ストリート・オブ・ファイヤー2』:2002、アメリカ
Streets of Fire 2

<スタッフ&キャスト>

監督…ウォルター・ヒル
脚本…ウォルター・ヒル&ケイト・ラニアー
製作…ローレンス・ゴードン&ロイド・レヴィン
製作総指揮…ロバート・F・コールズベリー
音楽…ライ・クーダー

ミッキー・フックス…マット・ルブランク
ブレンダ・チャーチ…ジェニファー・ラヴ・ヒューイット
トム・コーディー…マイケル・パレ
ガイ・デューク…テムエラ・モリソン
クリント・マッケルホーン…ジョヴァンニ・リビーシ
リーヴァ・コーディー…デボラ・ヴァン・ヴァルケンバーグ
エレン・エイム…ダイアン・レイン


<ストーリー>

リッチモンドの街では、かつてロック・クイーンのエレン・エイム(ダイアン・レイン)がストリートギャングに連れ去られるという事件が起きた。その時、勇敢な男トム・コーディー(マイケル・パレ)が立ち上がり、ストリートギャングのボスを倒してエレンを救出した。
現在のリッチモンド。エレンが病気で急死した後、彼女の後継者と言われる歌手ブレンダ・チャーチ(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)が人気を集めていた。ブレンダの恋人ミッキー・フックス(マット・ルブランク)は、コーディーに強い憧れを抱いている。

コーディーが、久しぶりに街に現れた。エレンの死を風の噂で聞き、戻ったのだ。コーディーは、姉のリーヴァ(デボラ・ヴァン・ヴァルケンバーグ)が営む食堂に行く。彼は、エレンの側にいてやれなかったことに強い罪悪感を抱き、酒に溺れるようになっていた。
食堂にやって来たミッキーは、憧れのコーディーを見て興奮する。その時、店内でチンピラが客にイチャモンを付けて殴り掛かった。リーヴァは弟に争いを止めるよう頼むが、コーディーは見ているだけだ。ミッキーが止めに入り、チンピラを追い払った。ミッキーは、すっかり腑抜けになってしまったコーディーに幻滅した。

ミッキーは、街を牛耳る顔役ガイ・デューク(テムエラ・モリソン)の組織の下っ端だ。ガイはブレンダに惚れており、彼女の人気を利用して金儲けをすることも企んでいる。ミッキーはプレンダとの関係を隠しており、ガイが自分の前で彼女を口説いても黙って見ているだけだ。そんなミッキーの態度に、ブレンダは不快感を抱く。
ミッキーと言い争ったブレンダは、マネージャーのクリント・マッケルホーン(エド・ベグリーJr.)の目を盗み、リハーサルを抜け出した。ブレンダは、廃墟となっているクラブに行く。そこは、彼女が1人になるために行くお気に入りの場所だ。しかし、その日は先客がいた。警戒しながら中を見ると、そこにいるのはコーディーだった。

そのクラブは、コーディーにとってエレンとの思い出の場所だった。そしてブレンダは、その場所をエレンから聞かされていた。ブレンダは、エレンに妹のように可愛がられていたのだ。ブレンダとコーディーは、エレンのことを語り合った。
この出来事をきっかけに、ブレンダはコーディーに急接近した。ブレンダはリーヴァの食堂に行き、コーディーとベタベタする。そういった態度には、ミッキーへの当て付けという意味があった。だが、ミッキーはコーディーがブレンダを奪ったと思い込む。

クリントはギャンブルで莫大な借金を背負っており、その返済を迫られていた。ガイはクリントに、借金を肩代わりする代わりにブレンダを引き渡すよう要求する。実は、クリントが借金を背負ったのギャンブルはイカサマで、それはガイの仕掛けた罠だった。
一方、ミッキーはブレンダにコーディーのことを問い詰めるが、逆にガイの言いなりになっていることを非難される。ミッキーは嫉妬心を募らせ、ついにコーディーに殴り掛かった。しかし、コーディーは全く抵抗することなく、やられっ放しだった。

