2011/05/08<木造建築>
高欄
高欄(こうらん)とは橋・廊下などの両側につけた欄干(らんかん:手摺)。
寺や神社の回り縁(まわりえん)などで見かけるのも高欄です。

柱頭(ちゅうとう)に擬宝珠(ぎぼし)をつけたものは擬宝珠高欄(ぎぼしこうらん)と呼ばれ
擬宝珠にも様々なものがあります。

先端をはね出したものは刎高欄(はねこうらん)。
刎ねる(はねる)は「首を刎ねる」に用いる漢字です。
漢字の意味と意匠の関係はよくわかりません。

これは古民家の渡り廊下の高欄です。
これも作者が擬宝珠(ぎぼし)高欄を模したものと想像できます。
上品ですね。
2010/08/16<木造建築>
浄瑠璃時

「三重塔」には「薬師如来像」が安置されています。
薬師如来の浄土は東方浄瑠璃の世界です。

「本堂」には「阿弥陀如来」が祀られています。
阿弥陀如来の浄土は極楽の世界です。
東に浄瑠璃浄土の薬師如来、西に極楽浄土の阿弥陀如来を向かい合わせに祀った珍しいお寺です。
薬師如来は人々のあらゆる現世の苦しみを取り除き、阿弥陀如来が来世の幸せの保証を与えるそうです。

阿字池(宝池・苑池)の西の縁には石の灯篭が立っています。
東側の向こう岸が現世の「此岸(しがん)」で、こちらの西側が来世の「彼岸(ひがん)」です。
阿弥陀さんが極楽浄土から迎えにきてくれる石の灯篭は目印なのかもしれません。
ここの阿弥陀仏は九体あり、現在も九体仏像が残っているのはここだけです。
浄瑠璃寺は九体寺(くたいじ)とも呼ばれています。
浄土伽藍の浄瑠璃寺は、観光ルートから外れている穴場です。
四季俺々の風情がある非常に静かで穏やかな気分にしてくれる癒しのお寺です。
ぜひ、おとずれてみてください。
2010/08/10<木造建築>
東福寺

京都にある禅寺で1230年代開かれました。
寺の名は奈良の東大寺と興福寺から一字ずつ取り、東福寺としたそうです。

方丈(ほうじょう)とは禅宗寺院における僧侶の住居です。
東福寺方丈には東西南北に四庭が配され、「八相成道(はっそうじょうどう)」に因んで「八相の庭」と称されます。
現在の庭は作庭家、重森三玲(しげもりみれい)によって、昭和14年に完成されたものです。

南庭。
110坪の枯山水です。中国の仙人が住むといわれる四仙島を石を配して表現し、渦巻く砂紋は八海を表します。
五山をなぞらえた築山には見事に苔が覆い茂っています。
海を表す砂紋との境目がいい感じです。

西庭。
さつきの刈り込みとくず石を市松模様に区切った「井田市松(せいでんいちまつ)」。

北庭。
ウマスギゴケの間に、こちらも市松模様に配された石が印象的です。
なんともいえない配置がバランスの取れたアンバランスを感じます。
なんちゃって。

東庭。
「北斗の庭」。円柱は北斗七星、砂紋は雲、左後方の生垣は天の川です。
わずかなスペースに小宇宙をつくりだいしています。

北斗七星を見立てた石に地貫の小穴と丸いダボほぞを発見。
資料を見ると、境内の建物の柱石を再利用したとか。
こんなんがよろしいですな。
2010/02/07<木造建築>
元興寺
北海道、東京、岐阜から来た建築士会の仲間と奈良観光で訪れました。

飛鳥の地にはじめて正式な仏寺が建立されたのが飛鳥寺です。
平城に都が移された8年後、この飛鳥寺も移されました。
同時に元興寺と改められました。
政府や貴族ではなく、庶民に支えられた寺なので、浄土信仰、地蔵信仰、
聖徳太子信仰、弘法大師の真言信仰などが入り混じった寺として群集を集めました。
現在は世界文化遺産に登録されています。

日本で最初の瓦は移築や葺き替えを繰り返す中も使い続けられ、
現在も数千枚が本堂と禅室の屋根に乗っかっています。
すごいですねぇ。
2010/01/31<木造建築>
長谷寺

初瀬(はせ)街道は大和と伊勢を結ぶ街道で、初瀬から青山峠を越え松阪まで続いています。
初瀬はその宿場町として栄え、同時に国宝の十一面観音菩薩を本堂に祀る西国三十三所観音霊場の
根本道場とも呼ばれる長谷寺があります。あいにくの雨模様でしたが、四季俺々の花が楽しめる雄大なお寺です。
一度おとずれてみてください。

