2003年4月5日(土)。
”migu night in METRO”
migu / レイハラカミ / 平岡恵子
(DJ:堀江博久(Neil&Iraiza) / アイニ(smoras) / くるり)
@京都メトロ

メトロに着くと、
「マジで!?」
っていうくらいの人人人。人の列。これだけ人が多かったら収拾つかず、20分くらい遅刻だったのに、まだ入場は始まってなくて。
「ホントに全員入れるの?」
と思うほどのお客さんの数。
何やら、前売り350人で当日券も出るらしく。
「メトロに400人とか入ったら、、、。」
という不安が。今日はDJでくるりが来るので、その効果?
くるり恐るべし、、、。
とにかく、今まで行ったメトロのライブの中でダントツに一番の大盛況。会場後、30分くらいとめどなく人が入ってくる入ってくる。それでも、整理番号が比較的早かったので、かなり前の方に居場所を確保。2列目くらいでした。


平岡恵子(ex.桃乃未琴)
直前になって出演が決まったらしいので、
「誰?誰?」
という反応多数だったよーな。アコギで弾き語り+カシオトーンというシンプルな編成。なにげに昔から名前は知っていたのですが、あまり曲は聴いたことはなかった。そんな状態だったけど、知ってる曲もいくつかあり。歌が上手く、そして渋い。渋いというか、ブルージーというか。最初の歌で古い喫茶店のような雰囲気になったり。マイナー調のじわーっとしたトーン低めの曲が多いんですけど、暗いわけではなく。エフェクトペダル(?)を使ったカシオトーンの輪郭の曖昧な音と、しっかりした歌とギターが混ざって、ちょっと不思議な感じでした。そして、MCは曲の雰囲気とは違って、かなりおもしろな感じ。
適度にゆるーいしゃべりで、お客さんとのコミュニケの取り方が完璧でした。


− DJ − 堀江博久(NEIL & IRAIZA)
さすがにDJ慣れしてる感じで、曲の繋ぎ方とか、かなり上手かった気が。最初はピコピコ電子音率高めな選曲だったんだけど、途中から、ジャズっぽいのとかヒップホップとか色々かかり出して。幅広く、さりげなく多種多様。でも、とっ散らからない。
「たくさんDJしてるのかな。」
と、DJのこと全然分からない自分でも思う感じの上手さ。


レイハラカミ
機械だけでするライブって、どっか単調になっちゃうような気がするんだけど、この人は違います。毎回
「ライブで観てよかったー!」
って思うんで。音の強さとか、バンドと変わらないし。そして、今日もスリリングなライブでした。最初、リズムだけが重なっていって、しばらくそれが続く。これまで観たライブとは少し違った印象の始まり方。
「どんな風になるのかな。」
と思っていたら、独特のぐにゃーって歪んでくような音がなって、メロディが混入してくる。その瞬間、ドキドキするというか。空間が歪んでくような感覚。で、歪んでいくんだけど、何だかとっても心地よい。2曲目からは徐々にテンションが上がっていく展開で。中盤からは、更にどんどん高揚していく感じ。気付けば、かなり音に反応してる自分。終盤とか踊る。踊る。
発せられる音は不思議でぐにゃぐにゃちょいヘンテコなのに、それがスピーカーから鳴る時には、ものすごく心地よくて、ものすごくキレイ。静謐な雰囲気もあったり。そんな音の塊に包まれていく感じ。次に何が来るのか分からないようなワクワク感もたっぷりで。予測不可能な感じなのに、次に音が鳴った時には、気持ちよく音が繋がっていく。全体的な抑揚も絶妙だし、何よりライブ感がめちゃあって!
ただ、去年末に観た時の方がもっと上がってく感覚が強めのライブだったので、そっちの方が個人的には好きだけど。けど、今回もすごくよかったです。


