ゴーストバスターズ3D』:1999、アメリカ
Ghostbusters 3D

<スタッフ&キャスト>

監督…アイヴァン・ライトマン
脚本…ハロルド・ライミス&ダン・エイクロイド
製作…アイヴァン・ライトマン
製作総指揮…バーニー・ブリルスタイン&ジョー・メジャック&マイケル・C・グロス
音楽…ランディー・エデルマン

ピーター・ヴェンクマン…ビル・マーレイ
レイモンド・スタンツ…ダン・エイクロイド
デイナ・バレット…シガーニー・ウィーヴァー
イーゴン・スペングラー…ハロルド・ライミス
ルイス…リック・モラニス
ウィンストン・ゼッドモア…アーニー・ハドソン
オスカー…アレックス・D・リンツ
ゾービス…アラン・カミング
ジャニーン…アニー・ポッツ


<ストーリー>

ピーター・ヴェンクマン(ビル・マーレイ)、レイモンド・スタンツ(ダン・エイクロイド)、イーゴン・スペングラー(ハロルド・ライミス)、ウィンストン・ゼッドモア(アーニー・ハドソン)の4人は、かつて幽霊退治屋“ゴーストバスターズ”として活動していた。
ゴーストバスターズが久しぶりに復活してヴィーゴ王子を倒してから、10年の歳月が過ぎ去った。あの事件の後、しばらく4人は活動を続けたものの、やがてゴーストがニューヨークに全く現れなくなり、仕事の無くなったバスターズは解散していた。

ピーターはテレビの世界に復帰し、超常現象の番組で司会者を務めている。その夜は、100年ほど前に存在したという、あらゆる物を巨大化させるパワーを持った女性ビビについて取り上げた。ただし、ピーターは眉唾の話だと思っているのだが。
レイモンドはオカルト書店の店主に戻り、イーゴンは研究所で人間の感情に関する実験を続けている。ウィンストンは、美術館の警備主任になっていた。美術館の館長は、かつてピーターと付き合っていたこともあるデイナ・バレット(シガーニー・ウィーヴァー)だ。

ゴーストバスターズの秘書だったジャニーン(アニー・ポッツ)は、弁護士のルイス(リック・モラニス)と結婚していた。新居を訪れた2人は、裏庭の隅に転がっている小さな人形を発見した。それは古い木彫りの人形で、それなりに価値があるようにも思えた。そこでルイスとジャニーンは、デイナに人形を鑑定してもらおうと考えた。
10年前にヴィーゴに誘拐されたデイナの息子オスカー(アレックス・D・リンツ)は、少年へと成長していた。彼は反抗期に差し掛かっており、デイナに生意気な口を叩くこともある。デイナは、最近は仕事の忙しさもあり、あまり息子をかまってやれない。そんな負い目もあって、彼女はオスカーを叱り付けることもなく、甘やかして育てている。

自宅に戻ったピーターは、様子が違うことに気付く。物が散らかっており、おまけにキッチンから音が聞こえたのだ。おそるおそる台所へ行くと、リンゴとバナナが3倍程度の大きさになっていた。驚いたピーターの背後に、何かが近付いてきた。
ルイスとジャニーンは美術館を訪れ、顔なじみのウィンストンに人形を見せた。やがてデイナが現れ、ルイスとジャニーンは人形を見せる。だが、ウィンストンもデイナも、その人形について詳しいことは分からなかった。デイナは調べてみると言って人形を預かり、バッグに入れた。バッグの中で、人形の目が妖しく光った。

レイモンド、イーゴン、ウィンストンは、ピーターからのバスターズ復活だという慌てた様子の電話を受け、彼のマンションを訪れた。ピーターは、ゴーストが現れたと告げる。確かに、彼の部屋には太っちょで化粧の濃い女ゴーストがいた。
それは、ビビだった。しかし、危害を加える様子は見られない。どうやら、ピーターに惚れているらしい。レイモンド、イーゴン、ウィンストンは、「いい奴みたいなので退治するのはやめておこう。それよりも生かしておいた方が、色々と調査することも出来る。なので、ピーターが面倒を見てやれ」ということで意見を一致させ、帰って行った。

