2004年3月27日(土)
Date Cource Pentagon Royal Garden
@MOTHER HALL


「雑踏に戻るための、精密な法。」
行ってきました! 踊ってきました!
Date Cource Pantagon Royal Garden!
デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン!

オールナイトのイベントで他にもたくさんのバンドが出たので(milky-chuと赤犬が見れたのは嬉しい!)、デートコースのライブが始まったのは、正に夜中の25時を回った辺り。 それから、狂乱の2時間半、ほぼノンストップのライブ。
「ヤバイ!」
と、語彙を失うとはこのことかというくらい、意識が振り切れそうでやばかったです。 「HEY JOE」で、完全に自分の中の何かが振り切れたよーに踊り狂わされ(ポケットに入れていた携帯が踊る反動で3回くらい落ちた、でも、曲が終わるまで気付かず! みたいな)、「CIRCLE LINE〜HARDCORE PEACE」の後半の大爆発に感覚が高揚しすぎて、
「意識振り切れるっ!」
そんな風に、軽く狂ってしまうかと思ったくらい。

と、DCPRGの音はポリリズムという個々の楽器が別のリズムで演奏し続ける「Catch22」なんていう、計算されつくした技を要する曲を鳴らしていたりするのに、聴こえてくる音は、恐ろしいほどに暴力的で活きてる質感に塗れている。
その音の生命力は ”さりげなく活きてる” なんて生易しいもんじゃなくて、迫り来る音と、あたかもセックスでもしてるかのごとく肉体的で、生々しいのだ。
一体、この音の向かう先には何があるんだろ?
リーダーの菊地さんは、精神病をわずらい、起こるであろう戦争に備えてこの大所帯のバンドを組んだのだと言っていた。 なんて、このエピソードだけをピックアップすると、何とも病的で神経質なバンドになるように思える。
しかし、実際は全く違う。 正反対と言ってもいいかもしれない。
まるでスポーツでもしているかのごとき運動量の踊りを、無意識にさせられてしまう音には、解析や計算いったある種の堅い合理性は全く感じられない。
なのに、演奏の方法は、菊地さんが真ん中で全体のプレイヤーの指揮をとり、真っ向から構築的で計算に計算を重ねて、音が何層にも合わさっていくような感じなのだから、とても不思議。
緻密に考えられて鳴らされている音に、ギターを持ったばかりの少年が弦をでたらめにかき鳴らしているような、熱狂をかきたたれるのだから。

途中のMCで菊地さんは
「歓楽街って好きなんですよねぇ。」
と、言っていた。
そうそう、DCPRGの音は、街にすれば歓楽街かもしれない、人の肌と肌がすぐにふれあうような生ぬるく、ドロドロとした人間臭さ。
けど、音の構築のされ方は、さながら新興住宅街なのだ。
無駄な物を排除し、ただただ快適に暮らせるであるようにみせられた、意味はないが大切な隙間や歴史ない都市。
それなのに、実際に鳴る音は、そんな郊外へ、活きている熱狂と振り切れそうな狂気を一気に吹き込んでぶっ潰すような、タフで繊細な生命力で溢れている。
「この音は未来に鳴らされてる感じがする。」
なんて、個人的に勝手なことを思ってしまった。
その未来は、もっと人が活きている世界のような気がする。

汗で服がベットベトになった本編の後、アンコールで最初に演奏されたのは、とても滑らかでキレイな旋律を繰り返す今までの熱をいい具合にクールダウンしてくれるような風通しのいい曲だった。
「何か、これって表面上はベッドタウンみたいな雰囲気。」
なんて感じながら、ふと気付く。
この曲の名前が「構造C 寺院と天国の構造」だったってことに。
「うわぁ、抜け目がないなぁ。」
と意識も幾分正常に落ち着いたトコで、最後に「ホーチミン市のミラーボール」。
”ピースフル”なんて言葉はもう化石化してしまったって、みんな言ってるけど、この曲で踊っている時におぼろげに浮かんだ言葉は、それだった。
もうずっと踊っていてヘトヘトなはずなのに、
「何で、こんなに楽しいんだろ?」
と、笑っちゃうくらいに、体が動く動く。
やっぱり、どんなこんがらがった思考が混在する現状でも、体は正直だよ。
ホント、最高でした!

※ちなみに一緒に行ったしんちゃんも今まで見たことないくらいのステップを披露してはっちゃけまくっておりました。 女豹、踊る。