『ビバリーヒルズコップ4』:2001、アメリカ
Beverly Hills Cop 4

<スタッフ&キャスト>

監督…マルコ・ブランビヤ
脚本…マイケル・バリー&ジム・マルホランド
製作…レスリー・ベルツバーグ
製作総指揮…マーク・リプスキー&カーラ・フライ
音楽…エド・シェアマー

アクセル・フォーリー…エディー・マーフィー
ビリー・ローズウッド…ジャッジ・ラインホールド
ジョン・フリント…ヘクター・エリゾンド
アニー・パーソンズ…ヴィヴィカ・A・フォックス
カーティス・ブランチャード…クリストファー・マクドナルド
ピーター・ヘイスティングス…ケヴィン・ダン
カール・ジンクス…エリック・ラ・サル
セルジュ…ブロンソン・ピンショット
ホロ・プラザの社長…フランク・オズ


<ストーリー>

デトロイト警察の刑事アクセル・フォーリー(エディー・マーフィー)は、カーティス・ブランチャード(クリストファー・マクドナルド)が率いる新興マフィアグループの麻薬取り引きが行われている倉庫を、仲間の刑事と共に張り込んでいた。
同僚刑事は応援を待とうと言うが、アクセルは待っていては逃げられてしまうと告げて、単独で倉庫に乗りこんで行ってしまう。アクセルは笑顔でカーティス達の前に現れ、自分は倉庫の責任者だと告げる。だが、正体がバレて、銃撃戦になる。

マフィア一味を取り逃がしたアクセルは、倉庫での単独行動が上司の逆鱗に触れ、迷惑だから長期休暇を取れと言われてしまう。返事を誤魔化したままで警察署を出たアクセルは、旧友のカール・ジンクス(エリック・ラ・サル)と再会する。
カールは現在、ビバリーヒルズのショッピングモール“ホロ・プラザ”の警備主任を務めていると語った。今日は、新しい警備システムに関する打ち合わせで、デトロイトに来ているという。久しぶりの再会を喜んだ2人だが、そこに急スピードで車が現れ、狙撃してきた。アクセルは身をかわすが、カールは撃たれて重傷を負う。

アクセルはカーティス一味の仕業だと考え、自分とマフィアのゴタゴタに巻き込んでしまったことをカールに詫びる。だが、病院に運ばれるカールは、おそらく自分が狙われたのだと口にした。アクセルは休暇を取り、調査のためにビバリーヒルズに向かう。
ホロ・プラザに到着したアクセルは社長に会おうとするが、今は病気療養中で、副社長が実権を握っているという。アポが無いために追い返されそうになったアクセルは、強引に副社長室への侵入を試みる。そこへ、副社長のピーター・ヘイスティングス(ケヴィン・ダン)が現れ、すぐに出て行かなければ警察を呼ぶと告げる。

カールの狙撃事件について執拗に尋ねるアクセルに対し、ヘイスティングスは「ちょうど今日は、講習会で刑事が来ているから、追い払ってもらおう」と告げ、連絡を取る。やがて、講習に来ていた刑事が現れるが、それは広域犯罪統括部の部長となっているアクセルの友人、ビリー・ローズウッド(ジャッジ・ラインホールド)だった。
ローズウッドの後ろからは、部下のジョン・フリント刑事(ヘクター・エリゾンド)も顔を見せた。アクセルは、2人との再会を喜び合う。しかし、ローズウッドは不愉快そうなヘイスティングスの顔を見て、「厳重に注意します」と告げて、退散することにした。

アクセルはローズウッドとフリントに事情を話すが、2人はホロ・プラザが客の評判も良く、非常に儲かっており、事件の匂いは全く感じないと語る。2人から、カールがホロ・プラザとは無関係の、個人的なトラブルで狙撃されたのではないかと告げた。
再びホロ・プラザに出向いたアクセルは、防犯グッズの店を出しているセルジュ(ブロンソン・ピンショット)と再会した。アクセルはセルジュから、カールの妻の友人アニー・パーソンズ(ヴィヴィカ・A・フォックス)が、ホロ・プラザに店を出していることを聞く。セルジュは防犯グッズも売り付けようとするが、マトモに使えない物ばかりだ。

アニーのアクセサリーショップに行ったアクセルは、彼女からカールが何か仕事のことで悩みを抱えていたらしいと聞かされる。さらにアニーは、カールが少し前に、他人から隠れるようにして、深刻な表情でヘイスティングスと話しているのを見掛けていた。
アクセルは警備副主任に会おうとするが、彼はホロ・プラザの第2倉庫で荷物の下敷きとなり、亡くなっていた。不審を抱いたアクセルは第2倉庫に行くが、厳重に警備されていた。彼が身を隠して見張っていると、中からカーティスの子分が出て来た。

