CHEMISTRY
『Long Long Way』
2004. 10. 27 Release!!

久々に聴きました、CHEMISTRY。 1〜2曲を繰り返してじっくりしっかりちゃーんと聴いたのは正直初めてです。
が、「あっ、無難な出来なんだろーなぁ。」
と思ってしまう、良い意味でも悪い意味でも危なげない安定感はなんなんでしょ? 確かにドコも問題ないようなクオリティなんですけど、ずっとCHEMISTRYを聴き続けてきた人にとっては、ちょっと飽きられてしまう可能性もなきにしもあらずのような感がしないでもないです。 ほとんどCHEMISTRYを聴いたことがなかった自分でもそう思うんだから、もうちょい新機軸を打ち立ててみたりとか、思い切って冒険してみてもいいんじゃないっすかねぇ? 全国何十万のケミファン(って言うのか?)から殺されそうな生意気なことたれてますけど、売れていて何枚もリリースを重ねてくると、どうしても発生してきてしまう” マンネリ ” の危険性を払う力がこの曲には幾分足りないように感じました。
ただ、めちゃくちゃ知名度がある人達の新曲って、大概そうなのかもしれない。 というのも事実であって、既存のファンが納得!な曲としては、100点満点中85点くらいの高得点ではあると思われます。 ん? 「何で100点じゃないんよ?」 って? それは、「Long Long Way」もカップリングの「涙のあと」も、何だか控えめで、ドカーンッと売り出すにはちと地味だから。 もちろん地味目が好みな人もたくさんいるんだろーけど、
「CHEMISTRYだから、耳馴染みが一聴で抜群じゃないとなー。」
めちゃくちゃ知名度があるがゆえにパンチが効いていないといけない。 その部分の足りなさにマイナス15点なんです。 つまり、” マンネリ ” でも、売れに売れそうで買った人が全員満足するような圧倒的な何かがあれば説得力があるんだけど、
「いいんだけど、もっとできるよね?」
と受け取られてしまうかもしれない、どっちつかずな感じが、このシングルがイマイチしっくりこないポイントなんじゃないか、と。
などと否定的なこと言ってますけど、嫌いじゃないです、「Long Long Way」! 「お前、散々言っといてっ!」 という声が聞こえて参りました。 ごめんなさい。 けど、好きなんだよ! いいだろー! けどけど、大好きじゃないYO! あっ、「お前、なめとるんかっ!」という罵声が、、、。 作曲がSPANOVAでメロディは好きだし、元SPANK HAPPY(この事実知ってる人、ほとんどおらんやろーなぁ)の河野伸による抑え目で至極キレイなアレンジもなかなか。 ピコピコした輪郭の丸い電子音とトライアングルみたいな電子音の絡み合いなんかは、結構ツボ。 んで、この部分だけピックアップしてくるとSPANOVAっぽい音を連想するんすよ。 加えて、そんなささやかな音響的要素とやたらと几帳面に丁寧な歌とコーラスが、意外にもかなり合ってるんすよ。
「あー、いっそのことアレンジも全部SPANOVAがして、バリバリの音響ポップスにしてくれたらおもしろかったのに!」
そして、個人的に特に良かったのは表題曲の韻シストMIX! 普通に3MCのラップも入ってるし、トラックもゆるーい生音ヒップホップに仕上がってて、ほぼ韻シストの曲みたくなってるので、当然好きなわけです。 でも、これもCHEMISTRYの作品として聴くとしっくりこないんです。 ぶっちゃけ、
「別にCHEMISTRYの歌の部分要らんやん。」
って、9割くらい韻シストの曲になってるのに、無理矢理原型を残そうとした感が否めない。 きっと韻シストMIXはある種の意外性を狙ったコラボレーションだったと思うんですけど、これだと、CHEMISTRYをサンプリングして韻シストが曲を作ったっぽい聴こえ方がするので、コラボレートしてることにならないんじゃないのかな、って。 うーん、好きな要素はあるのに、何だか煮え切らない「Long Long Way」。 7.4万枚。


鬼束ちひろ
『育つ雑草』
2004. 10. 27 Release!!

