2003年4月27日(日)。
カヒミカリィ
” LIVE. 2003 ”COME FLY WITH ME” ”
@ON AIR OSAKA


前に大阪でライブしたのは、もういつか分からないくらい前。
それゆえ、期待も高るわけで。
1回観てみたかったし。

開演15分前に着いて結構焦って入場。
人多かったです。かなり多かったかも。
(売り切れてるから当然?)


何ていうか、
「あっという間に時間が過ぎてった。」
そんな印象の一時でした。
最初、水の中の映像が大きく投影される中、バックバンドが登場して、「Tomode(outside)」をしばらく演奏。その内、ステージ端からスモークがもわもわ。そして、カヒミカリィ登場。歓声多数。瞬間的に、一気にお客さんが前へ前へ押しかける押しかける。
初めて生で見るカヒミは当然のごとくキレイ。細いし、、、。
スーっとするような清涼感のある音の「Tomode(outside)」を軽く歌った後に、流れるように「Trapeziste」。さっきまでの雰囲気とはガラッと変わって、爆音ですごいカオティックな音が鳴らされたので、びっくり。この時の演奏は文句なしにカッコよく。
ギター:神田朋樹、高井康生
ドラム:外山明
ピアノ:久米大作
ベース:水谷浩章
サックス:菊地成孔
トランペット:佐々木史郎
パーカッション:仙波清彦
の恐ろしく豪華なメンツなバンドで。
全員どんな方かは知らないのだけど、めちゃくちゃ上手かったです。元々この曲はごっちゃごちゃなフリージャズっぽいのに、忠実に再現どころか、それ以上の演奏を聴かせてくれて圧巻。ただ少しヴォーカルが聴こえにくかったのが残念だったけど。でも、映像も水の中に赤いインクが広がる意味深なもの変化したり。カヒミがステージの真中に置かれた水槽に実際にインクを蒔いたり。曲の後半で、スポットライトを振り回したり。とても効果的な演出で独特の空間が作られていく感じ。
ライブはアルバムの曲順どおり、曲各々に合った雰囲気を作っていく感じで進行。 個人的にはギターと軽い演奏だけの「Habenera」。
時計の音がカチカチ鳴って、時間が逆行するような音の中で、便箋を見ながら、歌詞を朗読して、読み終わったページを1枚づつちぎっていく「Sleep」。
チリチリと目まぐるしく音が破裂する音響っぽい音空間に、天井からたらされた電球がチカチカ点滅しながら、不思議な暗ーい空気が漂った「Tomode(inside)」。 など、音数の少ない曲の方がヴォーカルの質感が浮き上がる感じでよかったかも。
けど、雨空の音と映像で始まって、後半鳥肌もののピアノソロがあった「Au marche de Saint-Ouen」から疾走するジャズのような「Lexie」の流れは最高で、この曲での曖昧だけどキレのいい歌声もよかったです。
終盤の「Je veux un vieux」は楽しげなサックスとトランペットのやり取りで、今までどっか深遠な世界観だったステージも明るくなった心地。
そのままラストの「kinski」ではガスで作った(?)シャボン玉で会場が溢れて、とっても幻想的。キラキラ緩やかな曲と合わさって、ふわーっと着地するように本編終了。

で、3曲のアンコールは全部穏やかに、とてもリラックスして聴ける感じで素敵だった。特に「still be a girl」は一番歌が活きた曲だった気が。メロディ自体もいいし。アンコール後の最後の最後に、ちょっとだけカヒミが再登場して、
「ホントにありがとうございました。」
とコメントしてライブは全て終焉。
全体的にエキセントリックなショウを観てるようで、最後は穏やかなトコに落ち着いた、そんなライブでした。