2004年3月9日(火)。
PE'Z
”REALIVE TOUR1 2004 春〜今回は多めに回ります。〜”
@神戸チキンジョージ


「挑戦的だなぁ。」
約1年振り久々のPE'Zのライブ。
「恐ろしく音が良くなったなぁ。」
というのが、第1音を聴いた時の驚き。
会場が以前と違うということもあると思うのだいけど、何かそーいうレベルじゃない程の音が良質へと良質へと変化していることに、最初から気持ちよく耳がやられっぱなし。
PE'Zはインストバンドなわけで(時々、宇宙語ちっくな語りなどが入ったりするが)、言葉で何かを主張してくるわけでは決してないんだけど、この進化をあえて言うとするならば、
「強い意志を持った感動的な音。」
だった。 何ともボキャブラリーがなく、陳腐な言い方だけど、それ以外に表しようがない「1音1音に感覚が反応する」音が鳴っていたのだ。
それには、PE'Zが元々演奏がめちゃ上手いっていうことも関係してると思うんだけど、この空気にはそれ以上の得体の知れない物があったのも確かなわけで。 1年前に観たPE'Zも、もちろん演奏は上手かったし、盛り上がりドコを踏まえたテンポのよさもあった。
けど、今日のライブを観た後では、前のライブは、はっきり言って比べ物にならない気がする。 それ程、よくなっていたし、前は”すごく上手い”けど”ライブとして物足りない”感じがあった気さえした。
そんな今回のライブ、特に「大地讃頌 」のじんわりとゆったりと広がっていって、一気に開放されるような音の壮大さは、ちょっと茫然としてしまうくらい感動的。
んで、代表曲「Akatsuki」のイントロが鳴った瞬間の盛り上がりと高揚感は言わずもがな最高。
さらに、変則的にトリオ編成で入れ替わり演奏したりと、2時間という時間を感じさせない音の多彩さも絶妙。 それらは、
「前回のライブって一辺倒だったなぁ。」
と感じてしまうほどの素晴らしさだった。

と、ちょい脱線するけど、やっぱヒイズミマサユ機ことヒィちゃんの話もしとこ。
ってことで、生ピアノを使ってたヒィちゃん。
その分、いつものカスタマイズされたキーボード時のような音のトリッキーさはなかったんだけど、鍵盤の上手さは間違いなく伝わる演奏だった。
そして、この人自体がトリッキーなので、観ている方は決して飽きない飽きない。 だって、ものすごく巧みでキレイな旋律を弾いた次の瞬間には、マイクを持って、スピーカーに登って、意味不明言語を連発してるんだもん。
「あぁ、超地球的だ! この人わっ!」
あげく、足でピアノ弾いちゃったり(しかもナゼかそれなりに弾けている)。
「あぁ、宇宙人だ! この人わっ!」
そんな宇宙人を内包するPE'Zですが、MCはかなりアットホーム。
ほとんど大山リーダー(トランペット)が、笑えるうんちくを黙々と語るのだが、突発的に他のメンバーに話題をふるので、その時のあたふたぶりが、かなりおもしろい。 今ツアーでは、お客さんにくじをひいて貰ってメンバー紹介する人を決る試みもあり。 当たったJEW氏(サックス)が必死に話を膨らませようとしている姿は、とても楽しかった。
そして、紹介されている時も、変拍子なマイペースぶりを発揮するヒィちゃん。
「あぁ、やっぱ宇宙人だ! この人!」

話を戻して、ライブも後半になり、ノリのいい曲を連発する展開へ。
行ったと思ったら、3作のシングル曲は一切やらずにライブ終了。
「まだやるんだろう。」
と思ったお客さんからは、当然アンコールの声があがりまくる。
が、ホントにココで終わってしまった。
不満の声がちらほら聞こえたりして、
「あー、思い切ったことするなぁ。」
と、”きっと最後にシングルを3連発するんだろーな”と思っていた自分も、これにはビックリ。 というか、予想外の展開みたいな。
でも、個人的にはぜーんぜん不完全燃焼な感じはなかった。
むしろ、もうPE'Zには”否が応でも盛り上げよう”とするシングル曲を、無理にセットリストに入れる必要はなくなったんじゃないのだろうか、と思った。
ナゼなら、前述したように”音の1つ1つ”で心底ドキドキさせてくれるライブをしてくれたのだから。
うーん、満足!

あっ、でもだからこそ、音源をCCCDで出すのはやめてほしいなぁ、、、。