『トップガン2』:1989、アメリカ
Top Gun 2

<スタッフ&キャスト>

監督…トニー・スコット
脚本…ラリー・ファーガソン
製作…ドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:ジョン・ピーターズ&ピーター・グーバー
音楽…ジョルジオ・モロダー

ジャック…ロブ・ロウ
ストーン…クリス・クリストファーソン
ハンニバル…ジャド・ネルソン
トビー…アンソニー・マイケル・ホール
ライノウ…ボー・ブリッジス
アックス…デルロイ・リンド
ランス…スティーブ・ブシェーミ
シェリー…ケリー・プレストン


<ストーリー>

ジャック(ロブ・ロウ)は世界最高のエリートパイロットを要請する訓練学校、トップガンに入学したいと願っている。そんなジャックは喫茶店で出会ったシェリー(ケリー・プレストン)に一目惚れし、猛アタック。明るく健康的なジャックにシェリーも惹かれ、2人は付き合い始めるようになった。
最初にシェリーが「パイロットはお断り」と言っていたため、ジャックは自分がパイロットを目指していることを話していなかった。しかしトップガンへの入学が決まって大喜びのジャックは、そのことをシェリーに伝える。

話を聞いたシェリーは複雑な表情を浮かべる。そしてシェリーは、自分の父親が訓練学校の教官をしているとジャックに告げる。さらにシェリーは、父から「パイロットとだけは付き合うな」と言われていることを話す。
ジャックは「自分が優秀なパイロットであることを見せれば、お父さんに認めてもらえるだろう」と前向きな姿勢を見せる。しかしシェリーは浮かない顔。父親は頑固な性格で、ジャックとの付き合いを絶対に認めないだろうとシェリーは言う。

訓練学校に入学して早々、ジャックは教官のストーン(クリス・クリストファーソン)から呼び出される。ストーンはシェリーの父親だった。彼はジャックとシェリーが付き合っていることを知っており、2人の交際をやめるように言う。ジャックは自分のことを信用してくれと言うが、ストーンは取り合わない。
ストーンはジャックが性格的にも問題は無く、人間として評価できると話す。しかし、ジャックがどれだけ好感の持てる人間であろうとも、2人の交際は許さないと告げる。そして、もしシェリーとの交際を続けたいのなら、パイロットになる夢を捨てろとストーンは言う。

ストーンの頑固な態度に苛立ちを感じながら、ジャックの訓練が始まった。
相棒のトビー(アンソニー・マイケル・ホール)と共に飛行訓練をしながら、とにかくトップの成績で卒業して、自分の優秀さをストーンに思い知らせるしかないと考えるジャック。彼は教官ライノウ(ボー・ブリッジス)やアックス(デルロイ・リンド)の特訓を見事にクリアしていく。

だが、エースパイロットを目指すのはもちろんストーンだけではない。最大のライバルは、荒っぽく破天荒なハンニバル(ジャド・ネルソン)だ。
ハンニバルの豪快な操縦と相棒ランス(スティーブ・ブシェーミ)の緻密な計算が上手く噛み合い、彼らのチームは優秀な成績を上げていく。

ジャックも優れた結果を残していくが、ストーンは彼に対して他の生徒よりも厳しく当たる。必死に耐えながら訓練を続けるジャック。しかし、いくら頑張っても正当に評価されないことに、彼は次第に苛立ちを募らせていく。
ストレスの限界を超えたジャックは、トビーに八つ当たりしてしまう。さらにトビーとの言い争いをハンニバルにからかわれ、思わず殴り掛かろうとするジャック。トビーが止めて乱闘騒ぎは回避したが、そのことをストーンに知られ、「精神的に弱い人間はエースパイロットになれない」と言われる。

久しぶりの休日、ジャックはシェリーに会った。彼は訓練学校でのストーンの態度について話し、「あそこまで意固地になって自分を冷遇する理由が分からない。自分だってパイロットなのに、なぜ娘の相手がパイロットではいけないんだ?」とシェリーに疑問を投げ掛ける。
するとシェリーは、自分の母親のことを話し始める。

シェリーの母、つまりストーンの妻ローラは病弱で、精神的に弱い人だった。パイロットは危険な仕事であり、いつストーンが死ぬかも分からないといって、神経をすり減らしていた。
ローラは病を悪化させて死んだのだが、ストーンは自分がパイロットだったことでローラに余計な心配を掛け、それが病気の悪化を早めたと考え、自分がローラを死に追いやったと責任を感じていたのだ。