翌日、デイナはオスカーを連れて、イーゴンの研究所を訪れた。息子の御機嫌を取るつもりなのだ。オスカーは、イーゴンが開発した「人間の感情を実体化する装置」に関心を示し、自分の感情を実体化してもらった。イーゴンは、オスカーの反抗期特有の苛立ちの感情から作られた実体に興味を持ち、カプセルに保管しておくことにした。
デイナのバッグには、あの人形が入っていた。そこから目に見えない何かが抜け出した。何かが出現したことに、オスカーだけは気付いた。しかし、デイナやウィンストンは全く気付かない。デイナとオスカーが帰った後、その“何か”は研究所に留まった。

ピーターは、ビビに「一刻も早く消えてくれ」と怒鳴り付けた。しかし、彼女はめげずに、ピーターの役に立とうとする。トーストが一枚しか無くて「これだけしか無いのか」とピーターが舌打ちした時には、そのトーストを5倍の大きさにした。
デイナとウィンストンはレイモンドの店を訪れ、人形のことを尋ねた。レイモンドは、人形について書かれた本を見つけ出した。その人形は、“皆殺しの皇帝”として恐れられた邪帝ゾービスの魂が封印された人形だと書かれていた。ただし、その本にはインチキばかり書かれているため、レイモンド達は心配する必要は無いだろうと考えた。

だが、その人形は本物だった。人形から抜け出したゾービス(アラン・カミング)の幽体は、深夜の研究所で動き出した。ゾービスは、カプセルに保管してあったオスカーの感情の実体を解き放ち、それを分散させた。そして、手から光を放射し、それを分散させた物体に当てた。これにより、ゾービスはオスカーの感情をゴースト化したのだ。
何匹ものゴーストは、ニューヨークの街に散らばって行った。ゴーストの出現によって、街はパニックに陥る。一方、ゴーストが暴れ始めたのと時を同じくして、オスカーの身に異変が起きていた。体が黒い霧に包まれ、動けなくなってしまったのだ。気付いたデイナが助けようとするが、霧に阻まれて触れることさえ出来ない。

市長と警視総監の要請を受け、ゴーストバスターズは復活した。彼らはゴーストを退治していくが、その数の多さに辟易してしまう。彼らはデイナからオスカーの異変を知らされ駆け付けるが、どうすることも出来なかった。バスターズは、ゴースト退治を後に回してでもオスカーを助けると約束し、緊急に調査することにした。
ゾービスはビビに近付き、協力を求めた。ゾービスは、ピーターがデイナと付き合っていたことを告げ、彼女を困らせてやろうとそそのかす。ビビが断ると、ゾービスは「また来る」と言い残して姿を消した。一方、バスターズは、ゾービスが完全体で復活するためには混沌を必要としており、そのためにゴーストを暴れさせていると知る。

自宅に戻ったピーターの世話を焼こうとするビビだが、邪険にされる。デイナの方がいいのかと言うビビに、ピーターは「幽霊より人間の方がいいに決まってる」と答える。疲れて苛立っているピーターは、今もデイナと会っていたと告げ、ビビを冷たくあしらった。
ピーターが眠り込んでしまった後、ゾービスがビビの元に再び現れた。ゾービスは、ピーターは今もデイナに未練があるのだとビビに吹き込んだ。嫉妬心を燃やしたビビは、「デイナを困らせてやろう」というゾービスの誘いに、今度はイエスと答えた。
ニューヨークの街で暴れていた無数のゴーストが、一箇所に集まった。そして、それは合体し、巨大なゴーストへと変身した。ゾービスは巨大ゴーストの上に乗り、ニューヨークの街を混沌に陥れろと命令した。同じ頃、オスカーを包んでいる霧は、濃くなっていた。オスカーの姿は外から見えなくなり、声も聞こえなくなってしまった。

バスターズは、デイナの部屋に集まっていた。彼らはゴーストがオスカーの感情から作られていることには気付いたが、どうして巨大化したのか分からなかった。オスカーを包む霧は、ますます濃くなっている。そこへビビが現れ、自分がゴーストを巨大化させたことを明かした。彼女は大変なことになって後悔しており、泣いて謝った。
バスターズが巨大ゴーストに立ち向かう方法を考える中、レイモンドがビビの能力に着目し、こちらも誰かを巨大化させて対抗できないかと言い出した。ゴーストの正体は、オスカーの感情だ。そこで、デイナが「自分が最適だ」と言い出した。ピーターは危険だと反対するが、他の面々が同意したため、多数決で彼女に決定した。

