズ、カルロス・ゴメス、ジョージ・シャーパーソン、ルーネル、クリスティーナ・カルリシ 、ジョー・ダンジェリオ、シャンダ・ローレン、ケリー・ケニー=シルヴァー他。


主演のサンドラ・ブロックが製作も兼ねた作品。
この年、サンドラ・ブロックは『しあわせの隠れ場所』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、本作品ではゴールデン・ラズベリー賞の 最低主演女優賞を受賞。なんと同じ年にアカデミー賞とラジー賞の両方を受賞するという快挙を成し遂げた。
監督は『ポビーとディンガン』の脚本家であるフィル・トレイル。
テレビドラマの演出経験はあるが、長編映画の監督は本作品が初めてだ。

メアリーをサンドラ、ハートマンをトーマス・ヘイデン・チャーチ、スティーヴをブラッドリー・クーパー、アンガスをケン・チョン、 ハワードをDJクオールズ、メアリーの父をハワード・ヘッセマン、コービットをキース・デヴィッド、メアリーの母をベス・グラント、 エリザベスをケイティー・ミクソン、ノーマンをM・C・ゲイニー、ソロマンをホームズ・オズボーンが演じている。
アンクレジットだが、スティーヴが鍵となるクロスワードパズルに苦労する数名の読者が次々に写し出される中、精神科医役でエディー・ ジェイミソンが1カットだけ登場している。

メアリーは消防士にデートの予定を話し、「食べちゃおうかと思ったけど。最近、御無沙汰だし」と語る。
そういう下ネタは、もっと弾けた感じで描写した方がいい。
その後、キャリア・デイの講演で小学生から「恋人は?」と訊かれ、「恋人はいないけど密通の経験ならあるわよ」と答える。
ここって、かなり弾けたシーンになっているべきだ。ところが、それに対する小学生のリアクションはハッキリ見せようとしないし、先生 が慌てるとか顔をしかめるとか、そういう反応も薄い。
メアリーの口調も、もっと明るく元気に言った方がいいのに、サラッとしている。あと、テンポも悪いし。

キャリア・デイの講演の後、寂しげなギターの伴奏と歌が流れて来て、ベンチに佇むメアリーの姿が写し出される。新聞を買ったら風で 飛ばされたのを慌てて追い掛けるとか、「めまいの症状があるから座ってから発車してと」バスの運転手に頼んだのに無視されるとか、 そういう「メアリーは可哀想な女」という印象を与えようとする。
それは違うんじゃないかと。
そういう出来事があっても、それを不幸な出来事として描くんじゃなくて、明るいタッチで描いた方がいいんじゃないかと。

メアリーから肉体関係を求められた時の、スティーヴの対応が中途半端に感じる。
最初は狼狽しているが、すぐに自分も服を脱いで、その気になっている。メアリーが喋り出すと、早くセックスを始めようと急かすぐらい だ。
ところが電話で仕事で呼び出されると、その後で「助かった」と漏らし、クレイジーなメアリーと別れることが出来たことに安堵して いる。
「セックスには乗り気だったが、メアリーが饒舌に知識を語り出したのでウンザリした」ということなんだろうけど、ちょっと分かり にくくなっている。

メアリーがクロスワードパズルに没頭して全く遊びに出ないような女なのに、デートも嫌がっているぐらいなのに、スティーヴと出会った 途端にセックスを始めようという肉食系女子なのは、キャラとしてイマイチ掴み切れない。
それなら、「スティーヴに惚れるけど男性経験が少ないしデートの経験も少ないから、どうすればいいのか分からずアプローチのやり方を 間違える」とか、「雑誌などの情報だけでアプローチするから淫乱女に間違われてしまう」とか、そういう感じにしておいた方が魅力的 だったんじゃないかなあ。
メアリーって、たぶん発達障害なんだけど、それと「肉食系女子」のキャラが、どうも頭の中で上手く融合してくれない。