訓練学校に戻ったジャックはストーンに会い、「自分は絶対に死なない。それを証明するためにも、絶対にトップの成績で卒業してみせる」と宣言する。そして彼は宣言通り、ハンニバルを抑えてトップの成績で訓練をこなしていく。
しかし、ある日の飛行訓練で、ジャックはトビーを助けるためとはいえ、違反飛行をしてしまう。ストーンと顔を合わせたジャックは叱責を受けることを覚悟する。ストーンは厳しい口調でジャックに言葉を投げ掛けるが、それは規則より人命を優先したことを評価する言葉だった。

いよいよ最終訓練となった。ストーンやライノウ、アックス達の乗る戦闘機を架空のミサイルで撃墜するという実戦形式の仮想訓練だ。
ハンニバルに邪魔をされて危機に陥ったジャックだが、機体を立て直し、見事にストーンの戦闘機をロックオンして仮想撃墜を成功させる。

ジャックはトップの成績で訓練を全て終了し、卒業式を迎えた。式が終了し、ジャックはストーンから話し掛けられた。ストーンは「お前が優秀なのは認める。しかし、シェリーとパイロットが交際することは絶対に認めない」と告げる。
何か言おうとしたジャックを遮るようにして、ストーンは付け加える。「ただし、エースパイロットは例外だ」と。
2人は笑みを浮かべ、硬い握手を交わすのだった。


<解説>

大ヒットしたトム・クルーズ主演の映画『トップガン』の続編。ただし、“トップガン”という舞台設定だけを引き継ぎ、全く新しいストーリーが展開される。
主人公が成長していく青春映画という部分は前作と同じだが、今回は主人公が恋人の父親と対立し、訓練を通じて次第に理解しあうようになっていくという物語だ。

音楽に合わせて映像を編集するというMTV感覚の演出は健在で、「まず音楽ありき」という作品である。ヴァン・ヘイレン、エアロスミス、ボン・ジョヴィ、クリストファー・クロス、スターシップ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースなど、多くのミュージシャン達の曲に合わせて映像が提示される。

監督は前作と同じくトニー・スコット。『デイズ・オブ・サンダー』や『クリムゾン・タイド』など、数多くの作品に携わっている監督だ。脚本は『プレシディオの男たち』『レッド・オクトーバーを追え!』のラリー・ファーガソン。音楽は『アメリカン・ジゴロ』『オーバー・ザ・トップ』のジョルジオ・モロダー。
製作は前作に続き、『ビバリーヒルズ・コップ』や『ザ・ロック』などを手掛けているドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマー。製作総指揮も前作と同じく、『バットマン』や『フック』を生み出したジョン・ピーターズ&ピーター・グーバーの名コンビ。

主演は『セント・エルモス・ファイアー』『昨日の夜は…』のロブ・ロウ。ハンニバルを演じるのは『ブレックファスト・クラブ』『ファンダンゴ』のジャド・ネルソン。トビー役は『すてきな片想い』『シザーハンズ』のアンソニー・マイケル・ホール。
ブラッド・パックの3人が共演しているのは大きな見所だ。

ストーンを演じるのは『コンボイ』『天国の門』のクリス・クリストファーソン。ライノウは『ホテル・ニューハンプシャー』『恋の行方/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』のボー・ブリッジス。アックスは『ハード・ウェイ』『身代金』のデルロイ・リンド。
シェリー役は『ツインズ』『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』のケリー・プレストン。ジョン・トラボルタ夫人としても有名だ。そしてランスを演じるのは『ファーゴ』『コン・エアー』などに出演している個性派俳優スティーブ・ブシェーミである。


<蛇足>

一時期はアイドル的にもてはやされたブラッド・パックのメンバーだけど、いつの間にか消えて行ってしまってる人もいるよなあ。ジャド・ネルソンとかアンソニー・マイケル・ホールって、ほとんど名前を聞かなくなってしまったし。アリー・シーディとか、どうなってるんだろうか。
で、その中で1人だけ抜きん出たのがデミ・ムーアってわけですな。これはつまり、吉本天然素材からナインティナインだけが抜け出たようなものですな(それは違うだろ)。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王