ブレンダは負傷したコーディーを介抱し、エレンから良く2人のことを聞かされていたと語った。ブレンダは、エレンがコーディーを深く愛していたこと、街を去ったことを怒っていなかったことを告げた。そして彼女は、エレンから「自分が死んだら代わりに歌って」と譲り受けた歌を披露した。それは、愛する人に感謝の気持ちを伝える内容だった。
ブレンダがクリントの元に戻ると、彼は浮かない顔をしていた。そこにガイの手下達が現れ、ブレンダを強引に連行していく。クリントは、ブレンダをガイに売ったのだ。そのことを知ったミッキーだが、ガイに睨まれて何も言えずに引き下がってしまった。

コーディーがリーヴァの食堂に行くと、クリントが酒を煽っていた。彼は自分の行為を後悔し、泣きながら誰に言うでもなく釈明していた。ブレンダが連れ去られたことを知ったコーディーは、ミッキーの元へ行き、彼女を取り戻さないのかと尋ねた。しかし、ミッキーは「相手がガイでは逆らっても無駄だ。諦めるしかない」とヤケになっていた。
「本当にそれでいいのか」と問い詰めるコーディーに、「お前なんかに何が分かる」とミッキーは殴り掛かる。だが、コーディーは軽くかわし、逆にパンチを食らわせる。そしてコーディーは、「本当にブレンダのことを愛しているなら行動しろ。手は貸してやる」と告げた。

ミッキーとコーディーは、ガイのアジトに乗り込んだ。強さを取り戻したコーディーは、ガイの手下達を倒していく。コーディーは、「周囲の奴らは引き受けるから、お前はブレンダを探せ」とミッキーに告げる。ミッキーは立ちはだかる連中を倒しながら、ブレンダを探す。
ある部屋に入ると、そこにはガイと秘書、数人の手下達、そしてブレンダの姿があった。ミッキーは手下達を倒し、ガイにブレンダを引き渡すよう要求する。ガイは、1対1で対決し、自分と戦って勝ったらブレンダを渡してやってもいいと告げる。

ガイはミッキーに、対決のために広い場所に移動するよう告げる。ミッキーが中庭に向かおうとすると、背後から秘書がナイフを投げようとする。だが、そこへ石が飛び、秘書の行為を妨害する。石を投げたのは、コーディーだった。
コーディーは秘書に、「余計なことをするな」とクールに言い放った。そんな様子を見て、ガイは小さく舌打ちをした。一行は中庭に移動し、ミッキーとガイは1対1で対決する。武器は使わず、素手による戦いだ。どちらか一方がKOされるまで、戦いは続く。

最初は五分の戦いだったが、ガイが砂を蹴り上げ、目が眩んだミッキーは隙を見せてしまう。そこからは、ガイが一方的に殴り続ける状況が続く。ガイは「ギブアップすれば許してやるぞ」と告げるが、ミッキーは歯を食いしばって耐える。
ブレンダの応援する声を聞いたミッキーは力を振り絞り、アッパーを繰り出した。これが見事にガイのアゴに命中し、体勢を崩した。ミッキーは連続でパンチを浴びせ、一気に形勢は逆転する。そしてミッキーの右ストレートで、ついにガイはノックアウトされた。

息を整えるミッキーに、ブレンダが駆け寄った。秘書はポケットから銃を取り出そうとするが、その前にコーディーが腕を取って逆に曲げ、骨を折った。コーディーはミッキーに近付き、「良く頑張ったな」と声を掛けた。そして彼はしゃがみ込み、ガイの耳元で「こいつらに何か手を出すようなことがあれば、必ずお前をぶっ潰すぞ」とささやいた。
数日後、ブレンダのコンサートが開かれた。本番前のブレンダに、クリントが必死で頭を下げて詫びていた。ミッキーは怒っていたが、ブレンダは許してやった。やがて本番の時間になり、ブレンダは舞台に飛び出して行った。一方、コーディーはエレンの墓参りをした後、バイクに乗ってリッチモンドの街を後にするのだった。


