『ハドソン・ホーク2』:1997、アメリカ
Hudson Hawk 2
<スタッフ&キャスト>
監督…ロッド・ダニエル
キャラクター創作…ブルース・ウィリス&ロバート・クラフト
脚本…ポール・ラドニック
製作…スティーヴ・ペリー&デヴィッド・ウィリス
製作総指揮…ブルース・ウィリス
音楽…マイケル・ケイメンハドソン・ホーク…ブルース・ウィリス
トミー・ファイヴ=トーン…ダニー・アイエロ
シンシア・エドマン…ナンシー・トラヴィス
アーサー・カルピン…マイケル・ジェター
ファイヤーボール・エドマン…ネイサン・レイン
リサ・バーグラー…ロージー・ペレス
マック・バーグラー…ヴァーン・トロイアー
ジョエル・ロング…ジョン・クライヤー
<ストーリー>
大泥棒ハドソン・ホーク(ブルース・ウィリス)は、相棒のトミー・ファイヴ=トーン(ダニー・アイエロ)と共に仕事の真っ最中。だが、盗み出したのはコーヒーカップ1つだけ。それでも、「これほど手に馴染むカップは滅多に見つからない」と満足そうなホーク。
早速、トミーの店で盗んだカップを使って、大好きなカプチーノを飲もうとするホーク。ところがカプチーノの機械が壊れてしまい、ホークはガッカリ。トミーは近くにオープンしたカフェ“シンシア”のカプチーノが美味しいらしいと告げるが、値段が高いと文句を言うホーク。そこへ、“シンシア”のオーナーであるシンシア・エドマン(ナンシー・トラヴィス)がやって来た。彼女はホークに、ある物を奪い返して欲しいと告げる。一度は断ったホークだが、「一年間カプチーノを無料で飲み放題にする」と言われ、あっさり承諾する。
シンシアを送って店の外に出たホークは彼女が立ち去った後、向かいの玩具店の経営者アーサー・カルピン(マイケル・ジェッター)に声を掛けられる。アーサーはホークに、「あの女と関わるのはやめた方がいい」などと忠告を受ける。美味しいカプチーノが目当てのホークは、アーサーの忠告など完全に無視して、シンシアからの依頼を実行することにした。その依頼というのは、ある場所からリサ・バーグラー(ロージー・ペレス)とマック・バーグラー(ヴァーン・トロイアー)という腹違いの姉弟によって盗み出された宝石を、2人から奪い返すというものだ。
ホークはトミーと共に、仕事の準備に取り掛かった。目的の宝石は“ティカケタティトゥラ”という難しい名前なので、ホークもトミーも何度も言い間違えてしまう。結局は本当の名前を忘れてしまい、2人とも「シンシアの宝石」と呼ぶことにした。リサとマックが住んでいる屋敷に侵入したホークとトミーは、いつものように陽気に歌を歌いながら仕事を開始する。2人は星型の時計や星の絵など星に関するグッズが大量に保管されている部屋で宝石を発見し、屋敷からの脱出を図る。
ピアノを見つけたホークは演奏を始め、それに合わせてトミーが踊る。そこへリサとマックが現れ、一緒に歌い踊り始める。歌が終わって我に返ったリサとマックは、ホーク達に宝石を返せと告げる。そして2人は隠し持っていた銃を構える。ホークはリサとマックに、なぜ宝石を盗んだのかと尋ねる。すると2人は自分達が星グッズのコレクターであり、星に関係するあらゆる物をコレクションしていると告げる。そして“ティカケタティトゥラ”が、古代アフリカの言語で星という意味だと語る。
するとトミーは、「それは間違いだ。最近の研究で、実は星ではなくて涙だったということが明らかになった」と話す。それを聞いたリサとマックは、「じゃあ要らない」と言い出し、ホークとトミーは宝石を持って屋敷を後にした。しかしホークが話の真偽を確認すると、トミーは「あんなの、口からデマカセさ。でも意外に上手くいったな」と話す。ホークが宝石を持って“シンシア”に向かおうとすると、いきなりアーサーが体をぶつけてきた。そしてアーサーは、「あの女と関わるな。きっと面倒なことになる」などと告げる。ホークはアーサーを軽くあしらって、カフェへと向かった。
