自分の説をネット上に公開しただけではその内容がいくら優れていても世間ではほとんど認めてもらえないのが実情である。したがって、自分の考えを世間に広め、それを認めてもらうためにはどうしても学会に入会し、その学会で発表することが必要となってくる。

 しかも、自分の説を世間で認めてもらうためには同じ内容のことを1度ではなく何度も発表する必要があり、そのためには1つではなく複数の学会に入会し、さらに1つの学会に何年も入会しつづける必要がある。

 ところで、この世界には無数の学会があるが、1つのテーマ、領域、分野に対応する学会は1つではなく複数あるのが普通である。この理由は言うまでもなく1つのことについてもいろいろな立場からさまざまな方法で説明すること可能であるからである。

 次に主な学会とその扱う範囲をあげる。

 

・日本物理学会

 物理学全般を扱う学会。純粋物理学、化学、物性学のみならず生物科学、生命科学、地球科学、天文学についてもそれを物理学の立場で研究し、発表することが可能。当学会に入会するには当会正会員2名の紹介が必要である。(紹介をもらうのは結構難しい)

 なお、当学会は1945年までは「日本数学物理学会」と称し日本数学会と一緒になっており、このときは入会に際して他の会員の紹介を必要としなかったが、1946年に日本数学会と日本物理学会に分割されこのときから両学会とも入会に際して他の会員の紹介が必要となった

ホームページ    http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/index-j.html

・応用物理学会

 工学など物理学を基礎とする学問を主に扱う学会。ただし、化学、生命科学、地球科学、天文学など物理学を基礎とする学問についてもそれを物理学の立場で研究し、発表することが可能であり、結局この学会のやっていることは日本物理学会とほとんど同じである。また、当学会は応用物理のみならず応用化学も扱っているが、この理由は言うまでもなく応用化学をメインに扱う学会が存在しないために応用化学に属する分野も当学会が担当しているためである。当学会に入会するには当会正会員1名の紹介が必要である。なお、この学会は日本物理学会よりも新しいにもかかわらず会員数は日本物理学会よりもずっと多い。

ホームページ    http://www.jsap.or.jp

・日本物理教育学会

 物理学と教育とのかかわりを主に扱う学会。当学会ではその他に物理学教育とかかわりの深い物理学史なども扱っている。なお、この学会は日本の主要な物理系の学会で入会に際して他の会員の紹介を必要としない唯一の学会であり、したがって日本物理学会、応用物理学会の代わりに入会する者も多い。

ホームページ    http://wwwsoc.nii.ac.jp/pesj

・日本化学会

 名前のとおり化学、物性学を主に扱う学会。当学会ではその他に化学とかかわりの深い原子物理学、核物理学なども扱っている。ただし、最近では化学分野にも日本物理学会、応用物理学会などが進出しており、この学会と物理系の学会との違いがなくなりつつある。

ホームページ    http://www.csj.jp

・日本天文学会

 名前のとおり天文学、宇宙科学を主に扱う学会。天文学の4本柱といわれる位置天文学、天体力学、天体物理学、宇宙物理学をメインに扱うが、気象学、地球科学、地球物理学、さらには自然地理学についてもそれを天体物理学の立場で研究し、発表することが可能。また、相対性理論など純粋物理学に属する分野でもそれを天文学と関連させて研究し、発表することが可能である。なお、当学会は1996年までは入会に際して他の会員の紹介を必要としたが、同年に規約が変更されこの翌年から入会に際して他の会員の紹介が必要でなくなった。したがって日本物理学会、応用物理学会の代わりに入会する者も多い。

ホームページ    http://www.asj.or.jp

・日本数学会

 名前のとおり数学全般を扱う学会。当学会ではその他に統計学、論理学、情報科学など数学の応用分野、関連分野も扱っており、数理物理学、情報工学、さらには言語学についてもそれを数学、論理学、情報科学の立場で研究し、発表することが可能。なお、当学会は1945年までは「日本数学物理学会」と称しており日本物理学会と一緒であったが、1946年に日本数学会と日本物理学会に分割され現在に至っている。

ホームページ    http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6

・日本数学教育学会

 数学教育を主に扱う学会。当学会ではその他に数学教育とかかわりの深い数学史も扱っており、日本数学会とこの学会の関係はちょうど日本物理学会と日本物理教育学会の関係と同じである。

ホームページ    http://www.sme.or.jp

・日本言語学会

 言語学の中でも文法などすべての言語に共通するものを主に扱う学会。当学会ではその他に言語学と密接な関係にある論理学も扱っており、情報科学、情報工学についてもそれを論理学の立場で研究し、発表することが可能。

ホームページ    http://wwwsoc.nii.ac.jp/lsj2

 

 ところで、このページを見ると地球科学系、生命科学系の学会が1つも紹介されていないことに気付くが、当然のことながら地球科学系、生命科学系の学会もちゃんと存在している。それにもかかわらず当サイトで地球科学系、生命科学系の学会を一切紹介しなかった理由は、地球科学や生命科学が数学や物理学とはちがって扱う対象によってその学問が定義されているためである。

 ところで、作者の学会に対する印象は、情報化が非常に遅れているということである。すなわち、年に数回開かれる研究大会以外に他の会員との交流の機会がないということである。

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