インデペンデンス・デイ2』:2003、アメリカ
Independence Day 2

<スタッフ&キャスト>

監督…ローランド・エメリッヒ
脚本…
ローランド・エメリッヒ&ディーン・デブリン
製作…
ディーン・デブリン
製作総指揮…
ローランド・エメリッヒ&ウテ・エメリッヒ&ウィリアム・フェイ
視覚効果監修…フォルカー・エンゲル&ダグラス・スミス
音楽…
デヴィッド・アーノルド

マイルス・ヒラー隊長…ウィル・スミス
キース・ホイットモア
艦長ビル・プルマン
ジョン・レヴィンソン博士ジェフ・ゴールドブラム
ベリア(反乱軍の女性)…
エイミー・ブレネマン
セロ(反乱軍リーダー)…
マイケル・ビーン
ハネット総統…ジョン・マルコヴィッチ
カノベル司令官…
トニー・ゴールドウィン
オスカー・ジャレット副長チェルシー・ロス
フィル・パーカー
隊長…ローレン・ディーン
米国大統領…デヴィッド・オグデン・ステアーズ


<ストーリー>

アメリカ大統領がトーマス・J・ホイットモアだった頃、地球は宇宙船による攻撃を受けた。世界中の多くの都市が崩壊し、数え切れないほどの人間が犠牲になった。しかし、ホイットモア大統領や海兵隊パイロットのスティーヴン・ヒラー大尉、科学者のデヴィッド・レヴィンソンらの活躍により、何とか宇宙船を撃退することが出来た。

ホイットモア大統領が「インデペンデンス・デイだ!」と叫んだ戦いから、100年が経過した。世界は宇宙の時代を迎え、人類は宇宙船の建造に成功していた。今日は、ワープ能力を備えた最新型宇宙船フリーダム号がテスト飛行で宇宙に発進する日だった。

フリーダム号には、100年前の戦いに参加した者の血を引く面々が乗船していた。
宇宙戦闘機SH-01(通称“ダート”)のチーム“アストロホークス”を率いるのは、ヒラー大尉の血を受け継ぐマイルス・ヒラー(ウィル・スミス)。艦長は、ホイットモア大統領の血筋であるキース・ホイットモア(ビル・プルマン)。ジョン・レヴィンソン博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、デヴィッド・レヴィンソンの血筋に当たる人物だ。

いよいよ、フリーダム号が地球を出発した。宇宙船は大気圏を突破し、ワープ航法の準備に入った。初めての体験に全てのクルーが緊張する中、フリーダム号はワープを開始した。やや体調を崩す者はいたが、ワープのテストは無事に成功した。
続いて、ダートの宇宙飛行テストが行われることになった。ヒラーは隊長のフィル・パーカー(ケイシー・シーマズコ)らアストロホークスを率いて、フリーダム号から外に飛び出した。しばらく飛行した後、ヒラー達は浮遊している謎のカプセルを発見する。

ヒラーがカプセルをフリーダム号に持ち帰ろうとした時、そこへ数機の円盤が現れ、いきなり攻撃を仕掛けてきた。ヒラー達は応戦し、円盤を撃墜した。カプセルをフリーダム号に収容して中を開けると、そこには女性の姿をした人間型異星人が眠っていた。
医務室で目を覚ました女性は、驚いて何かを話そうとするが、言葉が分からない。そこでレヴィンソン博士が自動翻訳機を使い、彼女と話せるようにした。最初は動転していた彼女も、何とか落ち着いてホイットモア達と話が出来る状態になった。

彼女はベリア(エイミー・ブレネマン)と名乗り、惑星ザイラの出身だと語った。ベリアによると、ザイラはベラス人のハネット総統(ジョン・マルコビッチ)と彼の一団によって占領され、ザイラ人は彼らの残虐な振る舞いに苦しめられているという。
ザイラ人は、ハネットに殺された王の息子セロ(マイケル・ビーン)をリーダーとする反乱軍を結成した。だが、ハネット軍の圧倒的な戦力の前に苦しい戦いを強いられ、さらにリーダーのセロが捕まってしまった。王家の血筋を残すため、セロの妹ベリアは強引にカプセルに入れられ、宇宙空間に脱出させられたのだという。

