08. Breath Mark  『防波堤の空』
時計はカチカチと時間を刻み続ける。 暑さで寝汗をかきまくって起きた瞬間もただ機械的にカチカチカチ。 何だか時間に支配されてるとでも言いたくなる自意識過剰に陥って嫌になる。 遠く遠くの浜辺から響いてくる雄叫びの様なブレイスマークこと二羽高次の大きな寛容力と力強さを持った歌は、少しの間そのカチカチを止めてくれる気がする。 音数の限られた隙間を活かしたダブの要素のある音はポツンポツンと浮かんで、その歌に静かに寄り添ってく。 このCDは3曲しか入っていないのだけど、
少ない曲数、短い流れの間でも、大らかな感覚にさせてくれる。 表題曲の打ち込みの弾き語りとでも形容したい歌の深い余韻。 2曲目「るりいろ」の電子音がチリチリシュワシュワと弾けて消えてく簡素なトラックに、沖縄音階が所々に練りこまれた抑揚を描く歌の不思議な心地よさ。 3曲目の密室で民族楽器のリズムを組み合わせたようなリミックス。 この音々の中では段々時間を忘れていく。 というか、何かを強烈に主張するわけでもなく、ふっと忘れさせてくれる。 波の音と共にどこからともなく聴こえてきたら無性にニヤリとしたくなる、架空の空間の民族音楽。
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