クビを宣告されたメアリーは悲しそうな表情を浮かべ、BGMもそういう曲調になる。
そこは「可哀想なシーン」になっているけど、それはダメでしょ。バカなことをしてクビになるんだから、笑えるシーンになっているべき なんじゃないのか。
そこも含め、序盤にはメアリーを寂しい女、可哀想な女だと思わせようとしているかのような描写が何度かあるが、それは マズいでしょ。
その後、メアリーはウザい女としての姿をアピールしていくわけだから、その前に同情を誘うようなアピールは避けるべきだ。「ウザい女 だけど、そんな中で彼女の可愛い部分が垣間見えて、だんだん魅力的に思えてくる」という流れになっていくべきなんじゃないの。

メアリーがクビになった後、バスの中で知識をひけらかすとか、運転手に騙されて置き去りにされるとか、トラックに乗せてもらうとか、 そういうシーンが描かれる。
でも、メアリーがスティーヴに惚れてウザいストーカーになるというところが本筋のはずだから、会いに行くまでの道程で時間を掛け すぎるのは、構成として間違っている。
彼女のウザさをバスの面々や観客だけに見せても、意味が無い。
それはスティーヴの前でアピールされてこそ意味があるのだ。

スティーヴがトゥーソンで取材しているところへ、いきなりメアリーが現れるのかと思っていたんだけど、そこは普通に生中継で終わって しまう。
それもやはり疑問があって、ハートマンが「馬が撃たれて死んだ」と思い込んで喋っている背後で馬が起き上がるとか、メアリー がいない場所でスティーヴたちが笑いを発信するってのも違うんじゃないかと。
常にメアリーが笑いを発信して、スティーーヴは受け手であるべきだ。
欲張り過ぎて、喜劇として散漫になっている。

スティーヴがメアリーをウザい女だと敬遠したがるのは、早すぎると感じる。。
最初の出会いで、既に嫌になっているけど、そうじゃなくて、「最初から風変わりな女だとは思ったが、とりあえずデートしたり受け入れ たりしていた。しかし取材現場にまで押し掛けたりするので、辟易して遠ざけようとする。しかし勘違いしたメアリーがストーカー化する 」という流れにした方が良かったんじゃないかな。

メアリーが空気を読めずに暴走し、スティーヴが振り回されたりアタフタしたりするという関係性が面白さの肝になるんじゃないのか、 この話って。
もっと、この2人が絡むシーンや、互いのことを考えて行動するシーンを増やすべきだ。
逆に、メアリーがハートマンにいいように利用されたり騙されたりという展開があるが、これもマイナスだろう。ハートマンの存在が強く なりすぎている。まあ表記の順番から言えば正解なのかもしれないけど、メアリーとスティーヴの関係より、そっちの方が大きな扱いに なっている。
本来なら、ハートマンは「2人に関わる脇役」であるべきで、まるで準主役のような存在になるのは大きすぎる。しかも笑いの発信役と しても、メアリーより大きくなってしまう。 こいつが主役なのかと。

後半、メアリーがハワードの車でテキサスへ向かうという展開があるが、それは邪魔。ハワードとエリザベスの会話とか、どうでもいいわ 。
そう考えると、スティーヴが取材でアメリカの各地を移動し、それをメアリーが追い掛けるというロード・ムービー的な要素がある企画 自体に問題があるのではないか。もっと頻繁に、メアリーがスティーヴの行く先々へ現れるという形にした方がいいでしょ。だから、 スティーヴの行動半径は、もっと狭めるべきだ。
その後、メアリーたちがトルネードから避難する展開があるが、なんで後半に入って災害映画の様相を呈してしまうのか。しかも、そこに スティーヴはいないし。
そのシーンって、メアリーとスティーヴの恋愛劇にまるで関係が無い。なんせスティーヴはメアリーとそんなに絡んでいないから、後半に 入っても彼女を疎ましく感じているばかり。2人の関係性が変化するようなことは全く見られない。

コロラドへ向かう際、スティーヴは変装をしており、メアリーが自分を殺す気だと思い込んで「チップスに毒が入っているかも」と恐れて 捨てている。メアリーが手を振っているのに「ナタを持っている」と勘違いするけど、そういうのは不可解。
その前の取材現場でケーブルに引っ掛かってスティーヴが転倒しているけど、それで「彼女に殺される」は無理があるよ。彼女の恨みを 買ったと思い込んでいるならともかく、そうじゃないんだからさ。
彼女が自分に惚れて付きまとっていることは理解していたはずなのに、なんで急に「殺しにやって来る」という解釈に変化してしまうのか 。
その思考回路は理解不能だ。