− DJ − くるり
3人が交代でDJ。岸田氏→大村氏→佐藤氏→岸田氏。大村さんはちょっと間違って、途中で止まっちゃったのが、何か逆によかったり。佐藤さんは
「音響っぽいのが好きなのかな?」
と思ったり。インスト曲がちょい多めだったような。岸田さんはおもしろかった。流す曲に合わせて、色々アクションしてくれるし。本人もお客さんも楽しい。そんなDJ。最後にドラクエのオープニングの曲で締めるトコとか、何か好きでした。


migu
あらきさんが登場した瞬間に「かわいいー。」って声多数。smorgasが好きそうな人とか、コーネリアスが好きそうな人とか、お客さんの感じも色々。
編成は、あらきゆうこさん(migu):ドラム&歌
清水弘貴さん:ベース、ギター、コーラス、キーボード
堀江博久さん:キーボード、ギター、コーラス
名越由紀夫さん:ギター
って、めちゃくちゃ豪華!ちなみに清水さんはあらきさんの旦那さん。まず初めに、変わったストリングスのSEに合わせて、メトロの側面の壁に映像が流れる。それがSEと微妙にシンクロしてる感じで。どこか優雅なストリングスに合わせて、映像は早送り・カットアップ多用。ヨーロッパっぽい町並みで、あらきさんが歩いたり本読んだりしてました。そのSEと映像が流れつづけて、ピタッととまった瞬間に、ドラムがドコドコ連打の嵐。意標をつかれて驚き。そして、「こんばんわ、miguです。」とのコメントでスタート。最初は「救世主と村の娘の話」という音響っぽい電子音とポエトリーリーディングの曲。2曲目は「Lazy」。smorgasのカバーらしいんだけど、多分全然違う曲になってるのかも。8ビートに載せて、ディストーションでバリバリのギターが鳴ったり。語りっぽい歌が入ったり。倦怠感と摩訶不思議な感覚が混ざったような音空間。淡々と続くかとみせかけて、途中からドラムが爆発。ベースが印象的なフレースを奏でて、ぐんぐん疾走していって、リズムに乗って他の音もどんどん壊れてく。続けて、「spider」。常にドラムがちょっと複雑なリズムを叩いて。そこにどうやって弾いてるのか分からない、ギターやベースの音が混ざって混ざって混ざって。ちょっとSONIC YOUTHっぽい壊れていく雰囲気。かなり凶暴的。唯一の歌ものだという「Train run」は、
「カルピス劇場みたいな。」
とあらきさんがいうように、ほのぼのかわいらしい。メロディが素朴で、みんなの歌とかでありそうな。バックはコーネリアスがプロディースしたみたいで、キラキラ、的確な電子音と生音の融合が素敵でした。そして、あらきさんがギターに持ち替え(!)、「What to do?」。(ドラムは名越さんが担当。)結構実験的な曲で、シリアスで暗い質感もあり。少しヒップホップっぽいとも思ったり。また元の編成に戻り、「Wait!」。これがかなりのトランス感。「トランスバンド?」と思うような、リズムに合わせて音がどんどん昇っていく。ROVOとかを彷彿とさせたり。
「かっけぇ!」
と無条件に思う、そんなドラムと演奏で、ぐいぐい引き込まれる。でも、必要以上に長くなくさっぱりピシッと終わる。これがmigu的?最後は「Drive」。穏やかでキレイ。何だか優しい気持ちになるようなコード感で、加わってくる音も不思議な素朴さで安心安心な気分に。で、またドラムのドコドコ連打の嵐にて終了。
miguとしての初めてのライブだったみたいで、MCとかライブ慣れしてない感じはあったけど、途中はハラハラして、最後には優しい安心な心地になって。これだけ、コロコロ色んな音空間を次々にみせてくれたのは初めて。そういう意味で摩訶不思議なライブ。とてもよかったです。また観たい!、と。これから進化していきそうな気がするので。
それに、あらきさんのドラムの音とリズム、やっぱりすごく心地よくて大好きで。それを堪能できたのもよかった。スネアの音を聴いただけで、叩いているリズムを聴いただけで、
「あっ、あの人だ!」
って分かるのは素敵だと思うのです。


− DJ − アイニ(smorgas)
最初からあげあげな感じで。ビートの強い曲を連発。
でも、ちょっとだけ観て帰路についたので、中盤からどうなっていったのかは分かりません、、、。アイニのやってるDATASPEAKERってソロユニットが気になっていて。東京のmigu nightではライブもするらしく、いいなぁ。


帰り際に、ちゃっかりmiguTシャツと1stアルバムを購入。
「Tシャツ、かわいすぎて着れないかも、、、。」
という懸念がちょいされたり。けど、着る!いや、デザインはシュールな感じなんで、多分全然大丈夫なんだけどね。何分、miguというキャラが妙にかわいいんで、それが少々気になるけど。