さて、次は久しぶりに聴いたとかじゃなくて、ホントに久しぶりリリースらしい鬼束さんです。 聴いて思ったことをつらつらと連ねると、
@ 「鬼束ちひろってこんなんでしたっけ?」
A 「北斗の拳のOPテーマを思い出してしまった、、、。」
B 「何だか、少しカッコ悪いかも、、、。」
この3点です。 「育つ雑草」って曲名もさることながら、内容も何だかキてます。
「どうしたんよ? 鬼束さん、、、。」
過去の作品をちゃんと聴いたことがないので、はっきりと激変したとかは言えないのですが、問題作なのかも。 というのも、以前の鬼束ちひろの曲に対する自分の勝手なイメージは、「静謐」だとか「キレイなストリングスを多用したアレンジ」だとか「自意識過剰で暗い歌詞」だとか。 内向的でドロっとした側面を強く押し出しているが、聴こえ方は端整な印象がしていたんです。 ところが、この曲、もう吐き出して吐き出して吐き出して吐き出して吐き出しちゃってます。 いや、吐き出してたという意味合いでは、内向的ものも同義だと思うんですが、今回は ” 吐き出し方 ” が全然違うんです。 前が、膝を抱えてリスカとかしちゃいそうな感じだったとすれば、「育つ雑草」はもう暴れて暴れて暴れて暴れて暴れたおしちゃってる感じ。 さらに、そんな荒れ具合に発車をかけるような、ハードロッキン!なギターとビジュアル系ちっくな構築美スレスレのストリングスが全面に展開される、やや懐かしさが漂う曲調。 それも、勢い的にはギターを壊しかねんばかりに。 なんてジャケを見たら、持ってる人形の首が逆転してて顔もめっさ怖いし、、、。
「マジでどうしたんよ? 鬼束さん、、、。」
” もう必要もない あらゆる救済 ” “気分は野良犬 私は今死んでいる ” なんて歌詞までサビで飛び出してきちゃって、これはもう正に ” 時は世紀末199X年! ” 状態。 (ヤバイ! ジェネレーションギャップが! ひぃ、、、。) 北斗の拳を連想したのも、あながち的外れなことじゃない気がします。 むしろ、北斗の拳が再アニメ化されたら、十二分に主題歌を狙えます! (ああ、絶対誉めコトバになってねー、、、。) で、そんな暴走と濃厚な音が渦巻くこの世界観は、今の流行的な視点から見ると、” カッコがよろしくない ” 気がします。 レコード会社の移籍とかゴタゴタがあったみたいで、吐き出したい気持ちが高まっていたのかもしれません、鬼束さん。 ” 捨てれる 選べる 逃げれる 笑える 眠れる 飛べる 私はフリーで 少しもフリーじゃない ” なんて歌詞からしても、ゴタゴタ加減が見え隠れ。 でもね、
「もうちょい巧みなカタチで吐いた方がよかったような、、、、。」
いやいや、吐き出し方に巧さなんていらないんだっ! 確かに正論ですが、ここまで極端に振り切れて暴れて倒して、なおかつそれをキチンとそれまでの表現の仕方(しかも、この人ってかなり確固たるものを築いてたはず)と繋げるのは至難の技だとも思うわけです。 かくいう、この曲もその意味合いでの出来不出来は五分五分といったトコ? カップリングのピアノの弾き語り「Rainman」の方は一転して簡素で地味な曲ですが、こっちの方が吐き出したいゴタゴタして沈鬱な気分が、従来のファンへキチンと伝わる気がする。 「育つ雑草」はどうしても違和感が介入しちゃうんじゃないでしょうか。 (まぁ、それは俺が単にひねくれてるだけかもしれんですが。) でも、この吹っ切れ方は、ドコに行っちゃうか分かんなくて、様々な予感を喚起させられるのも確か。
「どうなっちゃうんかいな? 鬼束さん。」
3.8万枚。


Lead
『手のひらを太陽に / Delighted』
2004. 10. 27 Release!!

何だか、
「これを今度韻乱やる!」
ってことになって以来、色んな意味でワクワクして待ってたんですが、このCD、近くのレンタル屋さんではドコに行っても貸してませんでした、、、。 なので、両A面である2曲目「Delighted」はどんなのか分かりません。 すいません。 でも、「手のひらを太陽に」はみんながよく知ってるあの童謡であって、曲自体は知っていたし、Leadが歌ったこのヴァージョン(っていうの?)もテレビで全編PV付きで聴かさせて頂きました。 じゃ、感想。
「なんじゃこれ?」
はい、いきなりけなしてしまいました。 すいません。 でもね、やっつけ仕事的でチープな打ち込みに乗る、これまた「お仕事してますー」的な上手くもなければ、やる気があるのかないのかも、何を表現したいのかも分からん歌に、大塚○以来の怒りの鉄拳を食らわしたい忌々しさを通り越した嘔吐感に見舞われました、、、。 妙に明るく、空虚な元気さで溢れまくってるのも、聴いていてゲンナリ。 よって、ノンガッテン! ★ゼロ個! 10段階評価で言うと1! しかし、Leadのメンバーもこんなカッコいいカワイイ顔に生まれてきて、めでたくCDデビューまでしてるアイドルなんだから、もうちょっとマシなもん歌わせてあげないと可愛そうですぜ! 兄貴! しかーししかし、ここで注意しておきたいのは「手のひらを太陽に」はいい曲なんです。 音楽の教科書にも載るくらいだから、不変的に歌われ聴かれるだけのメロディはちゃんと持ってるってこと。 それが、アレだ。 アレンジと歌でここまで酷くなるもんんですなぁ、、、。 言ってみれば、すっごい美味しい素材をすっごい不味く調理するようなもんです。 例えば、マツタケをチョコレート和えにするとかさ(季節柄マツタケにしてみました)。 幸い、ラップが入ってないのだけが救いですが(童謡に中途半端にラップを入れるのだけは止めてほしいので)、これをエンドレスで流され聴かされた日にゃあ、鬼束さんの言うところの “ 気分は野良犬 私は今死んでいる ” っすよ、、、。
過去最高にけなしましたが、この曲、物心で友達から借りたLeadの1stアルバムの曲達よりかは、相当マシです。 なにせ、1stアルバムは1曲も通して聴ける曲がなかったので、、、。 自分はどーんなに嫌いでも、おもしろがって1回は通して聴く人なので、そんなことはLeadが初めてでした。 あの時の惨状を考えれば、これは全然聴ける! ただ、Leadって全員17歳らしいんですよ、、、。
「17歳にもなって、こんな幼稚園のお遊戯みたいなことを公共の面前でするのは、いくらアイドルでも嫌だろう、、、。」
と、思うんですが、、、。 あまりにものw-indsやFLAMEとの扱いの差は何なんでしょうか、、、(3組とも同じ系統なのに)。 もう片方の「Delighted」はマトモな曲になっていることを願って止みません。 3.2万枚。


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