ヒラーはザイラ星に向かい、反乱軍を助けるべきだとホイットモアに進言する。しかし、オスカー・ジャレット副艦長チェルシー・ロス)は、余計なことに首を突っ込むべきではないと忠告する。ホイットモアは、詳しい調査のためにザイラ星に向かうことにした。
フリーダム号がザイラ星に接近し、ホイットモアはヒラーとパーカー、レヴィンソンの3名を陸させることにした。まずは少数で実態を調査し、それから対応を考えようというのだ。ベリアが同行を申し出たため、彼女もザイラ星に戻ることになった。

ヒラー達はダートでザイラ星に着陸し、ベリアの案内で反乱軍のアジトへ向かった。その途中、ヒラー達はベラス人の兵士に見つかってしまう。敵からの逃亡には成功したが、無線機を破壊され、フリーダム号との連絡が不可能になってしまう。
アジトに到着した一行は、セロの公開処刑が明朝に行われることを聞かされる。レヴィンソンはフリーダム号に一旦戻って指示を仰ぐべきと告げるが、ヒラーは「そんな時間は無い、我々だけでセロの救出に向かうべきだ」と口にした。

ヒラーがベリアや反乱軍と協力してセロの救出に向かおうとしたため、パーカーとレヴィンソンも同行する。都市の中心部に向かった一行は、大型スクリーンに映るハネット総統とカノベル司令官(トニー・ゴールドウィン)の姿を見た。彼らは反乱軍の1人を拷問の末に殺す様子を見せて、「明日はセロを殺す」と宣告した。
セロは、ベラス軍の基地に監禁されていた。ヒラー達は、反乱軍の面々が兵士の目を反らしている間に基地に侵入し、セロを救い出した。脱出の途中で敵に見つかり、激しい銃撃戦になるが、何とか無事に逃亡することに成功した。

ヒラー達は負傷したセロを治療するため、フリーダム号に連れ帰った。ヒラー達の勝手な行動を、ジャレットは非難する。しかし、ホイットモアは「目の前で殺されそうになっている人がいて、助けようと思うのは間違った行動ではない」とヒラーを擁護した。
フリーダム号のスクリーンに、ハネット総統の姿が映し出された。ハネットはフリーダム号に対し、セロの身柄を引き渡すよう要求する。ホイットモアが拒否すると、ハネットは「1時間以内に引き渡さねば総攻撃を仕掛ける」と脅迫してきた。

ジャレットは引き渡しを進言し、ヒラーはベラス軍と戦うべきだと告げる。ホイットモアはアメリカ政府と通信し、大統領(ブレンダン・グリーソン)に事情を説明する。大統領は政府高官と話し合う時間が欲しいと告げ、新たな連絡を待つよう指示した。
ハネットの指定した期限が迫る中、政府からの新たな連絡は来ない。ホイットモアは再び大統領に通信して指示を仰ごうとするが、まだ答えが出ていないと告げられる。ホイットモアは、「責任は自分が取る」と告げ、ベラス軍との戦闘を選択した。

既に、ベラス軍の巨大母艦がフリーダム号へと向かっていた。艦に乗り込んだハネットは、カノベルに命じて円盤を出撃させた。一方、ホイットモアはクルーに迎撃体勢を取るよう指示し、ヒラーにはアストロホークスを率いて出撃するよう命じた。
ついに、ベラス軍との戦闘が始まった。ヒラー率いるアストロホークスは、ベラス軍の円盤部隊との激しい空中戦に突入した。フリーダム号は敵の攻撃で損傷し、クルーに犠牲者も出た。ジャレットは船を守るために身を投げ出し、命を落とした。

ホイットモアは、今回の航行では実験中止となっていた新兵器“Gクラッシャー”の使用を命じた。Gクラッシャーはエネルギー充填が完全でない状態での使用となったが、ベラス軍の巨大母艦に大きな損傷を与えた。その直後、ヒラーは母艦の中に突入した。
ヒラーは内部から敵母艦を攻撃するが、ダートが損傷して飛行が不可能となり、不時着して白兵戦に出る。その頃、母艦が持たないと確信したハネットは、カノベルと共にカプセルで脱出を図る。だが、目の前に宇宙服のヒラーが現れた。ヒラーは持っていたレーザー銃を構え、カプセル目掛けて撃った。カプセルは、爆発した。

戦いは、フリーダム号の勝利に終わった。
生き残ったクルーは、ザイラ星に降りた。
ホイットモアは集まったザイラ人に向かって、こう告げた。
今日が、君達のインデペンデンス・デイだ」と。


<解説>

1996年のSF大作『インデペンデンス・デイ』は、地球侵略を企む宇宙人と人類の3日間に渡る激しい戦いを描き、世界中で大ヒットを記録した。
当然、製作会社の上層部は、すぐに続編の企画を立てた。
だが、そう簡単に物事は運ばなかった。

