KOENIG PORSCH 911 BITURBO

今までいくつものお手つき未完成キットを産出してきましたが、それを再び引っ張り出して作ったことはありません。想いに技術が追いつかなかったのが一番多いですが、塗装に失敗してナエてしまったもの、いぢくりまわしているうちにスパッとまったくの新金型キットが出てしまったもの、理由はさまざまですが、これらの亡霊を鎮めるためいくつかを成仏させたいという気持ちをずっと持ち続けています。
今回は、10年位前に技術的な理由でほっぽりだしてあったこのキットに再チャレンジしてみます。
日本列島がバブリーな雰囲気に覆われ、バブリーな外国車専門誌に実車の写真があったのを覚えています。
メーカーはフジミ。車の模型に元気があった頃のものなので、何とかなるでしょう。

放置プレイになった理由は、ポリパテを盛ってある右フロントでした。ボディの周りをぐるりとモールが走っているのですが、そのモールに何本か細いラインが彫りこまれています。
当然そのモールとパーティングラインがクロスするのですが、そのクロス部分が右フロントで1oほど上下にずれていたのです。
当時、パテはタミヤかグンゼのラッカーパテしか入手できず、また盛り付けたところにコンマ数ミリ単位でラインを彫り込むのは技術的にも不可能だと思われたし、そんなツールもありませんでした。
ところが最近、エッチング鋸が出回りだし、パテもポリパテなら肉やせも少なく、何とかなりそうです。
ということで、早速ポリパテを盛り付けたところです。
ボディ前半分だけ着手し、サフェーサーを吹き付けて様子を見たのでしょうか。サフェーサーはフロントだけ、リア部分はサフ吹きもやめています。給油口の蓋?も、筋彫りを深くしようとしていたようですが、ラインが乱れています。この際パテ埋めしてしまいます。
シートもブラックに一旦塗装後、突き出しピン跡を埋めかけて放り出してありました。これも再度パテ埋めして仕上げます。
内装は赤と黒のツートンで仕上げることにしました。
黒一色ではスパルタンなムードになりすぎるし、ちょっといやらしい雰囲気をねらってみました。
上で、下地仕上げしたシートと室内も2色の塗り分けにします。
スーパーな車ですので、なんでもありでしょう。メーターパネルも同色でコーディネイトしておきます。
いずれも適当な赤をエアブラシしてあります。
ステアリング。真ん中はもともとモールドされていません。白いのがモールドされていたものですが、あまりにノーマル然としていますので、ジャンクからスポーティなステアリング(真ん中)を流用します。(R32スカイラインのジャンク)
あっという間に室内完成です。
ステアリングの赤い部分はモデラーズのインテリアスプレーでもバックスキンな感じにしています。
デカールはかなり硬くなっていました。何とかだましだましインパネに収めます。
オーディオスピーカーが文字通り浮いています。
手付かずの小物パーツの製作に入ります。

エンブレム。
なにせ古いデカールですので、研ぎ出しに耐えられるかどうか不安がありましたので、これだけ別にして0.3ミリのプラ板に貼り付けて研ぎだしてみようというコンタンです。
もし失敗したら、取り付けなければいいのですから・・
クリアを厚めに吹いたのですが、やはりデカールの糊が弱っていたのか、半分くらいがぺりっといってしまいました。

この際なしにしようかなぁ。リアもどうせついていないし・・・
もうひとつ。
フロントウィンドウに細かな傷と接着剤の後がありました。

トラックのめっきパーツでは失敗したハセガワのコンパウンドをもう一度使ってみます。
今度はバッチリきれいになりました。
1500番から2000番のペーパーで傷を落とした後、コンパウンドで磨き、さらにコーティングポリマーを塗ればこのようになりました。

これでキズキズのクリアーパーツも怖くない。
このバックミラーの取り付けはかなり厳しいのではないかと思うのですが・・・
突き出しピンの跡に0.5ミリくらいのモールドパーツをイモ付けせえってそりゃ無茶やと思いまっせ、フジミはん。

軽くざぐった後に接着しときましたが、はたしてもつのでしょうか?
シャーシ裏面です。
エンジンはフロア部分から下だけが表現されています。
ほぼエナメルとメタルカラーで仕上げてありました。
これらはそのまま使いました。

ボディカラーは、箱絵では赤ですが、もともとおもちゃっぽい形の車ゆえ、よけいおもちゃ然として見えます。

少しでも重量感を出そうと、ガンメタルにすることにしましたので、その色を塗装しています。
ところどころ赤にしようとしていた時の色が残っていますが、これもあえてそのまま使いました。
色がちょっと変に写ってしまいました。小物パーツをつける前にボディとシャーシを組んで見ました。
まあいい感じです。

フロントのエンブレムは、やはりないと間が抜けてしまうので、結局つけることにしました。今度は吹き付けせず、スーパークリアの原液を表面張力で盛り上がるように載せ、そのまま乾燥させました。

組み付けるときに気づいたのですが、どうもボディ全体が歪んでいるようで、透明パーツとの合いが悪く、無理やりはめ込んであります。
これが実物の色に近いですね。
マクロでストロボを使うとごらんのように手前に大きな影ができます。
模型の写真は難しいです。

これで、製作記はおしまいです。

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