仁王門から約60m300余段の登廊(のぼりろう)と鐘楼をくぐりぬけると左手に本堂です。

十一面観音菩薩は身の丈(みのたけ)三丈三尺(さんじょうさんじゃく)、右手に錫杖(しゃくじょう)を持っています。
※一丈(いちじょう)は約303cm、一尺(いっしゃく)は約30.3cmなので、三丈三尺は約10m。
本堂内での写真撮影は禁止なので、本堂前の舞台から記念撮影。<ええのかなぁ?>
詳しいお姿はホームページかパンフレットをごらんください。※いろんな意味でこれが限界です。

いつもながら気になる木の仕事。
扉の横桟は二枚ほぞに楔(くさび)打ちこみ、
柱の根継ぎの片方には千切り(ちぎり)という楔(くさび)です。
古いものに手を加えて長持ちさせるのはいいですね。
2009/10/28<木造建築>
つけひばたとうめがし
付樋端と埋樫。食べる物ではありません。

引き戸を建て込む鴨居には建具を引くために溝がついてあります。
例えば鴨居の断面が二寸×四寸の場合で引き違い二枚建ての場合で、
建具の見込みが九分の襖溝の場合は七分三分の溝です。<わかるかなぁ?>
付樋端はその溝をつく(つくとは彫るとか切るとかのイメージ<わかるかなぁ?>)代わりに、
別の木を打ち添えて、建具が通る溝をつくるやり方です。
ここでは漆が塗ってありました。<すごすぎるぅ>

鴨居と言えば敷居ですよね。一対のものです。
外部に面した敷居だったのですが、レールではなく溝でした。
普通、外部に面した敷居は吹き降りの雨が屋内に入らないように、
水勾配をつけて、水返しを施し、レールを打ち付けるのが昔の町家の造作です。
レールにするのは、維持管理の上でレールや戸車の交換が容易だからでしょう。
ここは、樫の木を埋めてありました。レールや戸車の交換ではなく、埋め木を交換するのですね。<すごい!>

その上、溝には水返しのかわりに、水抜き孔があって、銅筒の樋が蹴りだしてありました。
以上は日光多母沢御用邸(にっこうたもさわごようてい)でのことです。
今回は専門家でも上級編ですね。
2009/10/17<木造建築>
木組みと道具

木造建築の伝統工法は、その木組みの表現に驚きのあまり息がもれます。
「へぇ〜。」「はぁ〜。」「ほぇ〜。」「ひぇ〜。」
一つ一つ、構成する部材が丁寧に手づくりだから余計にそう感じるのです。
上の写真は展示してあった模型です。
「へぇ〜。」「はぁ〜。」「ほぇ〜。」「ひぇ〜。」

それらを作るには当然道具が必要です。
道具はほとんどが刃物です。
つかっていくうちに切れ味が落ちます。
切れない道具で良い物はつくれません。
切れなくなれば研ぐのです。研げば刃先が短くなっていきますが、
根元まで刃金がついていますから、一生研いでもなくなりません。
使いこなした道具と技で、模型とはいえすばらしぃ!
ええしごとやなぁ。
2009/09/20<木造建築>
いぬいもん

草津宿本陣の物入と乾門の修理工事現場を見学させていただきました。
歴史のある建物の普段見ることが出来ない角度や距離から
眺めることが出来るのでワクワクします。
乾門だから戌(犬)と亥(猪)。なんでやねん!

門の正面の虹梁には三本の筋が掘り込んでありました。
なにかのおまじないでしょう。
ご存知の方いらっしゃいませんかぁ。知ってるよ

物入といってもイ○バの物置とはわけがちがいますよ。
桁行八軒 梁間四軒 軒高二軒 棟高三軒の立派な建物です。
質素な材料ですが、その小屋組みは迫力感じさせます。なるほどぉ

やはり根継ですね。
金輪継ぎと鎌継ぎです。
鎌継ぎは珍しくはないのですが、四方ではなかったですね。ほおぉ

外壁は土塗りの中塗りで仕上げるそうです。
時間と手間をかけた分だけの寿命が建物に吹き込まれる気がします。ええこと言うやん!

ワラスサを混ぜて寝かせておいた土塗り材に
さらに細かいワラスサを混ぜてネタを作ります。
調材には職人の経験と勘どころも加わります。よっ左官さん!

