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■講座概要 植物は胚発生過程を経て種子を作るが、この過程で基本的な体のパターンをつくる。そして発芽後、茎の 先端の頂芽分裂組織(メリステム)から葉や茎、花などの地上部の器官を次々と作りだす。植物の体作り は遺伝的な制御だけでなく外環境の影響も強く受ける。私達は植物の体作りの分子メカニズムを明らかに することを目的にシロイヌナズナなどを材料に研究をおこなってる。 |
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■主な研究分野と最近の研究内容 1.なぜふたば(子葉)は分かれているのか? 我々は2枚の子葉が融合してカップ型の子葉になる突然 変異株cucを単離した(図1)。この変異はCUC1とCUC2 遺伝子の2重突然変異によって生じる事を明らかにし、 CUC2を単離した。この変異株では、がくやおしべも融合 していた。現在までに、CUCがメリステムを作ったり、器 官を分けていくという地上部の体作りの根本に関わる重 要な遺伝子であることが明らかになったが、今後、これ らの遺伝子を中心にメリステム形成や器官形成の分子機 構を調べていく。 2.なぜ茎は上を、根は下を向くのか? 植物の茎は上を、根は下を向いてのびる。我々は重力屈 性反応に異常を示す突然変異株を20株以上単離した。 そして、茎と根では重力屈性の反応の一部で違ったメカ ニズムを使っていることを示し(図2)、sgr1とsgr7の解 析から茎ではアミロプラストという細胞内顆粒を含む内 皮細胞が重力を感受する細胞であることを明らかにした。 また植物ホルモンのオーキシンが根の重力屈性に関与す る際に重要な働きをするAGRとSLR遺伝子も単離してその 機能を調べている。 3.なぜ茎や根の細胞は縦長に伸びるのか? 植物の主軸を構成する各種細胞は縦長に伸長し、花茎、 胚軸、根などを形成している。我々が単離したスパイラ ル変異株では主軸などの表皮細胞が右回りにねじれ(図 3)、各種軸器官の内側の細胞層が無方向に肥大するた め、表皮細胞と内側の細胞の縦方向の長さを合わせるよ うに表皮細胞がねじれると考えられる。また、ねじれの 方向が左回りに逆転した変異株も単離しており、巻方向 が遺伝的に制御されていることが判った。今後、ねじれ 遺伝子と表層微小管などの細胞骨格との関連を中心に細 胞の伸長方向の決定機構を解明する。 4.ニコチンはどのようにつくられるのか? タバコの低ニコチン変異株を用いて、ニコチン生合成を 特異的に制御している調節遺伝子の単離と生合成経路の 調節機構の解明を目指す。 |
![]() (図1) ![]() (図2) ![]() (図3) |
■参考文献 *Aida M., Ishida T., Fukaki H., Fujisawa H. and Tasaka M. Plant Cell 9, 841-857 (1997) *Tasaka M.,Kato T. and Fukaki H. Trends in Plant Science 4,103-107 (1999) *K. Utsuno, T. Shikanai, Y. Yamada, and T. Hashimoto, Plant Cell Physiol. 39: 1111-1118 (1998) *T. Hashimoto and Y. Yamada, Molecular aspects, Ann. Rev. Plant Phyiol. Plant Mol. Biol., 45: 257-285 (1994) |
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■図の説明 図1 cuc変異株の表現型 (左上)野生型とcucの芽生え (右上)CUC2遺伝子の野生型の胚における発現 (下段左から順に)野生型の花 野生型のおしべ cucの花 cucの融合したおしべ 図2 シロイヌナズナにおける重力屈性反応の 遺伝的制御(太字は我々の研究室で解析している変異株) 図3 spr1変異株の黄化芽生えの胚軸 |
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