2003年3月29日(土)。
”ROUND ABOUT・・・ キセル すきまミュージックス 番外編”
Polaris / キセル
@BIG CAT


久々のPolarisのライブってことで、
「1時間前にはきっちり行こ!」
と思ってたのだけど、普通に開演10分前に到着。
「遅れそうだったでしょ?」
と友達に言われつつ、ちゃっかりポラリスピンバッチはゲットしてたり。一回売り切れたと聞いていたんだけど、入りは6割くらい?でも、ちょっと開演時間が遅れて、始まる頃には9割くらいの人口密度。
「やっぱり売り切れてたんじゃ?」
@ぴあの”余裕があります”マークが何だったのか謎な感じで。


Polaris
今年初めてのポラリス。
きっとまたできる限り観に行くんだろうな。
と、何となく思っていたのを、「絶対に行ける範囲のは毎回行く!!」と自分に即決させた今回のライブ。ホントによかった!何だか進化してきた気が。去年のワンマンはものすごく充実の内容だったので、「ある程度、演奏の形が完成しつつあるのかな?」と思ってたら、さらに次の段階に行ったよーな。
1曲目は「6:30 a.m」。ベースの譲さんがパンディエロ(タンバリンみたいな打楽器)に持ち替えての演奏。それとギターのシンプルな編成からスタート。
パンディエロの音がダブ処理されてるのか、かなり低音が効いてて、
「これ、パンディエロの音?」
と思うような音も鳴っていたり。そこにスネアが軽く芯のあるドラムが流れ込んできて、心地よさ倍増。軽やかに刻まれつづけるドラムと低音。
で、柔らかい高音のコーラスのような歌。
続いて「Slow Motion」。淡々とアルペジオが鳴り響いて、ベースが入ってくると、
「すげぇ!」
と思わずにはいられないくらい、今回のベースは重かった。ものすごく低音が効きまくっていて、ずんずん音が当たってくる。けど、そこに風通しのよいドラムとふわふわ優しい歌が重なって、重低音に包み込まれつつ、浮遊しているみたいな。とにかくベースの低音が強烈なんだけど、それがすごく心地よくて。
いつもとは少し違うニュアンスで歌うオオヤさんの歌声もとても大らか。後半のゆっくりうねりながらコーラスとギターがユニゾンしながら登っていくトコとか!
もうすでにちょっと鳥肌が。去年のフジロックを思い出すような開放感も。
その後、一旦軽いMC。今日はいつも以上にのほほんとした感じで。とても楽しげなやり取り。と、ここまでは今までのポラリスとほぼ同じ。(と言っても音響とかよくて、最高だったけど。)ふわふわ優しい漂ってるみたいな心地よいライブ。
でも、ここからがもっとすごかった。次は去年のツアーで初披露された「10:30 p.m」(曲名自信なし)。この曲、今までの曲とはちょい違う質感で。ロックバンドがジャムったみたいな曲というか。リズムがピシッと決まってブレイクが入ったり、ベースがうねりまくったり。ポラリスのライブってただひたすら心地よくて優しい空気。だと感じでたんだけど、これはすごくスリリング。
続く、「ハニームーン」も途中の間奏部分が激ロック!ギターがギャンギャン鳴っていて。それにベースが絡んでいくんだから、もう!さらに、ドラムもタメをビシビシ決めて。いつになく攻撃的な感じ。けど、すっごく心地よくて。尖った部分をそれより大きな柔らかい空気感で包んでく。
そして、待ってました的な「季節」。CDに近いイントロで、遠く遠くから聴こえてくるようなギターのアルペジオがふっと消えて。一気に本編に突入。
これは言わずもがな最高。いつも以上にどんどん先に進んでいくような感じに溢れてて。なおかつ、すごく心地よい。空を飛んでるよーな感覚。風景がどんどん移り変わるような感覚。歌声にエコーがかかって、くるくる回る。坂田さんのコーラスが加わり、何だかひたすら柔らかい。それでいて、軽快でリズムに乗ってどこまでも行っちゃいそうな。
間髪入れず「ねじまわし」。元々結構ファンキーな曲な気がするんだけど。
特に今日はロックな質感が強かった気がするので、すごくアッパー。自然に踊っちゃう。実際に踊る踊る。ゆらゆら揺れるいつものライブとは確かに少し違っていて、
「踊りてー!」
って何時の間にか体が反応してる感じ。
と、意識が完全にポラリスだけに集中していったトコでゆるーいMC。
”6月にシングルが出る!”という告知とか、メンバー紹介とか。坂田さん、「師匠〜!」って声援が飛んでました。オオヤさんは明日甲子園を観に行くらしく。
今度からは「主将〜!」って呼ばれるのかもしれません・笑。
最後は「光と影」。うーん、優しいです。とっても優しい。大きな大きな優しさ。
さっきまでの爆発気味?な雰囲気はなくなって、いつのまにか空中に浮かんでしまいそうな雰囲気。トロトロトロトロ空気が和んでくる。ゆっくり着実に、あったかい気持ちになる。そんな余韻を残して、ライブ終了。イベントなので短かったような気もしたけど、大満足。というか、この感じでワンマンだったら、イっちゃいます。野外とかだったら、音に酔い切ってしまいそう。


キセル
映像付きのライブでした。
さりげなく2回目に観るも、あまり曲を知らなくて、ちょっと不安と期待が混ざってたんですが、よかった。
編成は2人とサポートでドラム、ギター、キーボード、VJ。
「予想以上に音響っぽいライブをするんだなぁ。」
と思ったり。とっても緻密で、どこかここちよい間が残ってて。
「風とくらげ」という曲が個人的に好きなメロディの進み具合と音で聴き入る。キセルの音って懐かしいって感覚が大きいと思うのですが、そこにはなにか摩訶不思議な感覚も入っているような。映像に映し出される不思議な絵本というか童話みたいな世界。それがそのままこの世界のよーな。すごく懐かしい瞬間があるんだけど、どこか不思議に煙を巻かれてる心地。ピアニカと弾き語りに少しの電子音の曲はどんどん現実から夢の中に入っていっちゃう気分になった。エレキベースをチェロのような弾き方で音を鳴らしたり。色んな音を楽しめるという点も素敵で。
よく知っていた「ギンヤンマ」はやっぱりよい。メロディが時々過度にノスタルジー。夕方が広がってく。
アンコールでのインスト主体の「コロンビア」がまたよくて、一番音響っぽい曲だった気がして、フアナモリーナみたいな感じもしたり。声も楽器の一部っぽい構成で、アコギの音がポロポロ響いて残っていく。
この曲の中で「夜中に目が覚めた、ここはどこだろう?」
というような歌詞があったんだけど、キセルのライブの空間は正にそんな感じがしました。懐かしさのあるメロディーや音の中に、突然不思議で突飛な効果音が降ってくる。それがこのぐにゃーって歪んでくような感じを加えてるのかも。
最後は「ハナレバナレ」。2年半くらい前にライブで聴いた懐かしい曲。ナゼかこの曲は鮮明に覚えてた。トロトロ溶けていきそうな浮遊感。


最後はステージに今日の出演者全員が出てきて、ビールで乾杯。アットホームでいいイベントでした。それに、Polarisとキセルって対バンの相性がよいと思った。浮遊感の質は違うけど、どっちも心地よい音であることに変わりはないし。これからも、この2バンドでちょこちょこイベントしてほしいな。
京都のタクタクとかでやるとすごくいいかもと思ったりね。