三国越林道で童仙房へ その2

ここのところ、自転車で出かけると必ずといっていいほど雨に遭遇します。
たまの休日ぐらい気持ちよく走らせてくれよっと思いますが、こればかりは仕方ないですね。

(2004.9.14)

降ったり止んだりでもひとつ乗り切れません。
少し進んでは雨宿り、小降りで走り出し、また雨宿りの繰り返し。照ってくると蒸し暑い。
悪コンディションになり、だらだらと走る。
植林もあるが、雑木林が多いので、秋はいいかも。
以前は11月末に走ったので、少し寒いくらいだった。
遠くの山の稜線に水蒸気が立ち上るのが珍しくて何枚も写真を撮る。
尾根に出た。
周囲が開け、走りやすくなる。ちょっと回復。
茶畑の向こうに遠く青空が見えてきた。かなり回復。
おおっ、南山城村に入った。もうちょい。
思いっきりインナーに入ってます。
童仙房に入る。
こんな風景が広がっている。
この感じ。私が求めていたのは。
懐かしい。こんな道はスピードを出さずにゆっくりと走りたい。
稲穂が続く中をゆっくりとうねりながら続く田舎道。
たまらん。
童仙房のメインストリート。
自販機がうれしい。道の駅和束から初めての自販機。
当然、お買い上げ。
メインストリートを行き過ぎたところに東海自然歩道の標識があり、この休憩所への矢印が出ている。
吸い寄せられるように寄っていく。
中はきれいだった。先ほどの自販機で買ったコカコーラC2を一気飲み。ベンチに横たわる。もう少し涼しければ寝てしまうと思う。 赤とんぼが・・・この写真を撮ったあと、ついにデジカメのバッテリーが切れる。(野殿あたり)
このあとは、写真なしです。野殿から北上し、さらに奥にある童仙房の8番、9番へ向かう予定でしたが、分岐でミスコース。山の中の一車線道路を上り下り。進んでも変わらない風景にやや焦りだした頃、道端に不法投棄を発見しました。
この不法投棄が実に変で、デスク、チェア、パソコン、書棚など、オフィスが実に整然とそのまま道端に展開しているのです。ややっと思った瞬間、排水溝のグレーチングの外れたところに突っ込んでしまいました。
幸い、転倒は免れたものの、前後輪ともプシューと音を立てて空気が抜けてしまいました。絵にかいたようなリム打ちパンク。


あーあと道端に座り込んでパンク修理を始めました。すると、一台の京都ナンバーのハイエースが止まり、中から、スーツ姿の男が一人。「パンクか」「ああ」と会話をしていると、この男いきなりスーツを脱いで作業着に。
タイヤをいじりながらも、気になる男の動向。
すると、この男、満載の荷台からまたダンボールを出して道端に積み始める。不法投棄の主はコイツでありました。
しかし、山間での一対一、機動力では圧倒的に私が弱いので、無視して作業を続けることにします。

前輪をはずすときれいにスネークバイトパンク。イージーパッチを取り出したけれども、微妙に間隔が合わない。
予備のチューブを出して、これを前輪に。
後輪のほうがまだましかと思い、後輪をはずすとこれも当然スネークバイトが。
後輪にパッチをあて装着して、前輪をみるとぺったんこに。あれーと思って再度はずす。
予備のチューブのバルブ横にひび割れが。パッチがあてにくいが、少しずらして二重に貼る。
やれやれと思うと、いつの間にか後輪がふにゃふにゃに。あーっもうーっ!!!

2本のタイヤと3本のチューブを相手に手を真っ黒にして汗まみれになり、周囲のアブを払う男。
その前には、黙々と道端に不法投棄を続ける男。シュールな世界が展開されていました。

そのうち男が、帰り支度を始め、「童仙房山荘のとこまで、載せてってやろうか?」と聞いてきました。
そこまで行ったところで、700Cの自転車チューブがある訳でなし、断りました。

やっと修理が終わり、少し走るとまた一度通った童仙房小学校の横へ出ました。再度来た道を帰る気にもならず、少しでもショートカットするためにGPSを見て、R163に出ることにします。
山城谷川に沿って下っていくのですが、これが激下り。途中ブレーキを握る握力が厳しくなり、休憩してしまいました。
下りで休憩したのは初めてです。

もうあと少しでR163というところで、また前輪がぺちゃんこに。
JR大河原駅はすぐそばにあるので、このまま押してヨメに迎えを頼むか、あるいは自分だけ一旦JRで帰り、自転車を取りに来るか・・とぼとぼと押しながら考えました。すると、R163沿いに交番がありました。誰もいませんが、落ち着いて修理できるスペースと水道がありそうでした。真っ黒な手と顔や首筋を洗い、落ち着いて考えます。

イージーパッチはあと一枚あります。意を決して再度チューブを取り出すと、激下りでよじれたように外れてしまっていました。最後の一枚で行けるところまで行こう。

R163を大型トラックにあおられ、笠置トンネルでは死ぬかと思い、ほうほうの体で家にたどり着き、ワーストツーリングは終わりました。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。
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