シンシアに会ったホークはアーサーの言葉が気になり、宝石について詳しい説明を彼女に求める。するとシンシアは、宝石が秘密結社“パラダイス・ロコモーション”の所有物であり、それは結社にとって象徴となるべき大切な宝なのだと語る。そして彼女は、秘密結社のリーダーが自分の兄であることを明かす。ホークとトミーはシンシアに連れられ、“パラダイス・ロコモーション”の本部へと向かった。するとシンシアの兄で結社のリーダーでもあるファイヤーボール・エドマン(ネイサン・レイン)が、結社のメンバー数名と共に待ち構えていた。
エドマンとメンバーは派手な衣装に身を包み、フォー・トップスの『アイ・キャント・ヘルプ・マイセルフ』を歌い踊ってホーク達を歓迎する。「秘密結社らしくないな」とホークがつぶやくと、エドマンは「明るく楽しい秘密結社が我々のモットーなので」と笑顔で告げる。ホークは宝石を渡すが、しばらく眺めていたエドマンが怒り出す。なんと、それは贋物だというのだ。ホークとトミーは自分達の潔白を訴え、仕事を請け負ったからには、今度こそ本物を盗んでくると釈明する。シンシアもホーク達を擁護してくれるが、エドマンは、ホーク達が贋物と摩り替えて騙そうとした可能性もあると疑う。
そこでシンシアが、「ホーク達に自分が付いて行く」と言い出す。その言葉を聞いて、エドマンはホークとトミーが本部から立ち去ることを了承する。ホーク達はリサとマックが騙して贋物を盗ませたと確信し、2人の屋敷へ向かう。ホーク達がリサとマックの屋敷に出向くと、2人は「騙したな。あれは涙じゃなくて、やっぱり星という意味じゃないか。宝石を返せ」と告げる。宝石の返還を要求するということは、2人は本物の宝石をホーク達に渡したということになる。
何を言っても激怒して興奮しているリサとマックには信じてもらえそうにないので、とりあえずホークとトミーは睡眠スプレーを2人に噴射する。間違えてシンシアにも噴射してしまったので、眠り込んだ彼女を連れて、ホークとトミーは屋敷を後にする。ホークは宝石を盗んで以降の行動を思い出し、あることに思い当たる。それは、“シンシア”に向かう途中でアーサーにぶつかったことだ。あの瞬間に、ひょっとするとアーサーが宝石を摩り替えたのではないかとホークは疑いを持つ。
そこでホークはシンシアと共に、アーサーの玩具店に向かった。しかし、そこにアーサーの姿は無く、店員のジョエル・ロング(ジョン・クライヤー)がいるだけだった。ホークはアーサーの居場所や宝石のありかを聞き出そうとするが、ジョエルは口を割ろうとしない。
そこへ、用事で遅れていたトミーが現れる。すると、ジョエルの様子が急変する。どうやら、トミーに一目惚れしてしまったらしい。トミーに質問されてジョエルはあっさり口を割り、アーサーは出掛けているが宝石のありかは知っていると語る。ジョエルはレゴで作った展示用の基地からダイヤを取り出し、それをトミーに渡した。ホークがダイヤを盗んだ理由を尋ねると、ジョエルはアーサーが伝説の怪物ゴーレムを作ろうとして、そのための装置を開発していると語る。そしてゴーレムを作る材料として、そのダイヤが必要らしい。ホーク達はゴーレムを作るという話を本気にしないが、少なくともアーサーは本気で作り出そうと考えているらしい。
