『イレイザー2』:1998、アメリカ
Eraser 2

<スタッフ&キャスト>

監督…ロバート・ハーモン
脚本…デニス・オニール
製作…アーノルド・コペルソン&アン・コペルソン

レスター・ウォーレン…ドルフ・ラングレン
フレッド・ハミルトン…ヴィンセント・ドノフリオ
ベティー・ホール…クリスティー・スワンソン
ガイ・ドルツ…アラン・レイキンズ
ハンク・ベルティー…
ジミー・スミッツ


<ストーリー>

大手企業の幹部による密売計画を知った若手社員。彼は幹部の差し向けた殺し屋に追われ、路地の突き当たりで立ち往生していた。殺し屋は銃を構え、若手社員を殺そうとする。その時、背後から声がして殺し屋は振り返った。そこにはライフルを持った屈強な男が立っている。
男は殺し屋が振り返ったのと同時にライフルを発射。弾丸は殺し屋の額を撃ち抜き、恐怖でしゃがみ込んでいた若手社員の頭上を通って路地の壁にめり込んだ。男はゆっくりと近付き、殺し屋がしんだのを確認。そして若手社員に向かい、「だから勝手な行動は危険だと言っただろう」と声を掛けるのだあった。

その男の名はレスター・ウォーレン(ドルフ・ラングレン)。
政府特別情報局員、通称“イレイザー”と呼ばれる男。重要事件の証人の安全確保のために彼らの過去を消し去り、保護するのが仕事だ。レスターは情報局の中でもナンバーワンの腕を持っている。

レスターに新しい仕事の指令が下った。証人の名前はベティー・ホール(クリスティー・スワンソン)。大物マフィアのガイ・ドルツ(アラン・アーキン)が商売敵のザック・ハリスを殺害する現場を偶然にも目撃してしまったのだ。
同僚のハンク・ベルティー(
ジミー・スミッツ)と共に、ベティを安全な場所へ護送するレスター。彼は「何かあった時には、自分で身を守らなければならないかもしれない。念のために持っておけ」と言って、ベティーに拳銃を渡す。

一方、ドルツはベティーを殺害するため、自分の片腕で“クレイジー・フレッド”と呼ばれる男、フレッド・ハミルトン(ヴィンセント・ドノフリオ)に彼女の行方を捜索させる。ベティーは山奥の小屋に隠れていたが、フレッドはすぐに居場所を突き止める。
フレッドはすぐに小屋を襲撃することはしなかった。だがレスターが小屋を訪れた時、彼は小屋を襲撃する。ベティーを守りながら反撃するレスター。何とか小屋から逃げ出すことに成功したレスターは、ベティーを港湾にある倉庫に隠れさせる。

レスターはベティーを襲撃した男についての情報をハンクから入手した。その男フレッドの顔写真を見てレスターは驚いた。フレッドはレスターがその昔、ある重要事件の証人として過去を消し去ってやり、保護した男だったのだ。
しかし、例え過去に保護した男であっても、今は証人を狙う敵である。場合によってはフレッドを射殺することもやむを得ない。それにしても、フレッドはどうしてベティーの隠れ場所をすぐに突き止めることができたのか。疑問に思ったレスターは、ハンクにもっと詳しい調査を依頼する。

ベティーからレスターに連絡が入った。緊急の用だと言われ、急いで掛け付けるレスター。ベティーは「誰かに見張られている」と恐怖を訴える。倉庫周辺を調べようとしたフレッドに何者かが銃撃してきた。フレッドが再び襲ってきたのだ。
レスターはフレッドに話し掛けるが、全く相手にされない。どうやらフレッドは相手がレスターだと分かっていながら攻撃してきているようだ。レスターは倉庫の影に隠れ、フレッドに狙いを定める。弾丸は見事に命中し、フレッドは海へと沈んでいった。

情報局に戻ったレスターは、ハンクからフレッドのさらなる情報を入手。そしてフレッドが過去を消す以前に付き合っていた女性のことを知る。その女の名前はベティー・ホール。フレッドとベティーには過去につながりがあったのだ。
ベティの元へ行き、問い詰めるレスター。するとベティはフレッドと連絡を取っていたことを白状する。フレッドが狙っていたのはベティーではなく、レスターだったのだ。ベティーが重要証人となったのは、レスターをおびき寄せるための罠だったのだ。

