紫外線…たとえ「紫」に似た色でも誤り

 ご存知のとおり、可視光線(単に「光」と呼ぶことが多い)よりもわずかに波長が短い(あるいは振動数が大きい)電磁波は通常「紫外線」と呼ばれている。しかし、考えてみれば英語ではこれに当たる語は「ultra violet」であり、しかも英語では「紫」に当たる語は「purple」である。しかも、この語中の「violet」なる語の意味は「すみれ(菫)」であり、したがってこの「ultra violet」を訳すと「紫外線」ではなく「菫外線」となるはずである。

 それにもかかわらず、可視光線よりもわずかに波長が短い電磁波が通常「菫外線」ではなく「紫外線」と呼ばれている理由は、言うまでもなくこの菫色が青紫色にきわめて近い色であるためである。

 つまり、この事実は可視光線よりもわずかに波長が短い電磁波を「紫外線」と表現することは(一見すると正しそうに見えるけれども)実は誤りであることを示している。

生物の眼のおかしな構造…波長の短い光を紫に近い色に感じる理由

 ところで、このように最も波長の短い可視光線をその対極にある可視光線の色である赤に比較的近い色である菫色に感じる理由は、言うまでもなく光の波長を「色相」なるパラメーターにおきかえて表現する生物の眼およびそれを処理する脳のおかしな構造にある。

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