相続税申告に土地鑑定評価を使うことによる節税効果について
きたまち不動産鑑定
不動産鑑定士 谷 正直
土地資産の相続税の節税として、不動産鑑定評価による土地資産評価が大きく貢献する場合があります。土地バブルの崩壊以降今日まで土地価格は下落を続けまだ底が見えない状況の中、相続税に使われる大蔵省財産評価基準よりも、不動産鑑定評価の方が低く査定できる場合があるからです。
財産評価基準での相続税路線価は地価公示価格の8割で設定されていますので、標準的な画地形状の宅地であればこのような逆転現象は起こりません。しかし、宅地の形状、規模、道路付、未開発宅地、市街化区域内田畑など市場性を減価させるような要因があれば、財産評価基準による一律の減価よりも、鑑定評価によるその土地独自の市場性を反映した土地評価(時価)の方が低く査定されるのです。
鑑定評価を採用して相続税の申告を行った実例を一覧しております。うち3件は税務調査も終了し相続申告が確定しました。幣鑑定事務所では、相続対象土地の概算査定を行い、相続税節税のメリットがあるかどうかの事前調査を無料サービスで行っております。
1.京都府K市 T氏 平成13年夏申告 平成15年春確定
地目 地積 特殊要因 路線価 鑑定評価額 確定相続額 差額
2300u 市街化区域内   251,000千円 191,000千円 鑑定評価額 ▲60,000千円
    開発許可済み宅地見込地
宅地 256u 市街化区域内         宅地と竹林が隣接2筆地 32,000千円 16,300千円 鑑定評価額 ▲ 7,000千円
竹林 568u  8,500千円
400u 市街化区域内、2m農道 25,600千円 15,200千円 鑑定評価額 ▲10,400千円
415u 市街化区域内、畔道 35,000千円 27,000千円 鑑定評価額 ▲ 8,000千円
合計 ▲ 85,400千円
2.京都府K市 M氏 平成13年秋申告 平成15年夏確定
地目 地積 特殊要因 路線価 鑑定評価額 確定相続額 差額
530u 市街化区域内、不整形    52,000千円  44,000千円 鑑定評価額 ▲ 8,000千円
竹林 1027u 市街化区域内    56,000千円  14,000千円 国税局による鑑定評価額 ▲30,000千円
    無道路地     26,000千円  
合計 ▲ 38,000千円
3.京都府K市 H氏       平成13年夏申告    平成15年春確定
地目 地積 特殊要因 倍率方式 鑑定評価額 確定相続額 差額
山林 80,000u 市街化調整区   289,000千円 37,000千円 国税局による鑑定評価額 ▲189,000千円
一部保安林 宅地隣接 (157倍) 約 100,000千円
4.滋賀県R市 I氏 贈与税平成14年秋申告
対象不動産 特殊要因 固定資産評価額から割戻し 鑑定評価額 差額
自宅土地建物 広大地、市場性減価 108,500千円 59,700千円 ▲ 48,800千円
アパート土地建物 広大地、収益性評価 213,000千円 147,000千円 ▲ 66,000千円
竹林 無道路地 7,600千円 2,600千円 ▲  5,000千円
5.大阪府H市  平成15年夏申告
地目 地積 特殊要因 路線価方式 鑑定評価額  
底地 922u 借地権付建物のある土地 36,000千円 28,000千円
土地 1,007u 商業広大地      
    収益性による評価 206,000千円 151,000千円
以上から、特殊な画地では財産評価基準の路線価と減価率を一律に適用するだけでは、その土地の個別性を反映した適正な時価の査定は困難であり、不動産鑑定評価が適正な時価査定に必要であることが、ご理解いただけたと思います。きたまち不動産鑑定は、このような多くの実績に基づき相続税対策の資産評価専門家として皆様にご協力できるよう日々研鑚しております。
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