アクセルはローズウッドとフリントに倉庫で見たことを話し、ヘイスティングスとカーティスが繋がっているに違いないと語った。ローズウッドはヘイスティングスに話を聞こうと提案するが、アクセルは正面から聞いても敵に捜査内容を知られるだけだと告げる。
その日の深夜、アクセルは第2倉庫に忍び込んだ。ローズウッドとフリントも、強引に巻き込まれる形で同行し、外で待機している。アクセルはコカインがあった形跡を発見するが、現れたカーティスの子分に見つかる。アクセルはローズウッドとフリントの車に乗り込み、追ってくるカーティスの子分をカーチェイスの末に振り切った。

翌日、アクセルはカールを狙撃した男を目撃して捕まえ、口を割らせた。警備主任だったカールは、たまたま密輸のことを知ってしまった。彼はヘイスティングスに脅迫され、倉庫でコカインを保管するための協力を強いられていた。カールがアクセルと会っているのを、男が密告だと勘違いして、口封じのために彼を襲ったのだった。
ヘイスティングスは、カーティスから連絡を受け、アクセルの動きに警戒するよう告げられる。ヘイスティングスはカーティスと手を組んで、コカインを密輸していた。もうすぐ大きな取り引きがあるため、厳重な警戒が必要だとヘイスティングスは考えていた。

アクセルは、アニーの協力で閉店後のホロ・プラザに潜入し、事務所を捜索する。証拠書類を発見したアクセルはホロ・プラザを出ようとするが、急に店内の照明が点灯した。アクセルの動きを察知したヘイスティングスとカーティス一味が、やって来たのだ。
ヘイスティングスは、閉店後の店内なので、殺しが起きても隠蔽工作は任せろと言って、カーティスにアクセルの抹殺を依頼した。だが、カーティス一味は、店内を破壊してしまう。それは勘弁してくれと慌てるヘイスティングスだが、もう止められない。
閉鎖されたホロ・プラザの中を逃げ回るアクセルだが、カーティス一味に追い詰められ、銃を向けられる。だが、そこへローズウッドとフリントが駆け付け、アクセルを救出した。アクセルは2人と協力し、カーティス一味との銃撃戦を開始する。

アクセルは一味をローズウッドとフリントに任せて、逃げようとするヘイスティングスを追い掛けた。だが、彼は心配になってやって来たアニーを捕まえ、人質にする。アクセルはヘイスティングスに言われる通りに銃を捨てるが、向こうは銃撃してきた。
アクセルはアニーを連れて逃亡するヘイスティングスを追う途中、セルジュの店を通る。アクセルは“強盗撃退バズーカ”と“バブルガム・ボール”を手に取った。

アクセルは、停止中のエスカレーターを下りようとするヘイスティングスを目掛けて、スライム・ボールを投げた。だが、コントロールが狂ってアニーに命中してしまう。ボールは巨大風船ガムのように膨らんでアニーを包み込み、そのままエスカレーターをフワフワと上昇し、アクセルの所までやって来た。結果的には、彼女を救ったわけだ。
アクセルは、走り去るヘイスティングスを追い掛け、強盗撃退バズーカで狙いを定める。しかし、その背後から、カーティスが物陰に隠れてアクセルを銃で狙っていた。アクセルはバズーカを発射するが、前後が逆だった。しかし、後ろに向かって発射された弾は、カーティスの隠れていた場所に飛んで行き、そこで爆発を起こした。

アクセルとヘイスティングスの様子を、ホロ・プラザの3階から見たローズウッドは、助けに駆け付けようとする。だが、ローズウッドは近くにいたアニーにぶつかった弾みで、彼女を包んでいた風船に穴が開き、そこから勢い良く風が放出される。
その強風で飛ばされたローズウッドは、3階から落下しそうになり、慌ててセール広告の紐に手を伸ばした。だが、紐の先端が結び目から外れ、彼はターザンのように空中を移動する。ローズウッドは、その先にあったシャンデリアにしがみついた。
しかし、吊ってあったポイントが外れ、ローズウッドはシャンデリアごと落下する。だが、それがちょうど、アクセルを撃とうとしていたヘイスティングスの真上に落ちて、彼を下敷きにする形となった。ローズウッドはアクセルに、弱々しい笑顔を向けた。

事件は解決し、重体だったカールが意識を取り戻したという連絡も入った。アクセルは、病気療養から復帰した社長(フランク・オズ)から感謝の言葉を受ける。そこへ、セルジュが嬉しそうに現れ、社長に抱きつく。どうやら2人は恋人関係らしい。
アクセルは、デトロイトに戻ることにした。ローズウッドとフリント、それにアニーが彼を見送る。アクセルは車に乗り込み、ホロ・プラザを後にした。ホロ・プラザには、『危険はすぐ近くに。防犯グッズ大セール実施中』という垂れ幕が下がっていた。


