2004年1月16日(金)。 ”PEAK WEEK” pele / 54-71 / battles @長堀橋firefly fireflyは初めて行ったライブハウス(クラブ)だったんだけど、造りが何とも不思議で個人的には好きなタイプのハコだった。迷宮って感じでね(狭いけど)。あと、やたらと間接照明を使ったライティングもよさげ。 「やっぱ地下空間はこうじゃなくちゃ!」 54-71 「子供の頃にイケナイ遊びしてるみたいな。」 そんな気分になったライブ。54-71を観るのは実質3回目くらいで、前に観てからは1年以上のブランクがあった。 ら、 「おぉ!パワーアップしとる!」 ってのが如実に分かるくらいの進化と深化。ヴォーカルさんの奇抜な(変態的ともいう)パフォーマンスは、かなり控えめになったけど、前とは比較にならないくらいヤバイ空気がビシビシ伝わってくる。 そんで、 「何だか、イケナイことをしているみたいな気分、、、。」 になってくるのだ。 それは、54の鳴らす音が元々一筋縄ではないというのもある。 (ギターがピニュピニュという到底ギターの音ではないものを鳴らし続けたり、リズムがやたらと変拍子だったり、突然轟音にまみれたり。) けど、この不穏すぎる音の空間には、何だかそれ以上に ” やってはいけないよーなこと ” が鳴ってる気がする。しかし、それは同時に ” 形にされるべきこと ” なのかもしれない。 だから、すごく不安な気分にさせられるのに、なぜだかどんどんはまっていくし、知らぬ間にすっげー高揚してたりさえするし。不調和な展開の曲に合わせて踊りまくってしまったりもする。 んで、その奇妙な世界観の中には、何かものすごい怒りと、ものすごい悲しさが漂ってるよーな。どうしようもない怒りと、どうしようもない悲しさが、ヘンテコな行進をしてる感じなのだ。 とにかく鬼気迫るような緊張感の一時の中、ぐんぐんあがっていったライブは、「lonesome mold boy」という穏やかな曲で終わっていった。この曲のどこか寂しいながらも、静かに静かにゆっくりゆっくり安心していく雰囲気に、ちょいしんみり。 「ホラー映画で感動したことありますか?」 「うん。」 表現は思い切りイレギュラーでも、今回の54のライブは感動するものだったと思う。あぁ、よかった! pele 「鳴らされる音が全部ホントに気持ちよすぎて、何だか嬉しくなってしまう。更にテンションが上がり過ぎて意識が振り切れるかと思った。」 今回の日本ツアーで解散してしまうpeleのライブ。 「もうさ、” 最高! ”ってのはこういうライブのことを言うねん。」 と、こっそり断言しちゃったり。こっそりこっそり。 ひたすらキラキラしてるアルペジオを連発するギターも、しなやかなメロディラインを奏でる音の太いベースも、キュルキュルチリチリと空中を回流する電子音も当然のごとく絶妙に混ざり合う。 んで、ドラムはやっぱり「すっげぇ!」の一言。ドラムセット以外のもの(アンプやメンバーのお尻も・笑)を叩いたり、ハイハットを噛んだりする余裕も楽しげだし、何より 「どうやって叩いてるんすか?」 と聞きたくなるよーなリズムをバシバシ鳴らしまくるんだから。それに、その音の1つ1つも硬すぎず柔らかすぎず、滑らかなのにしっかりと芯はあって、ただただ心地よい。 1曲目の「Safe Dolphin」から、すでに盛り上がりは最高潮!なのに、その空気がよりぐんぐんと上がっていくもんだから、狂喜乱舞。 「何だか、音自体に嬉しくなってニヤけてしまう。」 という、滅多になりえない状態に。もちろんすでに意識は飛びかけ踊りまくりである。そして、曲の大きな流れの中で一旦静かに平坦になった後の、再度上昇する音が降り注ぐ瞬間はもう言葉にできないくらいの感覚。 それこそ、 「音に夢中で夢中で、何が何だかわけがわからない。」 そんな感じ。 続く、「Hummingbirds Eat」の後半部などは、会場全体が大きな音の波に飲み込まれたかのような、気持ちよすぎる空気が充満して、ひたすらぴょんぴょん飛びはねる。んで、やっぱり嬉しくなって笑っちゃう。 「こんなに人嬉しくさせることのできる音楽ってあるんだろか?」 と、少し真面目に思ってしまうほど、peleがライブで鳴らす音は心地よくピースフルで、人の感覚を高揚させてくれる何かが宿ってる。 むしろ、音そのものがもう嬉しそうというか、楽しさで溢れてる気すらもする。” 楽しそうな音 ”ではなくて、” 音自体が生命力に溢れていて、楽しそうに飛び回ってる ”といった感じなのだ。もちろん、音自体が生き物であるはずはないけれども、この音には確かに生命力のよーな強い何かがあって、ちゃんと人から鳴らされているということが直接感じられるあったかいものなのは、確かだと思う。 後半、お客さんも巻き込んでの手拍子から始まった「Crisis Win」の大盛況の末、最後の最後に1st albumの1曲目に入っているとても古い曲「the fader」をやってくれたのは個人的にびっくり。 「まさかこの曲が聴けるとは、、、!」 と、もう楽しすぎて、手を上げ踊り狂い、終わった後も、しばらく興奮が冷めない冷めない。 「pele、解散すんなよー!」 と、誰かの声が聞こえたけど、マジでそう思った。こんなに驚きと楽しさに溢れたライブをしてくれるバンドが解散してしまうのは、残念で仕方がない。 battles 「真夜中に聴く、密室での実験。」 ミニマルなリズムとミニマルなフレーズ。 繰り返して繰り返して、気付いたら、 「ここはどこやねん!」 というよーな場所に行ってしまうよーな音。 ギター3本(兼キーボード2台)にドラムという、ちょい変わった編成。 ボイスパーカッションに合わせて、徐々に曲を成立させていくのとかは、実験から曲が生まれるのを目の当たりにしてるみたいな心地。 アンコールでの、全員めちゃくちゃなことをしてるよーで(ほとんど遊んでるよーに見えた)、きっちり曲に成立させて起承転結させてる演奏はなかなかにおもしろかった。 ただ、自分はイマイチ何がしたいのかはっしりしてない印象を受けたりも、、、。真夜中に聴くのが妙にばっちりはまるライブでしたな。 |