ゾービスと巨大ゴーストの前に、巨大デイナが現れた、頭の上には、バスターズの面々が乗っている。そこから指示を送ろうというのだ。デイナはゴーストを捕まえようとしたり、説得しようと試みたりする。しかし、ゴーストはデイナに襲い掛かって来た。
ゴーストに押し潰されそうになり、デイナは苦しむ。もう駄目かと思った時、デイナが「いいかげんにしなさい!」と叱り付けた。すると、ゴーストは急におとなしくなった。デイナが優しく抱きしめると、巨大ゴーストは消滅した。ゾービスも苦しみながら消えた。オスカーを包んでいた霧は消え、彼は「ママ……」とつぶやいた。

こうしてニューヨークは、ゴーストバスターズによって救われた。後日、ピーターは自分の番組にバスターズの面々を呼び、その時のことを振り返った。ピーターは、「しかし、決してゴーストの全てが悪いというわけではありません」と視聴者に向けて語った。
番組が終わりに近付き、ピーターはカメラに向かって「そろそろ終わりの時間です。ホストは私、ピーター・ヴェンクマンと、ゴーストのビビでした」と告げた。
彼の隣で、ビビが愛想を振り撒いていた。


<解説>

あのゴースト・バスターズが、10年ぶりにスクリーンに戻ってきた。
かつてニューヨークの街を救ったゴーストバスターズだが、既に解散して他の仕事に就いている。ところが、ひょんなことから大量のゴーストがニューヨークの街で暴れ始めてしまう。再結成したゴーストバスターズは、ニューヨークを救うことが出来るのか。

お馴染みのメンバーが、みんな揃って戻ってきた。
そう、懐かしい顔触れが、この映画のために再び結集したのである。誰か1人でも欠けてしまったら、パート3が作られることは無かったかもしれない。
キャストだけでなく、スタッフも前作のメンバーが勢揃いしている。
仲間の強い絆によって、この映画は成り立っているのだ。

今回はパート3ということで、3D映画となっている。何匹ものゴースト、そして巨大ゴーストや巨大シガニー・ウィーヴァーが、まるでスクリーンを飛び出すかのように観客に迫ってくる。その迫力と臨場感に、観客はハラハラ、そしてワクワクすることだろう。

監督と製作は、『ジュニア』『ファーザーズ・デイ』のアイヴァン・ライトマン。製作総指揮は、『セルロイド・クローゼット』『ケーブル・ガイ』のバーニー・ブリルスタインと、『キンダガートン・コップ』『デーヴ』のジョー・メジャック&マイケル・C・グロス。そして音楽を担当しているのは、『マスク』『ドラゴンハート』のランディー・エデルマンだ。

ピーターを演じるのは、『エド・ウッド』『ワイルドシングス』のビル・マーレイ。レイモンド役は、『マイ・ガール』『フィーリング・ミネソタ』のダン・エイクロイド。イーゴン役のハロルド・ライミスは、『恋はデジャ・ブ』『クローンズ』など監督や製作の仕事が多い。ダン・エイクロイドとハロルド・ライミスは、脚本も担当している。

デイナを演じるのは、『コピーキャット』『エイリアン4』のシガーニー・ウィーヴァー。ルイス役は『ジャイアント・ベビー』『フリントストーン/モダン石器時代』のリック・モラニス。ウィンストン役は『クロウ/飛翔伝説』『コンゴ』のアーニー・ハドソン。
オスカー役は、『素晴らしき日』『ホーム・アローン3』のアレックス・D・リンツ。ゾービス役は、『007/ゴールデンアイ』『スパイス・ザ・ムービー』のアラン・カミング。ジャニーンを演じるのは、『トイ・ストーリー』でボー・ピープの声を担当していたアニー・ポッツだ。


<蛇足>

パート3といえば、3Dです。
『13日の金曜日』も、『ジョーズ』も、パート3は3D映画でした。
そして、全て駄作という評価が下っています。
そういう過去があるのに『スパイ・キッズ』のパート3が3D映画だったのは、学習能力が無いのか、ワザとなのか、その辺りは良く分かりませんが。
『ゴーストバスターズ』の第3弾は、ダン・エイクロイドは作りたがっているらしいですが、ビル・マーレイが頑なに拒んでいるそうで、実際には作られないはずです。作られないと確信しているからこそ、ここでデッチ上げているわけですし。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王