真相を知ったレスターの前に、フレッドが姿を現す。彼はまだ死んでいなかったのだ。「なぜ自分を殺そうとするのか」と尋ねるレスターに、フレッドはニヤつきながら答える。「あんたはあの時、過去を全て消さねばならないと言った。だからあんたも消すんだ。俺の過去を知っているからな」
レスターは「ではベティーはどうなんだ?」と尋ねると、「もちろん殺すさ。最初から、あんたをおびき寄せるためのエサでしかないんだから」と答えるフレッド。彼がベティーに銃を向けたのを見て、とっさに身を呈して彼女を守るレスター。

右腕を負傷しながらも、反撃を開始するレスター。激しい銃撃戦が行われる。しかし利き腕をやられているレスターは、次第にフレッドに追い詰められていく。それでも何とか耐え忍んでいたレスターだが、ついに弾丸が底を突いてしまう。
ゆっくりレスターに近付くフレッド。不敵な笑みを浮かべながら、フレッドはレスターの頭を撃ち抜こうとする。だが次の瞬間、倒れていたのはフレッドだった。レスターが顔を上げると、そこには涙を浮かべたベティーが立っていた。彼女がフレッドを射殺したのだった。


<解説>

1996年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演作『イレイザー』の続編。とはいっても、物語としての関連性はほとんど無い。主人公が政府特別情報局員だという設定だけを引き継ぎ、それ以外は完全に別の話となっている。
前作では主人公と証人の女性の間に恋が芽生えたり、ややコミカルな部分があったり、軽妙さも感じられた作品だった。しかし今回はそういう部分はほとんど無く、完全にハードでシリアスなアクション映画として作られている。

話だけでなく、スタッフやキャストも前作とは大幅に入れ替わっている。製作は前作と同じくアーノルド・コペルソン&アン・コペルソン。『ディアボロス・悪魔の扉』『追跡者』『ダイヤルM』などヒット作を連発するコンビだ。
監督と脚本は交代。監督は前作のチャールズ・ラッセルから『ボディ・ターゲット』『ゴッチ・ザ・マフィア〜武闘派暴力組織』のロバート・ハーモンに交代。脚本はメリル・ストリープ主演作『激流』のデニス・オニールが担当している。

主人公レスター・ウォーレンを演じるのはドルフ・ラングレン。『ロッキー4/炎の友情』でロッキーの敵として強烈なインパクトを見せた彼は、『レッド・スコルピオン』や『ユニバーサル・ソルジャー 』など多くの作品で活躍している肉体派俳優だ。
フレッド・ハミルトンを演じるのはヴィンセント・ドノフリオ。『ザ・ウィナー』で冷め切った男を演じたかと思えば、『メン・イン・ブラック』ではコミカルでグロテスクな悪役を演じる。他にも『フルメタル・ジャケット』『フィーリング・ミネソタ』などの作品に出演している。

他に、ベティー・ホール役は『マネキン2』『ザ・チェイス』のクリスティー・スワンソン。ガイ・ドルツ役は『L.A. LAW 七人の弁護士』や『ふたりは最高!ダーマ&グレッグ』など、主にテレビで活躍するアラン・レイキンズ。ハンク・ベルティーを『スウィッチ〜素敵な彼女?』『私が愛したグリンゴ』のジミー・スミッツが演じている。


<蛇足>

ドルフ・ラングレンって、いつの間にかB級アクションスターになってしまったよなあ。無骨すぎるのがネックなんだろうなあ。シュワルツェネッガーのようにコメディに出演するのは無理だろうし。
クリスティー・スワンソンは、『屋根裏部屋の花たち』とか『バッフィ・ザ・バンパイヤキラー』の頃は可愛かったのに、『ザ・チェイス』あたりでは完全にケバケバ女になってた。なんだかなあ。


なお、この映画は存在自体がフィクションです。
こんな映画、実際にはありません。

 

*妄想映画大王