補足 書き漏らしたことがあります。 「なぜ庭の蔵には秘密の通路があったのか?」 本文中では触れませんでした。じつは書くつもりだったのに、尺が足りなくなり、後回しにしていたらすっかり書き忘れてしまっていたのです。 たぶん誰もが首を傾げますよね。なんであんなもんが都合よくあそこに、と。 いまさらで何ですが、この場で簡単に補足させていただきます。 江戸時代後期、とある理由(おそらく天候不順による作物の収穫の悪さ)で代官所に直訴した男がおりました。しかしながら願いは聞き届けられず、そんな代官を前にして男はさんざんに苦言を吐きました。元より直訴に及んだ男は打ち首覚悟だったが、役人どもを口汚く罵った上で見事、代官所からの脱出に成功。家にたどり着いた男はそのまま遠くへ逃げるつもりだったが、家族の説得で建築中の蔵に隠れ住む。捕り手の目をくらますため、蔵の奥に急遽開かずの部屋が作られ、出入りの便を図って裏に秘密の通路をこしらえた。 こんなお話を考えていたわけです。文書にも書き残されておらず、かろうじて勘兵衛じいちゃんが噂を耳にしたことがある…程度ということにするつもりでした。 いやほんま、すんません。 |
〜おわり〜
|
(2004年7月30日昼) |