塀の控えの石は、重さと腐食防止の一石二鳥。うまいっ!
2009/09/09<木造建築>
根継ぎ
本日は2009年9月9日 090909です。
大した意味はありません。

外部に面した、特に門などの地面に近い柱の足元は腐ります。
柱ごと取り替えるのはたいそうです。
だから継ぐのです。
足元以外は使えますから、もったいないですし。
2009/09/07<木造建築>
こけらぶき

慈照寺(銀閣寺)は生垣からはじまる境内を一巡すると、
東山文化の伝来を、今に受け継がれた物だけではなく、
なんともいえない心の安らぎを見事なまでに残した寺だとよくわかります。
京都御所から見れば東のこの地に造営し、水と緑と石の配置はあらゆる世界を、
贅沢なまでに取り入れたすばらしい遺産です。

観音殿(銀閣)は現在改修工事中です。
その屋根は柿(こけら)葺き。
以前檜皮(ひわだ)葺きとの違いを話題にしたことがありますが、
ここは”さわら”という木を厚さ2〜3ミリに割いた材料を使うそうです。

「なんということでしょう!」<げきてきに言ってください>
模型がありました。

30ミリずつずらして葺くそうです。
檜皮は15ミリ。<おうてましたな!(合ってましたね)よかったでんなぁ>

軒先の収まりもよくわかりますねぇ。
水切りの銅板はこんなんなってるんやぁ。
2009/07/20<木造建築>
らくがき
と、いきたかったのですが、柿(こけら)葺き。

檜などの板をつかいます。板といっても割いたものでへぎ板というものです。<リンクにありますぅ>
仕上げになる柿の厚みは2〜3ミリですが、野地からは厚めのものになるので、
違う呼び方があったようです。<しらべときますぅ>
色のちがい:檜皮は茶→経年で赤っぽい→さらにこげ茶、柿板は肌色のような木の色→経年で灰色から黒)

取って置きのネタでいずれ 使おうと思ったのですが、
先週、見学にいった先の京都の寺の屋根は檜皮での葺き替えです。<タイムリーヒット!>

流れに対して、段がついているピッチが檜皮のほうが小さい、柿のほうが大きいです。
つまり重ね代が多いのが檜皮、少ないのが柿です。

檜皮葺きと柿葺きを見くらべると、
軒鼻(軒先)にその違いがあらわれます。

檜皮葺きは材料が軽量という良い点と耐用年数が短いという悪い点がありますね。
年数が経つと、竹釘が見えてくるほど皮がやせます。
2009/07/05<木造建築>
記念講演会
国立奈良女子大学の記念館に行ってきました。

木造2階建てで寄棟屋根の二階部分に講堂があり、
短辺方向は16mのバランスのとれた空間でした。

舞台横にあったピアノは、建築当時からあるものを修繕したヤマハ製です。

<自由にお弾きください>にはびっくりしました。
100年前のピアノですが、すばらしい音色です。<わかるんかぁ!!>

東の窓から大仏殿がみえましたぁ。先人が見た いにしえの景色と同じ物ですよね。<ロマンチック!>

プロジェクターの映写時に閉めたカーテンの光がなんともいえない紫色できれいでしたね。

当時の設計図と模型をみながら、天井を見上げ、
「小屋裏はどうなってんのかなぁ。」どんな木組みか見たくてしかたありませんでした。

お誘いいただいて、ありがとうございました。
Re:ありがとうございます。
2009/06/23<木造建築>
そぼく

素朴で簡素なものは廻りに対して謙虚で目立たず調和して落ち着きます。
使われている材料は、木と土ですから当然 景色に溶け込むはずです。
それでいて味わい豊かな、数寄です。いいですねぇ。
・礎石:八寸丸程度川石七個
・柱:丈七尺末口三寸さび丸太七本
・軒桁:間口けらば併せて八尺末口三寸さび丸太二本
・妻梁:奥行五尺末口三寸さび丸太二本
・まぐさ:奥行五尺末口二寸五分さび丸太二本
・束:丈2尺末口二寸五分さび丸太二本
・垂木:流れ六尺末口一寸磨き丸太十八本
以上、屋根仕舞いの材料までありませんけど、
すべての材料と建築費用はお問い合わせください。
どなたか建てません?
Re:ともちかさん、コメントありがとうございます。
これからもよろしくおねがいします。
2009/05/14<木造建築>
いらんでぇ!

平等院のお堂の外でいつものように怪しい目つき(怪しくないです職業柄の癖です。)でじろじろ見ていると、
柱脚と縁側の框との取り合い隅各部に なんだか<不自然な色と形の飾り>らしき物が・・・

「イマイチやわぁ。」
よくみると金属のかがやきぃ
「うっわぁ、耐震ダンパーやん。」「でかっ。」

「こんなんいらんのちゃうん?」(標準語:「このようなものはひつようないのではなかろうか?」
Re:なるほどぉ、ありがとうございます。
兜嚮ゥ建築事務所