コロラドで聾学校の子供たちが古い坑道に転落する事故が発生する展開があるが、トルネードに続いて、そこも災害シーンだ。
さらに、メアリーが誤って坑道に転落してしまうという展開もある。
後半は、なぜか災害映画の色が濃くなっている。恋愛劇がちっとも充実しない。
メアリーが転落した後は、マスコミを風刺するような描写も幾つか盛り込まれたりするんだけど、もはや何を描こうとしている作品 なのか、サッパリ分からなくなる。
ピントがボケボケでしょ。

恋人として取材を受けることになったスティーヴは、最初は「恋人じゃない」と否定するが、他のテレビ局がメアリーをユナボマーと同列 に扱うのを聞いて、「本当の彼女を知ってほしい。彼女は普通とは違う視点を持ち、優しい女性だ。変なこともするけど全て善意からだし 、頭が良くて何でも知ってるい」などと擁護する。
それは、ものすごく唐突だ。お前は彼女の何を知っているのかと。
ついさっきまで「殺される」と怯えていたのに、その急変ぶりは不自然極まりない。
そういうのは、もっとメアリーと絡む時間を多くして、「スティーヴは彼女を敬遠しているが、その中でメアリーの魅力的な部分も垣間 見る」というのがあってから、言わせるべきセリフでしょ。

坑道に落ちた後の展開は、ものすごくノロノロしている。もっとテンポ良く進めるべきなのに、そこでスローダウンするって、どういう ことなのよ。
転落事故を起こすんだから、災害映画チックなクライマックスに仕立て上げるのかと思ったら、坑道でメアリーがダラダラ喋るとか、 どういうつもりなのか。子供たちが蝋燭を灯してメアリーの無事を祈るとか、野次馬が彼女を応援するプラカードを掲げるとか、どうでも いいわ。
しかも、スティーヴがメアリー救出のために何かするのかと思ったら、ただボーっと見ているだけ。で、メチャクチャな行動ではあるが、 ハートマンがホースを掴んで坑道に飛び込んでいる。そしてメアリーは、彼と協力して脱出する。
いやいや、なんでそこに来てまで、ハートマンが主役みたいなデカい扱いなのか。
そんで最終的に「メアリーたちが無事に脱出する」というのがクライマックスなんだけど、いったい恋愛劇はどこに行ったのかと。最終的 にメアリーは、スティーヴとは結ばれないままで終わっているし。

ラスト近く、メアリーが「空白を埋めるのは人間の摂理だという、クロスワードパズル作家の言葉がある。クロスワードパズルだけでなく 、個性を歓迎しない社会で暮らしている間に生じる心の空白も。私はその空白を言葉とパズルとスティーヴで埋めようとしたけど、それは 間違っていた。大切なのは、自分に似た相手を見つけること」とモノローグで語っている。
どうやら「周囲から風変わりだと思われていても、その個性が魅力なんだよ、貴方はそのままでいいんだよ」というメッセージを発信 しようとする映画だったようだ。
いや、分かりにくいわ。
っていうか、「個性って素晴らしい」というテーマを掲げた作品だったら、メアリーがスティーヴを追い掛ける筋書きはやめた方が 良かったんじゃないか。そんな筋書きにしたら、誰だってロマコメだと思うでしょうに。
あと、個性の素晴らしさをテーマに掲げたとしても、それでも恋愛劇として構築することは可能だったはずだし。だから「そういうテーマ なので恋愛劇になりませんでした」というのは、何の言い訳にもならないし。

(観賞日:2012年5月3日)


第30回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低主演女優賞[サンドラ・ブロック]
受賞:最低スクリーンカップル賞[サンドラ・ブロック&ブラッドリー・クーパー]

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低監督賞[フィル・トレイル]
ノミネート:最低脚本賞

 

*ポンコツ映画愛護協会