「あのエンディングから、そのまま物語を続けることは難しかった。どう考えても、同じことの繰り返しになってしまうんだ」と、ローランド・エメリッヒ監督は語る。
「だから、続編の製作を一度は断念した」と。
しかし、ディーン・デブリンのアイデアが、一度は死んだ企画を甦らせた。
「ひとまず前作の話を全て忘れて、『
インデペンデンス・デイ』というタイトルから、全く別の内容のSF映画を考えてみたんだ」と、ディーン・デブリンは語る。
「そうしたら、宇宙船の乗組員が、他の惑星の
インデペンデンス・デイに関わるというアイデアを思い付いた。これは行ける、そう思ったね

デブリンのアイデアは、彼とエメリッヒによって練り上げられ、形となった。
『ユニバーサル・ソルジャー』や『スターゲイト』といった大作SF映画をヒットさせてきた名コンビは、今回も圧倒的なスケールを持った作品を作り上げた。

そんな2人をサポートするため、前作のスタッフが再結集した。
製作総指揮をローランド・エメリッヒと共に担当したのは、彼の弟ウテ・エメリッヒと、『パトリオット』『スパイダー・パニック!』のウィリアム・フェイ。
視覚効果スーパーバイザーは、ドイツ時代からエメリッヒ監督と仕事をしているフォルカー・エンゲルと、『トゥルーライズ』『フラバー』のダグラス・スミス。そして音楽は、『チェンジング・レーン』『007/ダイ・アナザー・デイ』のデヴィッド・アーノルドだ。

キャスティングは、「100年前の異星人との戦いに参加した者の血を受け継ぐ面々」として、まず前作に出演していた3人にオファーが出された。
『バッドボーイズ』『メン・イン・ブラック』のウィル・スミス、『ジャック・サマースビー』『ロスト・ハイウェイ』のビル・プルマン、『ザ・フライ』『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のジェフ・ゴールドブラムは、3人とも多忙な身だったが、喜んで出演を承諾した。
ウィル・スミスがマイルス・ヒラー隊長、ビル・プルマンがキース・ホイットモア艦長、ジェフ・ゴールドブラムがジョン・レヴィンソン博士を、それぞれ演じている。

他の出演陣は、まずベリア役に、『ヒート』『デイライト』のエイミー・ブレネマン。セロを演じるのは、『ターミネーター』『エイリアン2』のマイケル・ビーン。ハネット総統役は、『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』のジョン・マルコヴィッチ。カノベル司令官役は、『ゴースト/ニューヨークの幻』『シックス・デイ』のトニー・ゴールドウィン。
ジャレット副長を
演じるのは、『シンプル・プラン』『ギフト』のチェルシー・ロス。パーカー役は、『ガタカ』『スペース・カウボーイ』のローレン・ディーン。米国大統領を、『世界中がアイ・ラブ・ユー』『マジェスティック』のデヴィッド・オグデン・ステアーズが演じている。


<蛇足>

ローランド・エメリッヒ監督が『インデペンデンス・デイ2』の製作を断念したという情報を聞いたので、ここで取り扱ってみることにしました。
エメリッヒ監督が断念した理由は、「どう考えても内容が前作の焼き直しになってしまう」ということらしいのですが、私も最初に話を考えた時は、そうなってしまいました。
そこで、思い切って時代を100年後に設定し、1作目の登場人物の血を受け継ぐキャラクターを、前作の出演俳優に演じさせるという反則技を使いました。
で、「地球じゃなくて他の星を救うために戦う」という内容にしてみました。
他の星の問題に首を突っ込むというのは、いかにもアメリカ的ですしね。

ええ、オリジナリティーはありません。
色んなトコロからネタをパクっています。
例えばアストロホークスは、『宇宙戦艦ヤマト』のコスモタイガーですね。
ザイラとベラスは、『地球最後の日』の星の名前から拝借しました。
終盤の戦闘シーンは、『機動戦士ガンダム』をイメージしています。
他にも、自分でも何をパクっているのか良く分かっていないのですが、たぶん様々なSF映画やアニメで見たようなネタを使っていると思います。
まあ考えてみれば、そもそも『妄想映画大王』そのものが「既存の映画の続編を勝手にデッチ上げる」という企画なわけで、ある意味ではパクリなんですけどね。
大体、私の脳内にオリジナリティーなんぞ無いのですよ(開き直りかよ)。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王