ホーク達が立ち去った後、アーサーが「ゴーレムを生み出す装置が完成した」と喜んで戻って来た。ところが、肝心のダイヤが消えているのに気付き、ジェエルを問い詰める。素直に白状したジョエルはアーサーに叩かれるが、ちょっと嬉しそうだったりする。せっかくダイヤを取り戻したホークだが、ちょっとした隙にリサとマックに奪われてしまう。一方、アーサーはシンシアを誘拐し、大きな箱の中に閉じ込める。その箱には、少しずつ左右の壁が近付いていき、24時間が経過するとシンシアを押し潰す仕掛けがある。そしてアーサーはホークに、24時間以内にダイヤを返すよう脅迫する。
リサとマックの屋敷に向かったホークとトミーは、激しい銃撃を受ける。リサもマックも、屋敷が壊れることなどお構い無しに攻撃を仕掛けてくる。だが、ホークとトミーは追い詰められるが、偶然にも馬の形をした大砲を撃ち、リサとマックを撃退する。ダイヤを奪取したホークとトミーは、急いでアーサーの玩具店に向かう。ダイヤを受け取ったアーサーは、仕掛けを解除するための鍵の隠し場所をホーク達に教えて、ジョエルと共に姿を消す。慌てて教えられた場所を探すが、なぜか鍵は見つからない。アーサーが騙したわけではなく、実はジョエルが間違えて持ち去っていたのだ。
24時間が経過するまでに、もう残り時間はほとんど無い。ホークは何とか彼女を助けようとするが、仕掛けを止めることは出来ない。ホークは腹立たしさから箱を勢い良く蹴り飛ばすが、その衝撃で仕掛けが壊れてしまい、シンシアは脱出に成功した。ホークはダイヤを取り返そうと考えるが、アーサーの居場所が分からない。すると、トミーが小さなメモをポケットから取り出してホークに見せる。実はジョエルから、アーサーの研究所の場所を記したメモを密かに渡されていたのだという。
ホーク、トミー、シンシアの3人は、ネバダ州の砂漠地帯にある秘密研究所へと向かう。そんな彼らの行動を、まだ生きていたリサとマックが目撃し、追跡する。一方、アーサーの研究所では、ゴーレムの製造準備が着々と進みつつあった。ホーク達は研究所に到着するが、ほぼ同時にゴーレムが誕生していた。ゴーレムは予想外に巨大化してしまうが、「失敗じゃないですか」と心配するジョエルに対して、アーサーは「小さすぎるより大きすぎる方がマシだ」と開き直る。
恐るべきパワーと強靭なボディを持つゴーレムは、ホーク達に襲い掛かってくる。最初はホーク達も攻撃を加えていたのだが、ゴーレムには全く効果が無い。いくら攻撃しても全く歯が立たず、ホーク達は追い掛けてくるゴーレムから逃走する。
そこへリサとマックが現れ、ホーク達に「ダイヤを返せ」と告げる。ホークが「ダイヤは後ろの奴が持ってるから、くれてやる」と告げ、慌てて立ち去る。“後ろの奴”を待ち受けていたリサとマックは、逃げ遅れてゴーレムに踏み潰されてしまった。必死で逃げるホーク達の元に、ファイヤーボール・エドマンとパラダイス・ロコモーションのメンバーが駆け付ける。「こんな時こそ、我々の結社に伝わる秘術が役に立つ」と言うエドマンは、結社のメンバーと共に怪しげな呪文を唱える。それは「ダイ・ハードしか無いのか」と言っているようにも聞こえ、ホークは少し不機嫌になってしまう。
しばらくすると、エドマン達の手が輝き始める。彼らが掌をゴーレムに向けると、そこから光線が発射される。光線を浴びたゴーレムは、動きが止まる。エドマンはホークとトミーに、「今の内に、ゴーレムの心臓部分にあるダイヤを抜き取れ」と告げる。トミーはロープを投げて、ゴーレムの首に巻き付け。ホークはロープをつたってゴーレムの体をよじ登り、心臓部分に到着する。ホークがダイヤを抜き取ると、ゴーレムの体が不安定に揺れ始める。振り落とされないよう、ホークはロープにしがみつく。ゴーレムはバランスを失いながら、ヨロヨロと足を進めて研究所の方へと向かう。