<解説>

1984年、ロックンロールの夢物語が人々を魅了した。ライ・クーダーの用意した音楽に乗せて、ウォルター・ヒルがアクションとバイオレンスを描き出した。
それが、『ストリート・オブ・ファイヤー』だ。
時代は移り変わり、21世紀が訪れた。
しかし、ロックンロールの魂は、時が過ぎても不変であった。
2002年、新たな夢物語が誕生した。
『ストリート・オブ・ファイヤー2』である。
ロックンロールの魂は、再び躍動する。
ストーリーは激しいビートを刻み、映像は鮮やかなメロディーを奏でる。
そして観客は、心に響く歌と愛の物語を体感することだろう。

トム・コーディーを演じるのは、もちろんマイケル・パレ。『バニシング・ヒーロー』のようなアクション映画だけでなく、『微笑みをもう一度』や『ヴァージン・スーサイズ』など様々なジャンルの映画に出演し、独特の存在感を見せている。
前作でヒロインのエレンを演じたダイアン・レインも、特別出演の形で姿を見せる。彼女も『ジャッジ・ドレッド』のようなSF作品から『ジャック』のような感動ドラマ、そして『ホワイトハウスの陰謀』のようなアクション映画まで、幅広く活躍している。

今回の続編では、新たなカップルが物語の中心となる。
ミッキーを演じるのは、TVシリーズ『フレンズ』で人気がブレイクしたマット・ルブランクだ。映画では、『ロスト・イン・スペース』や『チャーリーズ・エンジェル』などに出演している。これからの活躍が見込まれる、期待の若手俳優の1人だ。
その恋人ブレンダを演じるのは、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット。『天使にラブ・ソングを2』などに出演し、『ラストサマー』では新世代のホラー・クイーンとして高い評価を得た。女優だけでなく、歌手としての活動も注目されているスター候補生だ。

他に、ガイを演じるのは『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』『スピード2』のテムエラ・モリソン。クリント役は『プライベート・ライアン』『60セカンズ』のジョヴァンニ・リビーシ。そして前作に引き続いてリーヴァを演じているのは、『ランページ/裁かれた狂気』『ワイルド・ガン』のデボラ・ヴァン・ヴァルケンバーグだ。

前作から引き続いてメガホンを執ったのは、ウォルター・ヒル監督だ。『ストリートファイター』『48時間』など多くのアクション映画を手掛け、巨匠としての名を欲しいままにしている人物である。今回の作品でも、彼のアクション美学は冴え渡っている。
ウォルター・ヒルと共同で脚本を書いたのは、『モッド・スクワッド』『グリッター/きらめきの向こうに』のケイト・ラニアー。女性としての視点から恋愛模様を見事に浮かび上がらせ、一方で男の美学と熱い魂を繊細なタッチで描き出している。

ローレンス・ゴードンは、前作でも製作を担当した大物プロデューサーだ。『ダイ・ハード』『ウォーターワールド』『トゥームレイダー』など、数多くの大作映画を手掛けている。共に製作に携わったのは、『ブギーナイツ』『イベント・ホライゾン』のロイド・レヴィンだ。
製作総指揮は、『ディアボロス/悪魔の扉』『光の旅人/K−PAX』のロバート・F・コールズベリー。音楽は前作と同じくライ・クーダー。『ジョニー・ハンサム』などで音楽を担当しており、ウォルター・ヒル監督とは『ラストマン・スタンディング』でもコンビを組んでいる。


<蛇足>

カルト映画として扱われたりもする『ストリート・オブ・ファイヤー』ですが、まあ『トップガン』や『フットルース』と似たようなモンで、いわゆるMTV映画ですよね。ウォルター・ヒルが監督だったり、ライ・クーダーが音楽担当だったりと、ちょっと色は違いますけど。
そんなわけで、続編をデッチ上げるにしても、やっぱりMTV映画として考えるべきだろうと思いまして、ヒロインはジェニファー・ラヴ・ヒューイットにしました。まあ、前作のヒロインだったダイアン・レインは、歌の部分は吹き替えでしたけどね。
あと、やっぱりマイケル・パレは外せないということで、でも主役は厳しいだろうってことで、脇に回ってもらいました。しかし内容からすると、やっぱり主役なんですけどね。
しかし、この中身だとアクションシーンが少ないですねえ。
まあ、アクション映画じゃなくてMTV映画だから、別にいいか。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王