3月3日(火)。
RIP SLYME
”CLUB TOUR 2004 DANCE FLOOR MASSIVE”
@ZEPP OSAKA


「やっぱり、リップが好き。」
はい、待望のリップスライムのライブ。
チケット代8500円!
自己最高額です、この値段 (フェス系のイベントは除く)。
Limited Goods(2000ピースのパズル!)が貰えたのだけど、8500円。
「高い、、、。」
けど、PESを間近で観るためだもん。 行ったよ行ったよ、俺は。
事実、千葉正嗣さんことぺっすぃはかわいすぎた。
「とても20代後半には見えん!」
肌とかめっちゃハリがあって、ピチピチやし。
ちっちゃくて、子供みたいな見た目やし。
「やっぱ、ぺっすぃは生で観なきゃ!」
って、ホント近くで観れてウハウハでした。うへっ。

と、余談はこれくらいにして、今回は18歳以上限定の21時開演のプチ深夜公演。 ステージのセットも、ちょっとクラブ風。
というか、大人のためのおもちゃのディスコって雰囲気。
そんな空間の中で、終始リップは予想以上の計算されつくしたエンターテイメントを見せてくれた。
当然のごとく完成度の高いFUMIYAの作る音と、それを魅せる・聴かせる仕掛けの恐ろしいほどの巧妙さ。 4人もMCがいるのに、ツボを絶妙に押すよーな気持ちのよい呼応具合かつ、全員のキャラクターが個々に見事にクッキリと浮かび上がっていて、役割分担も完璧なマイクリレーは「流石!」の一言。
「お客さん、絶対満足のはず!」
観に来ている人を楽しませるという点に置いて、今リップを超えるアーティストはなかなかいないんじゃないだろうか?
そのくらいにライブ自体の質は高いものだったと思う。

でも、その完成度の高さは、同時に今にも壊れそうな危うさでもあったかも。
「5人が同じ方向に向かっているようで、実は全く支離滅裂なんじゃ?」
「どこまでも緻密に構築されているように見えるが、実はその内部は限界が来てる。」
そんな不安感が漂ってる気もしたのだ。
とにかく、今回のリップはどこまでも楽しく素敵なライブを体感させてくれたのだけど、どっか心にひっかからないもどかしさがあった。
去年の夏の野外ライブでは、泣きそうになるくらい新鮮で懐かしくあったかい感触をくれた「虹」や「ONE」、「TIME TO GO」の”ようやく僕は報われたんだ。”っていう小さくも確固たる言葉も、何か今一つすんなり反応できない、体に入ってこない。
しかし、同時に、このことは現在リップが売れ売れな1つの要因なのかもしれない。 それは、リップスライムのスタンスが” 時代の流れに上手く乗っかっている ” ということで。
「面倒なものを取り払った適度な距離を保った関係性。」
「的確な分析から成り立つ、びっくりするような斬新さ。」
「難解なことを分かりやすく変換する技。」
「闇すらもギャグにして笑い飛ばす強さ。」
つまり、思い切り楽しい感覚を提供してくれる高性能なロボットみたいなのだ。
んで、実際にリップはただひらすら自分を楽しませてくれたし、躍らせてくれた。
「けど、何か足りない。」
言うなれば、「ロボットじゃ、何か大切な質感みたいなものが残らない。」という感じ。 そういう面で、今回の1つの頂上を迎えたようなすごく質の高いライブは、楽しくも知らない間に何かを警告されてるよーな気分にもさせれた。
だからか、煮え切らない気がしたのだ。

けど、新曲は違った意味でとてもよかった。
ライブでやりなれていない分、ほかの曲に比べると完成度は少し劣ってたのかもしれないけど、とても心に響いたから。
「プラスでありマイナスでもある妙なスパイラルから、必死に抜け出そうとしてる。」
大きな完成形を持て余しつつも、次に行こうとする過程の音や言葉はじんわりと染みてくる活きてる優しい感覚があった。
それは” 時代の流れに上手く乗っかり過ぎた ” リップというロボットが、またちゃんと自身で息を吹き返そうとしている試みであるようにも思えたし、”Everybody needs my sunshine.” って言う笑いながらも死ぬほど真剣なこの曲には未知なる次に繋がるワクワクするものがある気がする。
ということで、
「やっぱり、リップスライムが好きだ。」
結局、そう思わされたライブであることは間違いないのですよ。