倒れ込もうとするゴーレムから投げ出されたホークは、エドマン達の術でポンポンと飛び跳ねながらトミーの腕に飛び込み、彼を押し倒すような形で着地する。一方、ゴーレムはドロドロに溶けてしまい、そのまま研究所を飲み込むようにして潰してしまった。ホークはエドマンにダイヤを渡し、シンシアに「約束通り、カプチーノを頼むぜ」と言う。そして彼らは無事にダイヤを手に入れたことを祝って、フォー・トップスの『アイ・キャント・ヘルプ・マイセルフ』を砂漠の真ん中で歌い踊るのであった。
<解説>
ブルース・ウィリスとロバート・クラフトが生み出した、お茶目でキュートで陽気でホットな大泥棒が帰ってきた。その男の名前は、ハドソン・ホーク。相棒のトミー・ファイヴ=トーンとコンビを組み、歌って踊って盗みも働く天才的な“快”盗である。
今回、彼が盗み出すのは、“ティカケタティトゥラ”という舌を噛みそうな難しい名前のダイヤ。そのダイヤを巡って、明るい秘密結社、珍妙なコレクション・シスターズ、ヘンテコな博士と、様々な連中が登場する。果たして、ホークの運命はいかに?製作は『トゥルー・ロマンス』『暴走特急』のスティーヴ・ペリーと、『ライブ・ワイヤー』『ローデッド・ウェポン』のデヴィッド・ウィリス。デヴィッドはブルース・ウィリスの弟である。そして製作総指揮を、主演のブルース・ウィリス自らが務めている。
脚本を書いたのは、『アダムス・ファミリー2』『ジェフリー!』のポール・ラドニック。監督は『ティーン・ウルフ』『ベートーベン2』のロッド・ダニエルが務めている。音楽は前作に引き続き、『ダイ・ハード3』『101』のマイケル・ケイメンが担当している。出演は、ホーク役に『ダイ・ハード』『12モンキーズ』のブルース・ウィリス、相棒のトーミ役に『奇跡が降る街』『レオン』のダニー・アイエロという前作からのコンビ。ヒロインのシンシア役は、『スリーメン&ベイビー』『キャノンズ』のナンシー・トラヴィス。
アーサーを演じるのは、『フィッシャー・キング』『ウォーターワールド』のマイケル・ジェター。エドマンを演じるのは、『恋のためらい/フランキーとジョニー』『バードケージ』のネイサン・レイン。2人とも、味のある脇役として活躍中の俳優だ。
リサ役は『ハード・プレイ』『あなたに降る夢』のロージー・ペレスで、マック役は『Let'sチェックイン!』『ジングル・オール・ザ・ウェイ』のヴァーン・トロイアー。ジョエルを『プリティー・イン・ピンク/恋人たちの街角』『ホット・ショット』のジョン・クライヤーが演じている。
<蛇足>
「ブルース・ウィリス主演作品を、1つぐらいは入れておきたいなあ」と考えた時に、やはり最初に挙がる候補は『ハドソン・ホーク』の続編しか無いだろうと。
そんなわけで、やっちゃいました。
今回は(今回も?)、かなり“おバカさん”な内容になってます。
何しろ、あの『ハドソン・ホーク』の続編ですからね。普通に考えれば、ブルース・ウィリスの代表作は“ダイ・ハード”シリーズということになるんでしょうな。でも、『ダイ・ハード4』を作ろうなんて、これっぽっちも思い浮かべませんでしたね。何しろ、マジで作られるらしいという話がありますから。
他にブルース・ウィリス主演作を作るとすれば、『フィフス・エレメント』の続編ですかね。あれはブルース・ウィリス主演作というより、リュック・ベッソン監督作品としてですが。まあ、しかしながら、あれの続編は難しいかなと思っております。
なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。