2004年2月13日(金)。
日暮愛葉
” ”Born Beautiful” T0UR ”
@心斎橋クラブクアトロ


「かっちょいい、としか言えません。」
と、日暮愛葉のライブに行ってきたわけです。
黒いシンプルなドレス(!!)で登場した愛葉姉さん。
最初に歌いだした瞬間にびっくり!
雰囲気が、去年の秋にMINAMI WHEELで観た時と全然違っていたのだ。
それは、以前とは全く違う方向で、比較にならない程”声が穏やか”ということで。 無理のない歌と音が鳴っていて、ライブを観ているという高揚感と共に、ゆったりと日常的な平常感でいっぱいになった。
「ギターを鳴らして歌う、ということがこんなにも自然にできる人が他いるだろか?」 と言っても過言ではないと思う。
鳴らされる音々は日常を逸脱せずに、すんなりと入ってきて、とても耳障りがいいし、それでいて、何かを強烈に、しかし極めて控えめに、体内に残していく。

時に思い切りパンキッシュな爆音をぶちまけて、踊り振り乱しまくり。
本編最後の「cherry」なんかは、後半からぐんぐん音もテンションもヤバくなっていって、観ているこっちまでが発狂してしまいそうなぐらい。
というか、「ちょっと!かっこよすぎるやろ!!」って、頭の中が真っ白。
さらに、バックのdownyにメンバーによる演奏も、抜群に鋭くて、圧倒の連続。
でも、そんな非日常な緊張感が炸裂しても、どこかとても余裕があったのも確か。 それは、何か大きな手でつつまれているような安心感や、日々の感覚の延長にあるものがちゃんと存在している感じ。

「個人的に、この人のことをすごくカッコよいと思っている。」
鬱病やパーキンソン病と共生しながら、育児をし、音楽を続け、”中途半端な大人の夢はどこにあるんだろう。どうか晴れないで。”
というエッセイの一節を読んだ時は、本当に泣きそうになった。
新曲で”永遠ってはじける泡みたい”って歌った姿と、「baby beautiful」でこっそり”愛してる”って言った姿と、狂乱の中、”FUCK”って叫んだ姿。
それは、すべて日暮愛葉と言う人の必然で、非現実でも無理に熱狂に引き込むものでもない。 今、ここに生きているという生活がしっかりと感じれるものだった。 とてもまっとうで、ちょっと悪態で、すんごいキュート、そして憧れ。
「ね、かっちょいい、としか言えないでしょ?」