<解説>

あの大人気シリーズが、ついに復活した。
お調子者で、お喋りで、だけど刑事としての能力は超一流、デトロイトのミラクルコップ、アクセル・フォーリーが、ついに我々の前に戻って来たのである。

もちろん、舞台となるのはビバリーヒルズだ。
今回は、巨大ショッピンク゜・モールを中心に、物語が展開する。
アクセルの良き相棒、ローズウッドも健在で、見事なコンビネーションで笑わせてくれる。前作で登場したフリント刑事やセルジュも、引き続いて顔を見せている。
スピーディーな展開と派手なアクション、そして軽妙なマシンガン・トーク。
極上のアクション・コメディーは、あなたを最後まで飽きさせない。

メガホンを執ったのは、マルコ・ブランビヤ監督。『デモリションマン』や『エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち』で独特のユーモア・センスを発揮した彼が、大ヒットシリーズに新たな面白さを注入した。脚本を書いたのは、『アメリカン・パロディ・シアター』『バッドボーイズ』のマイケル・バリーとジム・マルホランドだ。
製作を務めたのは、『オスカー』『ブルース・ブラザーズ2000』のレスリー・ベルツバーグ。製作総指揮は、『ブーメラン』『ネゴシエーター』のマーク・リプスキーと『モータル・コンバット2』『ロスト・イン・スペース』のカーラ・フライが担当。そして音楽を、『スピーシーズ2』『クルーエル・インテンションズ』のエド・シェアマーが手掛けている。

主演はもちろん、第1作からアクセル・フォーリーを演じているエディー・マーフィー。『ゴールデン・チャイルド』『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』などのヒット作に次々に主演し、もはや大物スターとなったエディーが、今回も大活躍を見せてくれる。
エディと同じく、1作目からの連続出演を果たしているのがローズウッド役のジャッジ・ラインホールドだ。『ザンダリーという女』や『クラッカージャック』など、ラブ・ロマンスからハードなアクション映画までジャンルを問わずに活躍している彼だが、このシリーズでは一貫して「アクセルの滑稽な仲間」としての存在感を見せている。

フリントを演じているヘクター・エリゾンドは、前作から引き続いての出演となる。『フラミンゴ・キッド』『プリティ・ウーマン』など、数え切れないほどの出演本数を誇るベテラン俳優は、この作品においては軽妙な味わいでアクセントを付けている。
もう1人、1作目と3作目に出演しているブロンソン・ピンショットも、忘れてはならない名脇役だ。『トゥルー・ロマンス』や『ファースト・ワイフ・クラブ』にも出演している彼が演じるセルジュは、相変わらずアクセルの名前が上手く発音できないようだ。

さて、続いて、4作目で初登場となる出演者陣を紹介しよう。まず、アニーを演じるのは、『インデペンデンス・デイ』『ソウル・フード』のヴィヴィカ・A・フォックス。ハリウッドでも注目度の高い黒人女優の1人で、これからも一層の活躍が期待される。
ヘイスティングス役は、『ホット・ショット』『スモール・ソルジャーズ』のケヴィン・ダン。カーティス役は、『テルマ&ルイーズ』『ターミナル・ベロシティ』のクリストファー・マクドナルド。2人とも、多くの映画で存在感のある脇役を演じている俳優だ。
また、TVドラマ『ER』のエリック・ラ・サルがカール役で、『リトルショップ・オブ・ホラーズ』『イン&アウト』のフランク・オズ監督がホロ・プラザの社長役で、それぞれカメオ出演している。こちらも、映画を観賞する上での楽しみの1つとなるだろう。


<蛇足>

エディー・マーフィーの主演作品ということで、『ゴールデン・チャイルド2』というのも考えたんですけど、やっぱり、こっちでしょ。パート3が散々な結果に終わっているだけに、パート4は作られないだろうと信じて、こうやってデッチ上げてみました。

実は随分と前に、あらかた出来上がっていたのです。しかし、『ビバリーヒルズコップ4』が製作されるという情報が流れたため、しばらく様子を見ていたのです。もしも実際に作られることになったら、このデッチ上げ企画はボツにせざるを得ませんので。
で、しばらく待っても新たな情報は入ってこないので、見切り発車で掲載することにしたわけです。もしも実際にパート4が作られてしまったら、その時は、その時ですな。

ちなみに、マルコ・ブランビヤ監督に関しては、『デモリションマン』を見た時に「ちゃんとしたコメディーのシナリオを演出させたら、そこそこ面白い映画を撮るんじゃないだろうか」と思ったんですけど、『エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち』を見て、やっぱダメな人かもしんないという意見に変わってしまいました。

あと、どうでもいい話ですけど、ジャッジ・ラインホールドを見ると、未だに『初体験 リッジモンド・ハイ』でフィービー・ケイツのパイオツ披露を妄想しているシーンを思い浮かべてしまいます。いや、ホントにどうでもいい話なんですけどね。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王