2003年6月5日(木)。
YKZ
(OA:WRENCH)
@心斎橋クラブクアトロ


開演直前に会場に着くも、人の入りは少なめ。
「大丈夫かなぁ、、、。」
と不安にもなったけど、寂しくない程度にはお客さんがいたので、気にしない。気にしない。


WRENCH
「マッドがもっと重くなった感じ。」
そんな印象しか持っていないのだけど、実は結構好きなバンドなので、ゲストで観れたのは嬉しい。前に観たのは、もう2年近く前だけど、、、。
「シゲさんは今日もしょっぱなから脱いでくるのかなぁ?」
って思ったら、ちゃんと服を着用しておられました。
と、アルバム1枚しか聴いたことなくて、かなり知識のない状態で望んだ久々のWRENCHなのだけど、爆音。爆音。特にギターが、ワーミーやディレイなど、色んなエフェクトを駆使した終始尖った音で、耳が気持ちよく麻痺。ただ、声が多少聴こえにくかったというのと、前に観たときは、もっと打ち込みを上手く融合した曲や、テクノっぽいインストなんかもやってくれて、
かなり多種多様で飽きのこないライブを観せてくれたのを考えれば、今回はハードコアな音に一辺倒気味だったかなぁ、というのが残念。
けど、ヴォーカルにエコーがかかって、声が宙をくるくる回っているみたいな、歌の渦状態や、生演奏なのに打ち込みが介入してくるみたいなリズムは、独特。唯一しっかり覚えていた「SOUL GLOW」は、途中のブレイクから一気にまた音が流れ込んでくるトコで高揚。他にもレゲエっぽいゆったりした曲なんかもやってくれて新鮮。最後には、シゲさんもやっぱ脱いじゃって、、、!


YKZ
WRENCHを観て、
「正直こういう重い音はもう辛くなっちゃったんかな?自分。」
と思っていたので、少々不安なままYKZ。
しばらく外で休んでから、会場内に戻ると、
「どこにいたの?」
というくらいのお客さんが最前のフロアに待機してた。ゆえ、ほどよい人口密度でライブスタート。いやぁ、始まってしまえば、最初の杞憂なんて吹っ飛んじゃいました。何ていうか、重いんだけど、めちゃ重いんだけど、YKZの音には不思議と浮遊感というか、空間的な広がりがあって。
いや、ベースとかチョッパー連発でブリブリなんだけど、曲中の8割はストレート過ぎなミクスチャーなんだけど、ふと音にぐるぐると包まれるような、音が立体的に広がる場面があって。その瞬間にガンガンに攻め立てるような音圧が気持ちよく開放されてく感じでよかった。

あと、達三くんはホントに楽しそうで最高!
MCもラップ調なのは、ちょい恥ずかしかったりもするんだけど、予想以上に「俺ら、YKZ!」みたいなこと言いまくってたんだけど、それらがことごとく、くどく聞こえなくて。むしろ、オチャメというか、はっちゃけが伝わってきてわくわくする。途中、MCの勢いが余って、言葉使いが荒くなっちゃって、照れながら謝ったり。ベースの田中さんに「おいおい。」って頭をぺしってされたり(笑)。何か、すごい上手いバンドメンバーが保護者で、達三くんは思い切りはしゃぐのが好きな子供ってスタンスなのかも。そんなバンドの雰囲気も楽しげ。と、自分の勝手な憶測を置いて考えても、場を盛り上げることを熟知したステージングは素敵だと思う次第。とにかくよく動いて、遊びまわって、隙間のない完成度高過ぎで、感じようによっては威圧感もありそうな演奏にお客さんが入り込む余地を作ってる気がした。演奏がただひたすら痛快に聴こえるようになっていくというか。曲のリズムがより際立つようになるというか。ラップの内容も変わった言葉が多発するパズルみたいな雰囲気で、押し付けがましくないんだよなぁ。普通、ミクスチャーのリリックで”ジャポニカ学習帳”とかって出てこないでしょ?そんな摩訶不思議な言葉を高速で放ちまくる達三くん。「BLOW BACK」や「DETERNATOR」など、ノリのいい曲はホント楽しかった。

ただ、中盤のメタル合戦なトコは個人的に「うーん、、、。」って思った。長髪のヅラを被ったり、サポートでギター&ヴォーカルの人が入ったりして、演出的には遊び心に溢れてて、おもしろかったんだけど。いかんせん、こういう音が全く好きじゃないので、、、。

けど、終盤のたたみ掛けるような曲順は最高で。「NEXTREME UNKNOWN」とか「HARMORHYTHM」とか、かなり盛り上がりる。盛り上がる。んで、アンコールの1発目が「SONIC TEMPLE」って!これはもう一番好きな曲だったんで、少し後ろで引いてみてた自分も、前に直行。モッシュの中に、まみれまくる。リズムのキレがとにかく気持ちよかった。
つーか、もうテンション上がりすぎて、よく覚えてねー。最後の最後には達三くんと手を合わすこともできて!ホント楽しいライブでした。久々に、脳味噌の中の悶々がどーでもよくなったもん。