カンボジア訪問 (2007年3月)




     だれもが一度はこの目で見たいと思う
     世界最大の石造羅漢アンコールワットの威容
     世界遺産に登録され、今補修が進んでいる
     仏教とヒンズー教が交じり合った独特の
     石仏彫刻、神話、歴史絵巻物が壁面を覆う
     クメール族独特の宇宙観などロマン一杯のその遺跡にも
     シャム(タイ)やベトナムとの戦いの場面を描いたレリーフが多い

     アンコールワット大尖塔の背面から上がる朝日
     そしてアンコールワットを照らして沈む夕陽
     天地創造の神話を体現できる

     アンコールトムの最上階に四面観音菩薩像
     ジャングルの自然の木々に飲み込まれているタプロ―ム
     3700にも及ぶ天女像

     忘れてはならないのは、残された負の遺産
     300万人とも言われるポルポトによる大虐殺
     そして残された対人地雷とその犠牲者・・・
                                                  

     

 負の遺産

 今も300万個といわれる地雷が埋っている
 農民が、子どもがその犠牲者となる

 ARA.KI氏は、カンボジアの歴史に翻弄された人
 両親を殺され、10歳でクメールルージュの兵士となり
 その後も数奇な運命をたどる
 今は地雷除去と地雷の被害者救済に個人で
 取り組んでいる
 ボランティアの参加や資金援助を募っている
 
 

    ARA・KI氏個人がやっている地雷博物館
       (氏が実際に掘り起こした地雷を展示している)

 
 

 

  貴重な文化遺産としてのアンコール遺跡の威風堂々とした輝き
  その遺跡を飲み込もうとするジャングルの木々たち
  自然と共存して生きるカンボジアの人たちとクメールの伝統
  カンボジアの歴史は戦いの歴史
  ベトナムやタイからの侵略、フランスの植民地時代
  内紛から、一時的に政権をとったポルポト派
  たった4年の間に300万人の命が奪われた
  クメールの伝統や文化の継承も無残に破壊された
  今になれば狂気の沙汰としか言えないことが漫然と行われた

  それは今のイラクやアフガニスタンへの攻撃と重ならないだろうか
  10年後に振りかえって、あれは狂気の沙汰だったということにならないだろうか
  カンボジアの光と影を見て、
  わたしは何を学び何をしなければならないのだろう
  少なくとも間違った戦争に加担したくない
  いいえ、正しい戦争があったとしてもやはり嫌だ
  人々を幸せにした戦争なんてない
  勝っても負けても戦はいくさ
  そんな愚かな事に命を捧げたくはない
  だれがなんと言っても『戦争はしない』と言おうじゃないか
  日本国民なら言える
  だって憲法九条があるんだから

 

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